健康のために牛乳を毎日飲んでいます。でも、下痢もひどくて悩んでいます。
けど、健康のことを考えたら続けた方がいいかな、と思っています。
と、いう方へ
牛乳は、ほんらい子牛の飲みもの。
成長した牛は、母牛の乳は飲みません。
下痢になるのは、当然のことかもしれません。
今回は、牛乳を飲むと下痢になる話です。
■もくじ
- 市販の牛乳には、エンザイム(酵素)がほぼ失われている
- 牛乳は本来、子牛のための飲みもだから、下痢になる
この記事は、世界で初めて大腸内視鏡の挿入方法を考案した新谷弘実ドクターが書かれた『病気にならない生き方』を参考にして、重要な点を抜粋しながら解説していきます。
アメリカ消化器内視鏡学会で、多くの賞を受賞している胃腸内視鏡分野の世界的権威。
世界で初めて、大腸内視鏡を使ったポリープ切除術を考案し、その技術によりガン発症リスクを大きく減少させた功績を称され、医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』※1 において、医学界に大きな影響を与えたドクターのひとりに選ばれた。
各界のトップやハリウッドスターなど多くのVIPから主治医として支持される。
著書『病気にならない生き方』は200万部を超すベストセラーとなり、16種類の言語に翻訳、世界中で販売されている。
プロフィール
■ この素晴らしい本を、
■ 僕(コータロー)が、掻い摘まんで解説し紹介します
■ 貴方の暮らしにお役立てください
市販の牛乳には、エンザイム(酵素)がほぼ失われている
加工する前の牛乳には、リパーゼなどのエンザイム(酵素)が豊富に含まれていた
加工する前の生乳の中にはたしかにいろいろな「よい」成分が含まれています。
- 炭水化物である乳糖を分解するエンザイム(酵素)
- 脂肪を分解するリパーゼというエンザイム(酵素)
- タンパク質を分解するエンザイム(酵素)
など、さまざまなエンザイム(酵素)もたくさん含まれています。
抗酸化作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用、免疫調整作用などの効果があることでも知られるラクトフェリンも入っています。
しかし、、、
市販の牛乳では、そうした「よいもの」は、加工される過程ですべて失われてしまっているのです
【市販牛乳の作られる過程】市販の牛乳は、ホモゲナイズされた牛乳だ
市販の牛乳が作られる過程は、だいたい次のようなものです。
- 牛のおっぱいに吸引機を取り付けて搾乳し
- 搾乳した乳をタンクにためます
- 各農家で搾乳したタンクを集めてさらに大きなタンクに移し
- かき回してホモゲナイズします
ホモゲナイズというのは「均等化」という意味。
市販の牛乳にするためになぜ、ホモゲナイズ(均等化)するのか
生乳には、約4%近い脂肪が含まれていますが、その大部分は「脂肪球」と呼ばれる小さな「粒」として存在しています。
脂肪球は大きいものほど浮上しやすいため、生乳をそのままにしておくと脂肪分だけがクリームの層となって浮上してしまいます。
こうしたことを防ぐために、現在はホモゲナイザーという機械を用い、脂肪球を機械的に細かく砕いているのです。
- ホモゲナイザーという機械を用い、脂肪球を機械的に細かく砕いてつくられたのが【ホモ牛乳】とよばれるものです
市販の牛乳は、高熱で殺菌されてエンザイム(酵素)が失われている
牛乳の加工工程は、まだ終わりません。
ホモゲナイズされた牛乳は、さまざまな雑菌の繁殖を防ぐために加熱殺菌されることが義務づけられています。
牛乳の殺菌方法は大きく分けて次の4つがあります。
殺菌方法 ① | 低温保持殺菌方法(ltlt)-62度~65度で30分間加熱し殺菌する。一般的に「低温殺菌法」といわれる |
殺菌方法 ② | 高温保持殺菌法(htlt)-75度以上で15分間以上加熱し、殺菌する |
殺菌方法 ③ | 高温短時間法(htst)-72度以上で15秒以上加熱し殺菌する。世界的に最も一般的に用いられている殺菌方法 |
殺菌方法 ④ | 超高温短時間殺菌法(uht)-120~130度で2秒間(または150度で1秒間)加熱し殺菌する |
世界の主流は高温短時間法ですが、日本の主流は超高温短時間殺菌法です。
エンザイム(酵素)というのは、熱に弱く、48度から破壊を起こし、115度で完全に壊れてしまいます。
ですから、どんなに短時間であっても、、、
130度もの高温にされた時点でエンザイム(酵素)はほぼ完全に失われています
さらに問題なのが、タンパク質が熱性変質するということ。卵を長時間ゆでると黄身がボロボロになりますが、牛乳のタンパク質にも同じような変化が起きているのです。
熱に弱いラクトフェリンも失われます。
牛乳は本来、子牛のための飲みもだから、下痢になる
乳を飲むのは、子どもだけ。成長した牛は乳を飲まない。自然の摂理です
そもそも牛乳というのは、子牛が飲むためのものです。
したがって、そこに含まれる成分は、子牛の成長に適したものです。子牛の成長に必要なものが、人間にも有用だとは限りません。
だいいち、自然界を見ればわかりますが、、、
- どのような動物でも「乳」を飲むのは、生まれて間もない「子ども」だけです
自然界で大人になっても「乳」を飲む動物など1つも存在しません。
それが自然の摂理というものです
人間だけが、種の異なる動物の乳を飲んでいる。つまり、自然の摂理に反したことをしているわけです。
牛乳と人間の母乳は、似ているようで「質」「量」が全然違う
日本では学校給食で、子どもたちに強制的に牛乳を飲ませます。栄養豊富な牛乳は育ち盛りの子どもによいとされているからです。
しかし、牛乳と人間の母乳は似たようなものだと思っている人がいたら、それは大きな誤解です。
たしかにそれぞれに含まれている栄養素を並べてみると、似ているような気がします。タンパク質、脂質、乳糖、鉄分、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、ビタミンなど、牛乳にも母乳にもこうした同じような栄養素が含まれているからです。
しかし、、、
その「質」と「量」は全然違います
牛乳に含まれるタンパク質の主成分はカゼインと呼ばれるものです。カゼインは、人間の胃腸にとって消化しにくいものです。
→ 牛乳に含まれるタンパク質の約8割を占める「カゼイン」は、胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いのです。
ラクトフェリンの含有量は、牛乳より母乳のほうがはるかに多い
牛乳には、そのほかに免疫機能を高める抗酸化物質「ラクトフェリン」も含まれていますが、ラクトフェリンの含有量は、牛乳より母乳のほうがはるかに多いのです。
- 母乳に含まれるラクトフェリン量 0.15%
- 牛乳に含まれるラクトフェリン量 0.01%
このように、牛の子どもが飲むための牛乳と人間の子どもが飲む母乳では、もともと成分がまったく違うのです。同じ「子ども」であっても種が違えば、必要なものは違うということです。ましてやそれが「大人」であればどうでしょう。
牛乳に含まれるラクトフェリンは、胃酸で分解される
牛乳に含まれるラクトフェリンは、胃酸に弱いので、たとえ加熱処理されていない生乳を飲んだとしても、大人が飲めば胃酸で分解されてしまいます。これは母乳のラクトフェリンであっても同じです。
生後間もない人間の子どもが、母乳からラクトフェリンをきちんと吸収できるのは、、、
生後間もない人間の子どもは、胃が未発達で胃酸の分泌が少ないからです
つまり、同じ人の「乳」であっても、、、
- 成長した人間が飲むようには作られていないということ
新鮮な生乳であったとしても、、、
- 牛乳は人間が食物とするにはふさわしくない
その「あまりよくない食物」である生乳を、私たち日本人はホモゲナイズしたり、高温殺菌したりして、「悪い食物」にしてしまっているのです。そして、学校給食というかたちで、最愛のわが子に飲ませているというわけです。
日本人には、乳糖を分解する「ラクターゼ」をもっている人が少ないから下痢をする
もう1つ問題なのは、日本人には、乳糖を分解する「ラクターゼ」というエンザイム(酵素)を充分にもっている人が少ないということ。
乳糖を分解するエンザイム(酵素)は、腸の粘膜にあります。このエンザイム(酵素)は、赤ちゃんのときにはほとんどの人が充分な量をもっていますが、年齢を重ねるごとに減っていきます。
市販の牛乳を飲むと下痢をする【乳糖不耐症】
市販の牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしたり、下痢をしたりする人がよくいますが、これは、、、
- エンザイム(酵素)が不足して乳糖を分解できないために起きる症状です
このエンザイム(酵素)をまったくもたないか、もっていても非常に少ない人は【乳糖不耐症】と呼ばれます。
完全な乳糖不耐症の人はそれほど多くいるわけではありませんが、、、
- エンザイムが不足している人は、日本人の85%におよぶ
と、いわれています。
母乳に含まれる乳糖の量は、約7%
乳糖は、哺乳類の「乳」の中だけに存在する糖です
本来「乳」というのは、生まれたばかりの子どもだけが飲むものです。
ラクターゼが不足している日本人でも、新生児のときは健康な赤ちゃんはみな充分にラクターゼをもっています。
しかも、、、
- 母乳に含まれる乳糖の量は、約7%
- 牛乳に含まれる乳糖の量は、約4.5%
母乳の方が3.5%も乳糖が多いのです。乳糖を多く含む母乳を飲むことができる人間が、成長してそのエンザイム(酵素)を失うということは、、、
やはり成長したら「乳」は飲むものではないというのが自然の摂理
どうしても「牛乳の味が好きだ」という人は、ホモゲナイズされていない低温殺菌の牛乳をときどき飲む程度にしてください。
そして、、、
嫌いだという人や子どもに対してはけっして無理に飲ませてはいけないことです
牛乳を飲んでも身体によいことは何もないのですから。
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以上。
では、次回に。
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