最近よく眠れていない、仕事中に眠くなるし、ミスも多い。ちゃんとご飯は食べているんだけど。
と、いう方へ
睡眠と食事はとても深い関係があります。
夕食は、何でも、いつでも、どれでも、
食べていいわけではありません。
今回は、快眠と食事の話です。
■もくじ
- 睡眠不足を解消するには、食事が大切です
- さらに快眠を得るために、食品別の滞胃時間をしろう
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
睡眠不足を解消するには、食事が大切です
食事と睡眠は、深い関係がある
慢性的な睡眠不足は、日中の仕事の意欲や集中力、記憶力の減退や眠気を引き起こします。また、精神の機能低下を起こすだけでなく、体内のホルモンの分泌や自律神経の機能にも大きな影響をおよぼします。
たとえば、、、
- 4時間程度の寝不足だと、食欲を抑えるレプチンの分泌が低下して、食欲を高めるグレリンの分泌が高まり、食欲が増大します。
これは、、、
ダイエットにも影響することです
さらに、寝不足がドンドン続いていくと、、、
- 糖尿病や心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすくなります
睡眠不足で生活習慣病と隣り合わせの日本人
5人に1人は、寝不足を訴えているといわれる日本人。その中でも女性が多いのが特徴です。
世界的にみても日本人女性の睡眠時間は、欧米に比べて1時間も少ないのです。
この生活習慣病と睡眠の関係に関しては、この記事でも紹介しました。
日本人女性は、家事、育児、仕事など一日中働きずくめの毎日です。「寝る間もない」というのこのことです。しかし、慢性的な睡眠不足を続けると、日中の眠気、意欲低下、記憶力の減退などの精神機能の低下を引き起こします。
睡眠障害もまた生活習慣の一つです
慢性的な不眠症の人は、、、
- 交感神経の緊張
- 糖質コルチコイド(血糖を上昇させる)の過剰分泌
- 睡眠時間の短縮
- うつ状態による活動性の低下
など多くの生活習慣病リスクを抱えています。
とくに、、、
睡眠障害がある人は、快眠を得られている人に比べて、糖尿病になる確率が1.5〜2倍も高いのです
忙しい社会人は、睡眠を犠牲にして家事や育児などをこなそうとします。しかし、睡眠は、私たちが生きていく上で無視してはいけないものです。
- 睡眠障害を放置するとあなたの健康を大きく害します
生活習慣を見直して、睡眠不足を解消しましょう。
快眠を得るためには、夕食の時間が大切
私たちが、ご飯を満腹になるまで食べると眠くなりますが、それは食べたものが胃に入ると血液が胃腸に集中するためにおきます。理由としては、全身の血液が胃腸に集中するため脳などの血中が減るためです。
副交感神経を活発にさせるために夕食は早めがよい
満腹になれば眠くなるから、寝る前にたくさん食べればよいかというとそうではありません。新国民病という[逆流性食道炎]などになってしまいますし、じつは満腹の状態で寝床に入っても寝つけない。
理由としては、消化させるために自律神経の交感神経が過緊張になるからです。
夜眠れるのは、カラダが副交感神経に支配されるから眠れるのです
ですから、夕食は、寝る前の4時間ぐらいがちょうど良いことになります。
それでも、空腹で我慢できない場合は、、、
ビスケットや温かい飲みものを飲むのをおすすめします。それでも[逆流性食道炎]が怖いので最低でも食後30分〜1時間は空けてください。
よく聞く快眠のためのアミノ酸トリプトファンは意味がない
よく雑誌などで熟睡を得るための食材などが出ていますが、あまり効果がないことがわかってきました。
たとえば、トリプトファン。
トリプトファンというアミノ酸は、催眠作用をもつメラトニンというホルモンの原料といわれています。だから、トリプトファンが多く含まれている食材を食べれば、快眠を得られるというような話です。
トリプトファンが多く含まれる食材を食べても快眠にはならない
三島和夫(みしま かずお)氏のコラムから抜粋(改編)
一見すると原料のトリプトファンを多く摂るほど芋づる式にメラトニンが増えそうだが、実はそんなことはない。タネを明かすと、トリプトファンからすぐメラトニンが作られるわけではないからである。メラトニンの直接の原料は(うつ病などとも深い関わりのある)セロトニンという脳内の神経伝達物質である。
つまり、、、
トリプトファンがセロトニンになり、次にメラトニンを作るという2つのステップが必要なのだが、セロトニンからメラトニンを作る酵素は普段から目一杯働いていて余裕がない。
したがって、、、
さらにトリプトファンを大量に摂っても、メラトニンはそれ以上増えたりしない。
原料がいくらあっても工作機械がすでにフル稼働中で余力がないのだ。
このように、「睡眠によい〇〇成分が含まれている果物」なんて銘打っていても、人で十分な効果を出すには本当は毎晩ダンプカー1台分食べないとダメ、大量に食べてもほとんどは利用されずに排泄されてしまう、なんて事例がネット上には満ちあふれているのである。
→ Webナショジオ:第60回 “睡眠によい食べ物”のウソ
だから、聞き心地のよい言葉には注意しましょう。
さらに快眠を得るために、食品別の滞胃時間を知っておこう
消化時間を知っていると、快眠を得るのに目安になります
私たちが食べたものは、排泄されるまでにたくさんの時間を要します。
- 胃の中で約3〜5時間
- 小腸で約5〜8時間
- 排泄されるまでにのべ40時間
かなりの時間、食べたものが体内にあるということが分かります。
お肉を食べると[胃がもたれる]のは、約12〜24時間かかります
野菜や果物の3倍以上の時間を必要とします。
この消化するときに使うエネルギーは、[フルマラソンを走るぐらいのエネルギー量]だといわれています。
ですから、野生の動物は、ケガをした場合は、、、
- 絶食します。そして、発熱させてウイルスや菌などの毒素をだし
- 絶食することで、消化するエネルギーを節約して、代謝のためのエネルギーに使う
のです。
快眠を得るための情報、こんなに違う食品別の滞胃時間
快眠を得るためには、『夕食後4時間は空けてください』と書きましたが、食べものによっては消化する時間がまちまちなのです。
下のグラフは、胃に留まっている食品別のグラフです。
ご飯や落花生、ニンジン、生卵などは2時間〜3時間。ビスケットは、3時間。タケノコやゆで卵は、消化するのに意外と時間がかかり3時間を超えます。
食べ物の胃内停滞時間の目安 | |
バター(50g:市販のもの1/4箱分) | 12時間 |
えびの天ぷら(100g:約中3尾分) | 4時間 |
ステーキ(100g) | 4時間 |
卵焼き(100g:約卵2ヶ分) | |
生卵(100g) | 2時間半 |
半熟卵(100g) | 1時間半 |
うどん(100g:約1/2玉分) | 3時間 |
米飯(100g) | 2時間半 |
白粥(100g) | 2時間 |
果物や野菜は停滞時間も0.5~2時間ほどであり、酵素を豊富に含んでいるため、人の持つ体内酵素が活性化され消化を助けます |
同じ人が同じように食べてもその人の心と身体の状態で胃での停滞時間は変わります
また、当然ですが、食べる量によっても変化します。
炭水化物に比べるとたんぱく質は約2倍長く、脂質は胃の運動を抑制し最も長く停滞します
不眠で悩むんでいるときは、食材選びも重要になりますね。
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > 睡眠と生活習慣病との深い関係
- Webナショジオ > 第60回 “睡眠によい食べ物”のウソ
- お肉の消化は24時間?消化エネルギーのかかりすぎる現代の食生活
- 食べ物の胃での停滞時間
また、次回。
Thank you very much for providing photos and illustrations.
- pakutaso
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