健康診断で、コレステロール値の悪玉コレステロールと善玉コレステロールを足しても、全部のコレステロールにならなかった。何これ、不思議だよ。
と、いう方へ。
足しても全部にならない理由は、
第3のコレステロールがいるからです。
名前はレムナントコレステロール。
別名「超悪玉コレステロール」といいます。
今回は、レムナントコレステロール[超悪玉コレステロール]の話です。
■もくじ
- 第3のコレステロール【超悪玉コレステロールとは】
- 超悪玉コレステロールは減らせるか?
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
第3のコレステロール【超悪玉コレステロールとは】
悪玉、善玉のほかに第3のコレステロールが存在した[レムナントコレステロール]
血液検査をして、まず最初に気になる箇所は[コレステロール値]ですよね。日々の不摂生が、まともに数値にでるような気がして、ドキドキします。よく健康心の後で話題にもなりますので、気にしている人も多いはず。
コレステロールの詳細は、以下の記事で詳しく解説しました。
食事でのコレステロール摂取量は、男性297mg。女性263mg。このコレステロール摂取量のうち、40%〜60%が吸収されます。この量は、体内で作られるコレステロールの3分の1から7分の1ぐらい。ですから、体内で作られるコレステロールは70%〜80%。圧倒的に体内で作られるコレステロールが多いんですね。
コレステロール自体は、体内の細胞膜を作ったり、ホルモンの材料になったりと生命維持には欠かせない重要な役割を担っています。
動脈硬化とは、悪玉コレステロールがせっせと運ぶコレステロールがドンドン溜まって、血管壁が厚くなってしまう状態をいいます。
運ばれていったコレステロールは、次第に古くなり、善玉(HDL)が回収します。新鮮なコレステロールは、悪玉(LDL)がせっせと運びます。このバランスが崩れて、余ってしまうと悪玉コレステロールになります。
コレステロール値が正常でも心筋梗塞を発症する人がいる
脂質異常症という病気は、血液中の脂肪(いわゆる脂)が増えることです。コレステロールや中性脂肪など。この脂質異常症は、自覚症状がないので、ついつい放置してしまいがちです。
健康管理をやらずに、放置したままにしていると、知らず知らずのうちに[脂質が、血管の内側にたまり]動脈硬化になってしまいます。
そして、、、
- 心筋梗塞や脳梗塞の発作がでて、ようやく脂質異常症だった
と、気づく人が多いのです。
脂質異常症のタイプ
血液中の脂質の中で多すぎて問題になるのは、[コレステロール]と[中性脂肪]です。3つのタイプがあります。
- 【高LDLコレステロール血症】LDL(悪玉)コレステロールが多いタイプ
- 【低HDLコレステロール血症】HDL(善玉)コレステロールが低いタイプ
- 【高トリグリセライド血症】中性脂肪(トリグリセライド)が多いタイプ
小型の超悪玉コレステロールとは
不思議なことに脂質異常があっても検査したら、悪玉コレステロールの値が基準の範囲内だった人がいて、動脈硬化が進みやすい人がいます。
「基準範囲なのに、どうしてなの?」
健康診断を受けた後日にもらえる検査表では、コレステロールの項目があります。
- 総コレステロール
- HDL(善玉)コレステロール
- LDL(悪玉)コレステロール
このHDL(善玉)コレステロールとLDL(悪玉)コレステロール項目を足しても、[総コレステロール]にならない・・・
じつは、その足らない残り物が、、、
- レムナントコレステロールと超悪玉コレステロール(小型LDL)なのです
残り物=レムナントの意味です。
RLP(レムナント様リポたんぱく)コレステロール
レムナントは、血液中のリポたんぱく(中性脂肪やコレステロールがたんぱく質と結びついた複合体)が分解され生じる残り屑です。白血球の一種であるマクロファージが異物として取り込み、血管壁に沈着して、動脈硬化を促進させます。
中性脂肪が高くて、善玉のHLDコレステロール値の低い人に多く、糖尿病の人にはその傾向が強くみられます
レムナントコレステロールはVLDLからLDL(悪玉)コレステロールに変化する途中にできるものと考えられています。
超悪玉コレステロール(小型LDL)
レムナントは、血液中のリポたんぱく(中性脂肪やコレステロールがたんぱく質と結びついた複合体)が分解され生じる残り屑です。白血球の一種であるマクロファージが異物として取り込み、血管壁に沈着して、動脈硬化を促進させます。
中性脂肪が高くて、善玉のHLDコレステロール値の低い人に多く、糖尿病の人にはその傾向が強くみられます
オムロン:高脂血症で注意すべきは「レムナント」と「小型LDL」
現在、超悪玉コレステロールの研究は途上にあって、どんどん研究が進んでいます。
[レムナントコレステロール]と[超悪玉コレステロール]は、動脈硬化を引き起こす
超悪玉コレステロールは、とても小さく酸化しやすいのが特徴です。
小さいので『超悪玉(small dense LDL)』とよばれています。
通常の悪玉コレステロールが血管の中に2日間滞在しますが、この、、、
- [小型の超悪玉コレステロール]は、5日も滞在して酸化しやすいのです
さらに、、、
- 通常の悪玉コレステロールよりも小さいので血管壁の中に入り込みやすく、有毒化しやすい性質もを持っています
冠動脈疾患の人は、[レムナントコレステロール]と[超悪玉コレステロール]が多い
狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患を発症する人は、健康な人に比べて、[超悪玉コレステロール]が多いが分かっています。
- 超悪玉コレステロールをどれもだけ持っているかが重要になります
中性脂肪と超悪玉のバランスは
中性脂肪が直接血管壁に入り込んで動脈硬化を引き起こすことはありません。
中性脂肪は悪玉を小型化するため、超悪玉を増やす影の悪役として働くと考えられています。
中性脂肪が多い人ほど、超悪玉を多く持っている可能性が高くなります
超悪玉コレステロールは減らせるか?
超悪玉コレステロールの数値はどうしたら分かるか
[超悪玉コレステロール]や悪玉コレステロールなど血管に悪さをするコレステロールのことを、、、
- non-HDLコレステロール
とよんでいます。
HDL(善玉)コレステロールではないから[non]ですね。
その計算式は、、、
(総コレステロールの数値)-(善玉コレステロールの数値) =(non-HDLコレステロール)
その基準値は、、、
・150〜169mg/dl やや危険
・170mg/dl 危険
(日本動脈硬化学会より)
※検査表によっては総コレステロールの記載がないものもあります。その場合は悪玉コレステロールに30を足した数値が目安となります。
中性脂肪を減らすことで、超悪玉コレステロールを減らそう
生活習慣を見直すことが、一番の超悪玉コレステロールを減らす方法になります。
超悪玉コレステロールを減らすには、まず禁煙を
喫煙は、悪玉コレステロールを酸化させるもっとも大きな原因です。悪玉や超悪玉が酸化されると【冠動脈疾患】を引き起こす毒性物質になります。
超悪玉はより酸化されやすい性質を持つため、超悪玉を多く持つ人がタバコを吸うと、その毒性物質を更に増やすことになります
中性脂肪を減らせば、超悪玉コレステロールも減る
超悪玉コレステロールを減らすには、中性脂肪を減らすことが必要になります。
中性脂肪が多いと、悪玉の大きさが小さくなります
ですから、、、
- 中性脂肪が減っていくと、悪玉の大きさは大きくなりリスクが減ります
超悪玉コレステロールを減らす、食事療法
中性脂肪を減らすには、規則正しい食事をすることが大切です。
炭水化物や食塩、アルコールの摂り過ぎに注意しましょう
以下のような食品の摂り過ぎに注意してください
- 炭水化物(白物主食:ご飯、パン、麺類)
- 食卓塩、醤油
- アルコール
- コレステロールと飽和脂肪酸を多く含む食品:肉の脂身、内臓、皮、乳製品、卵黄、魚卵
- トランス脂肪酸を多く含むおかしや加工食品:マーガリン、ポテトチップス、カップ麺、ショートケーキなど
- 砂糖を多く含む飲みもの:缶コーヒー、ジュース、炭酸飲料
以下のような食品を多く摂ってください
- 未精製の穀類:玄米、胚芽精米、雑穀など
- 大豆、大豆製品の納豆や豆腐など
- 野菜、野菜は生野菜なら両手に山盛りいっぱい、加熱野菜なら片手にいっぱいが1日の目安
- 海藻:わかめ、もずくなど
- 青魚(EPAやDHAを多く含む)
超悪玉コレステロールを減らす、運動療法
運動やウォーキングに心がけましょう。
- 1日30分以上
- 週3回以上、できれば毎日
- 血液中のブドウ糖や中性脂肪が増えてくる食後1.2時間がより効果的
以上。
また、次回。