約100兆個の腸内細菌のおかげで人間は生きている【腸内フローラ】

約100兆個の腸内細菌のおかげで人は生きている 悪玉菌

胃腸が弱くて、普段からあまりご飯も食べないです。ストレスなんだろうけれど、、腸内細菌の悪玉菌が多い体質なのかな。

と、いう方へ

胃腸が弱くて、普段からあまりご飯も食べない


腸内で活性酸素を出しているのが、悪玉菌です。
だからといって、そんなに悪い菌ではないですよ。



今回は、腸内細菌のお話しです。

■もくじ

  1. 約100兆個の腸内細菌のおかげで人は生きている
  2. 腸内細菌の「善玉菌」も「悪玉菌」もともに人を守っている

この記事は、世界で初めて大腸内視鏡の挿入方法を考案した新谷弘実ドクターが書かれた『病気にならない生き方』を参考にして、重要な点を抜粋しながら解説していきます。

新谷 弘実 サンマーク出版
アメリカ消化器内視鏡学会で、多くの賞を受賞している胃腸内視鏡分野の世界的権威。
世界で初めて、大腸内視鏡を使ったポリープ切除術を考案し、その技術によりガン発症リスクを大きく減少させた功績を称され、医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』※1 において、医学界に大きな影響を与えたドクターのひとりに選ばれた。
各界のトップやハリウッドスターなど多くのVIPから主治医として支持される。
著書『病気にならない生き方』は200万部を超すベストセラーとなり、16種類の言語に翻訳、世界中で販売されている。
プロフィール

■ この素晴らしい本を、
■ 僕(コータロー)が、掻い摘まんで解説し紹介します
■ 貴方の暮らしにお役立てください

約100兆個の腸内細菌のおかげで人は生きている

私たち人間は、微生物とともに生きているのです

海で死んだ魚は、海底深く見ても、魚の死骸が堆積しているところなどありません。

海の中の微生物が少しずつ分解して、いつのまにかなくなってしまうのです。

腸の中には、腸内細菌と呼ばれる微生物で満ちています

私たちの世界は、肉眼では見えませんが微生物に満ちています。きれいな空気の中にも、1センチ立方に約1000匹もの微生物がいるといわれています。

高度1万メートルの上空にも、地下1万メートルの世界にも、微生物はいます。もちろん海中にもたくさんの微生物がいます。私たち人間の腸の中にも「腸内細菌」と呼ばれる微生物がたくさん住んでいます。

つまり、、、

  • 私たち人間は、微生物とともに生きているのです

腸内細菌は、約100兆個、その種類は約300種

人間の腸内には、約300種類、約100兆個の腸内細菌が住みついているといわれています。

腸内細菌は、生命力の源である3000種類のエンザイム(酵素)を作っている

彼ら腸内細菌はただいるだけではありません。私たち人間はとても多くのことを、この細菌たちにしてもらっています。そのなかでももっとも重要なのが、、、

  • 生命力の源であるエンザイム(酵素)を作ってもらっていること

腸内細菌は、およそ3000種類ものエンザイム(酵素)を作っているといわれています。

善玉菌といわれる腸内細菌の乳酸菌は、ガン細胞などと闘っている

腸内細菌にはいわゆる「善玉菌」と「悪玉菌」と呼ばれるものがいます。一般的には、乳酸菌のように人間にとってよい働きをする腸内細菌を「善玉菌」といい、ものを腐らせたり、人間の身体に害をおよぼすものを作り出す腸内細菌を「悪玉菌」といいます。

「善玉菌」は活性酸素が発生すると中和する働きをする

善玉菌というのは、ひとことでいえば抗酸化エンザイム(酵素)をもっている菌のことです。彼らは腸内にフリーラジカル(活性酸素)が発生すると、自ら死んで体内の抗酸化エンザイム(酵素)を出し、フリーラジカル(活性酸素)を中和させてくれます。

「善玉菌」は大量のフリーラジカル(活性酸素)の後始末をしてくれている

腸内には絨毛と呼ばれる小さな突起がびっしりあるのですが、その絨毛の突起のあいだには善玉菌である乳酸菌が入り込んでいます。

この絨毛の中には免疫システムにかかわる白血球やNK細胞(ナチュラルキラー細胞)といったものが出てくるのですが、それらは、異種タンパクや細菌、ウイルスやガン細胞などの異物と戦うときに大量のフリーラジカル(活性酸素)を出します。

  • 善玉菌といわれる腸内細菌の乳酸菌はその後始末ともいうべきフリーラジカル(活性酸素)の除去に活躍してくれるのです

腸内細菌の「善玉菌」も「悪玉菌」もともに人を守っている

腸内細菌の「善玉菌」も「悪玉菌」もともに人を守っている

悪玉菌は、不消化物などを破壊・崩壊させるような働きをするので、一般的には有害菌だと考えられています。

腸内細菌の悪玉菌も必要だから体内に常在している

一般的には有害菌といわれている悪玉菌ですが、、、

  • 不消化物を早く体内から排出するために、異常発酵を起こし
  • 有毒なガスを出させて腸を刺激し
  • ガスや便の排泄を促している

と、考えられるのです。

ですから、腸内細菌というのは、本当は善悪がそんなにきっぱりと分かれているものではなく、【悪玉菌も、必要だから体内に常在している】のではないでしょうか。

どんな栄養素でも摂りすぎれば身体の中で毒になる

人間に利益をもたらすものを「善玉菌」、人間に毒になるものをもたらすのが「悪玉菌」、そしてそれ以外の、人間には毒にも助けにもならないような菌を「中間菌」と称するのですが、これはあまりにも身勝手な分類だと思います。

大切なのは全体としてのバランスです。

タンパク質のようにどんなに大切な栄養素でも、摂りすぎれば身体の中で毒になるように、、、

  • 悪玉菌も増えすぎれば問題ですが、健康維持のためにはいなければ困る細菌

なのではないでしょうか。

腸内細菌は、菌の種類のバランスが大切

腸内細菌のバランスはとてもデリケートです。

環境に左右されやすい腸内細菌は、非常にもろい

微生物というのは、非常にもろい生物です。環境に左右されやすく、繁殖に適した環境だと一気に何千倍、何億倍にも増えますが、環境が悪いとすぐに死んでしまいます。

中間菌は、あいまいすぎる腸内細菌だ

腸内細菌のなかで大多数を占めている中間菌は、まわりに善玉菌がいっぱいあると、自分も抗酸化エンザイム(酵素)を出すようになるのです。

が、、、

  • まわりに悪玉菌が多いと、逆に中間菌も酸化酵素をだして悪玉菌に変わってしまう

というファジーな性質をもっています。つまり、より多数派に染まってしまうのが中間菌なのです。

腸内細菌の中間菌を悪玉にするかは、アナタの自分自身の行いが決めているのです

食生活の乱れや悪い生活習慣をかえりみず乳酸菌の悪玉菌を悪者にしてはならない

人間は悪玉菌を毛嫌いしていますが、悪玉菌が増えるような腸内環境をつくり出しているのは、ほかならぬ自分自身です。自分の食生活の乱れや、悪い生活習慣を棚に上げて、微生物を責めることはできません。

腸内細菌の中間菌を悪玉にするかは、アナタの自分自身の行いが決めているのです








以下は、厚生労働省厚生労働省のホームページから、、、

腸内細菌と健康

腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していることが知られています。体の健康には、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。善玉菌を増やすオリゴ糖や食物繊維を十分にとって、同居人である腸内細菌と協同して健康を作ることが大切です。

ヒトの腸管、主に大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌(腸内細菌叢(そう)や腸内フローラとよばれます)が生息しています。ヒトの腸内細菌は、善玉の菌と悪玉の菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3グループで構成されています。

これらの菌は互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとっています。腸内細菌の中で一番数が多い菌は中間の菌で、次に善玉菌が多く、悪玉菌は少数です。腸内細菌の種類は個人によって極めて多様で異なり、さらに食事・在住国などの要因によっても異なるとされています。

また、菌の数は年齢によって増減はあるものの、菌の種類は一生を通じてほとんど変わらないことも報告されています。例えば抗生物質の飲用や食中毒では腸内細菌は大きく変動しますが、時間の経過とともに元に戻るとの報告があります。

悪玉菌は、たんぱく質脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えてきます。

腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。

一方、健康的な腸内細菌は、ビフィズス菌乳酸菌(正確には乳酸桿(かん)菌)などの善玉菌が優勢であり、その他の菌ができるだけ劣勢である状態です。

善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ります。

また善玉菌は腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生します。さらに善玉菌の体を構成する物質には、体の免疫力を高め、血清コレステロールを低下させる効果も報告されています。

腸内の善玉菌の割合を増やす方法には、大きく分けて二通りあります。

まず一つめは、健康に有用な作用をもたらす生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取する方法です。
食品ではヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を含むものです。ただし、これらの菌は腸内にある程度の期間は存在しても、住み着くことはないとされています。そのため、毎日続けて摂取し、腸に補充することが勧められます。
なお、善玉菌は生きて大腸まで到達しないと意味がないと言われますが、死んでしまっても善玉菌の体を作る成分に有効な生理機能が期待できます。

二つめは、腸内にもともと存在する善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティクス」を摂取する方法です。

食品成分としてはオリゴ糖食物繊維で、これらの成分は野菜類・果物類・豆類などに多く含まれています。消化・吸収されることなく大腸まで達し、腸内にもともと存在する善玉菌に、好きな炭水化物の「エサ」を優先的に与えて、数を増やそうという考えです。オリゴ糖は、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどの食品にも多く含まれていますので、これらの食材を食事に取り入れると良いでしょう。

また特定保健用食品などで市販されているものもあるので、効率的に摂取するにはこれらを利用するのも一つの方法です。

市販されているオリゴ糖製品の有効摂取量は、一日あたり2~10gです。しかしオリゴ糖を急に摂取すると下痢を起こしたり、おなかが張ったりすることがあります。このような場合には1回の量を2~3回に分けて摂取する、または1日あたりの摂取量を減らして数日間かけて推奨されている摂取量まで増やす、という方法があります。オリゴ糖に対する腸内細菌の「慣れ」を考えながら摂取することが重要です。

腸内細菌が健康的な好ましい状態であるかどうかを知るもっとも簡単な方法は、便を観察することです。

善玉菌がたくさん酸を作っていると、色は黄色から黄色がかった褐色で、においがあっても臭くなく、形状は柔らかいバナナ状が理想です。

逆に黒っぽい色で悪臭がある便は、腸内細菌のバランスが悪くなっている状態です。健康づくりにはおなかの中の同居人である腸内細菌の状態を良く知り、仲良くなることが大切です。

→ 腸内細菌と健康

以上。








また、次回。

Thank you very much for providing photos and illustrations.