日本人女性は脂質の摂り過ぎ【3割は、脂質エネルギー30%を超え】

カロリーkcal

ダイエットしているつもりなんだけど、どうも思うようにならない。カロリーはオーバーしないようにしているのに。

と、いう方へ。

今の日本人は、脂質の摂りすぎです。
食べるものに注意が必要。
油を摂らないことが肝心ですよ。




今回は、脂質の摂りすぎの話です。

■もくじ

  1. 日本人は、脂質の摂りすぎ
  2. 脂質を摂り過ぎないために

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

日本人は、脂質の摂りすぎ

20歳以上の女性は、約43%も脂質を摂りすぎている

20歳以上の女性は、約43%も脂質を摂りすぎている

今の日本人の摂取カロリーは、太平洋戦争の翌年の日本人全体が、食糧難の時代の摂取カロリーと同じなのです。

敗戦後の日本人は、食料もなくみんなが飢えていて、ほとんどの人が飢えていました。今の日本人は同じカロリーなのに、メタボリックシンドロームの人が多いのはなぜでしょう。

厚生労働省:国民栄養調査
日本ローカーボー食研究会より>厚生労働省:国民栄養調査

この同じカロリーなのに、メタボが多い理由は、この記事で詳しく解説しています。

カロリー計算だけではダメ!脂質が原因です【脂を摂ったら痩せない】

要約すると、、、

1946年当時の脂質の割合は、7%なのに対し、2005年のデータでは、24.9%と3.5倍もアップしている

タンパク質は、横ばい。炭水化物は約20%ダウン。

ダイエットのために炭水化物ダイエットをする人が多いですが、このデータをみるかぎり1946年当時の炭水化物の摂取量は80.6%もあり、痩せた人がホトンだったことを考えると、、、

炭水化物ダイエットで痩せる理由にはなりません。

なぜなら、、、

その当時よりも炭水化物は約20%も摂取量が低下しているのですから。

目立って変化しているのは、脂質の増加です。単純に考えても脂質の摂りすぎに問題があるようです。

農林水産省の脂質の摂りすぎのデータから

農林水産省のホームページでは、『脂質の摂りすぎに注意』してくださいと警鐘を鳴らしています。

脂肪エネルギー比率の分布(20歳以上)
農林水産省:脂肪エネルギー比率の分布(20歳以上)

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、「脂肪エネルギー比率(総脂質からの摂取エネルギーが総摂取エネルギーに占める割合)」を男女とも目標量20%〜30%未満としているのですが、、、

  • 20歳以上女性で30%を超える数値は、倍近くの42.8%
  • 25%未満は、31.0%
  • 25%以上は、69%

はるかに目標量を超えていることがわかります。

なぜ、「脂肪エネルギー比率」を設定するかというと、、、

脂質の摂りすぎは、肥満や心筋梗塞をはじめとする循環器疾患などの健康リスクを高めるから

生活習慣病をはじめとする多くの病気が増えていることと深く関わっていると思われます。

脂質の摂りすぎの中でも特に飽和脂肪酸の摂りすぎが問題

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、男女の飽和脂肪酸摂取の目標量を、総摂取エネルギーの7%相当以下としています。

が、、、

平成30年度国民健康・栄養調査の結果では、8.2%相当と目標量を超えています

なぜ、飽和脂肪酸を控えましょうと推進するかというと、、、

「冠動脈疾患」や「動脈硬化」「LDL(悪玉)コレステロール値」が減少する

からです。

脂質の摂りすぎにならないために、適正な脂質の摂取量を知る

3大栄養素((炭水化物・糖質・脂質)のうち、脂質は身体の中で1gあたり9kcalで最も高いエネルギーになります(炭水化物と糖質は約4kcal)。

脂質は、大切な栄養素です。とくに必須脂肪酸は、体内で作ることができないもので、身体の細胞膜の成分やホルモンの材料になっています。具体的にいうと、「リノール酸」「リノレン酸」「アラキドン酸」など。

これが不足すると、、、

  • 発育の障害
  • 皮膚炎

などの原因になります。

また、、、

  • ビタミン A・D・E・Kなどの吸収にも役立っています
脂肪酸の種類 主な脂肪酸 代表的な食品
飽和脂肪酸 短鎖 酪酸 バター
中鎖 ラウリン酸 ココナッツオイル
長鎖 バルミチン酸など 動物性油脂、植物性油脂
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 オメガー9 オレイン酸 オリーブ油
多価不飽和脂肪酸 オメガ-6 リノール酸 大豆油、コーン油
rーリノレン酸 月見草油
アラキドン酸 タマゴ、肉、魚類
オメガ-3 αーリノレン酸 亜麻仁油、エゴマ油
EPA 青魚、魚油
DHA 青魚、魚油

脂質の摂りすぎにならないために、1日あたりの摂取量を知ろう

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、「エネルギー産生栄養素バランス」として各栄養素から摂取するエネルギー量の比率の目標値が定められています。

総エネルギー摂取量のうち、、、

  • たんぱく質:13~20%
  • 脂   質:20~30%
  • 炭水化物 :50~65%

摂取することが推奨されています。

では、脂質の摂りすぎにならないために、1日あたりの摂取量を計算してみます。

たとえば、、、
29歳女性で1日にエネルギー必要量が2,000kcalだとすると、、、

2000 × 0.25 = 50 となり脂質量は50gとなります

適正体重は?(身長が160cmと仮定して)

1.6 × 1.6 × 22 = 56.32kg

1日に必要なエネルギー

56.32 × 25 = 1408

※デスクワーク中心の人は、25。良く動き回る仕事の人は、30を目安に。

1日の脂質摂取量は

1408 × 0.25 = 35.3g

あなたも自分の適性な脂質摂取量を調べてみましょう。

脂質の摂りすぎは、エネルギーが乗となりますし、メタボリックシンドロームの原因にもなります。油のことを知り、上手に調理などで使うことが肝心です。

 







 

脂質を摂り過ぎないために

脂質を摂り過ぎないために

脂質を摂りすぎないための食材

現代の男女とも脂質の摂りすぎだということが分かりました。20歳以上で脂質のエネルギー比率が30%を超えてとり過ぎている人は、男性で約2割、女性では約3割も超えています。

では、このような事態に対して、どうすれば良いのでしょうか。

脂質を摂りすぎないために

飽和脂肪酸は、バターやラード、パーム油、ココナッツ油、肉の脂身ですが、、、

動物性脂肪は、総コレステロール値を上昇させます

ですから、控えめにとることが大切です。

たとえば、肉の種類や部位でカロリーが違います。

  おすすめの肉 控えたい肉
ヒレ肉:185Kcal   もも肉:181Kcal 肩ロース:18Kcal バラ肉:454Kcal
ヒレ肉:115Kcal 肩肉:171Kcal

もも肉:148Kcal

ロース:236Kcal バラ肉:386Kcal
ささみ:105Kcal むね肉(皮なし):108Kcal もも肉(皮なし):116Kcal もも肉(皮つき):200Kcal 皮のみ:513Kcal

豚のもも肉とバラ肉では、倍以上もカロリーが高いです。上手な食材選びが必要です。

また、菓子パンや洋菓子、洋食にもたくさんの脂質が含まれていますので、十分注意してください。

ヘルシーと思われるサラダも脂質の摂りすぎに

サラダなら、野菜だから平気だろうと思いがちですが、そうでもありません。けっこうな脂質の摂りすぎになるので注意が必要です。

たとえば、、、

某ファミレスのシーザーサラダで見てみると。

  • エネルギー:149kcal
  • たんぱく質:4.8g
  • 脂   質:11.5g
  • 炭水化物 :6.2g

エネルギー量を算出します。

  • タンパク質:4.8g×4kcal=19.2kcal
  • 脂   質:11.5g×9kcal=103.5kcal
  • 炭水化物 :6.2g×4kcal=24.8kcal

総エネルギーの割合は、、、

  • タンパク質:12.8%
  • 脂   質:69.5%
  • 炭水化物 :16.7%

脂質は【69.5%】でカロリーの約7割になり、いかに脂質の摂りすぎなのかがわかります。これに、ドレッシングをかけたらさらに、脂質の摂りすぎになり、驚くばかりです。

脂質を摂りすぎないための料理法

脂質を摂りすぎないためには、油のことを知り、その調理法にも気を使うことが大切です。

一価不飽和脂肪酸とトランス型脂肪酸

油の種類には、身体によいものと非常に良くないものがあります。

  • 一価不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを弱く低下させ、善玉コレステロールは低下させません
  • トランス脂肪酸は、と悪玉コレステロールを増やし、逆に善玉コレステロールを減らして、動脈硬化のリスクを高めます
  • 一価不飽和脂肪酸:オリーブ油、キャノーラ油、ピーナッツ油、ごま油など
  • トランス脂肪酸:マーガリン、ショートニング、ファットスプレットなど

特にトランス脂肪酸は、要注意。トランス脂肪酸に関しては、この記事で詳しく解説しています。

マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は、自然界には存在しない

トランス脂肪酸を最も多く含むマーガリン【これほど悪い油はない】

脂質を摂りすぎないために調理法を工夫する

調理の仕方を少し工夫するだけで、油の摂取量を減らせます。

たとえば、、、

サラダの場合だと、小さく切ると表面の面積が多くなり、ドレッシングが多く使われて油の摂取量が増えます

ドレッシングやマヨネーズはたくさん使わないこと。かわりにノンオイルドレッシングや、カロリーを抑えたマヨネーズを使うことで油の使用量を控えることができます。

肉料理も調理の仕方次第

肉料理も調理の仕方次第で驚くほど油の摂取量を減らせます。

[牛もも肉(100g)209kcalで脂身付き]
揚げる339kcal
炒める220kcal
煮 る205kcal
蒸 す201kcal
網焼き201kcal
茹でる189kcal

揚げると茹でるでは、倍近く変わります。

さらにおすすめなのは、、、

  1. テフロンフライパンを使うと油を節約できる
  2. 材料をゆでて炒める・脂身をカットする・揚げ物の衣を薄くし調理すると少量の油で調理ができる
  3. 揚げ物は大きなままで揚げると食材への吸油が減る

また、フライや天ぷらよりも素揚げのほうが油を節約できますし、衣を薄くすれば、なお良いです。

最後に、、、

外食は注意してください。油の量が多い調理がほとんどなので、トランス脂肪酸などに気を配ることが大切です。

以上。

















また、次回。

Thank you very much for providing photos and illustrations.