コレステロールってイメージ悪いけど【じつはなくてはならないもの】

コレステロール

コレステロールって、イメージ悪いよね。なんかダイエットの敵に感じるけど、本当のとこはどうなんだろう。よく知らない。

と、いう方へ。

コレステロールは、とても悪いイメージが付きまとっていますが、実際のところそんなに悪くはないんです。あなた次第。





今回は、コレステロールのお話しです。

■もくじ

  1. そもそもコレステロールって何?
  2. 賢くコレステロールを減らそう

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

そもそもコレステロールって何?

そもそもコレステロールって何?

コレステロールの働きとは

私たちの身体の脂肪分(脂質)は、次の4つに分かられます。

  1. コレステロール
  2. リン脂質
  3. 中性脂肪
  4. 遊離脂肪酸

血液の中では、この4つがタンパク質と糖などと一緒になって「リポたんぱく質」の形で存在しています。

コレステロールは、「リポたんぱく質」で血液中を巡る

この脂質(コレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸)は、いわゆる油ですから水(血液)とは混ざり合うことができません。そこで、「リポたんぱく質」という丸い風船のような船で運びます。

リポたんぱく質
SGS総合栄養学院:リポたんぱく質

「リポたんぱく質」という丸い風船のような表面は、アポたんぱく質やリン脂質で構成されており、水溶性のアポたんぱく質などで覆うことで、脂溶性の脂質も血液中に流れることが可能になります。

リポたんぱく質の種類
種類体内動態
キロミクロン小腸から外因性(食事)脂質の輸送、中性脂肪の割合が多い
VLDL肝臓から内因性(生合成)脂質の輸送、中性脂肪の割合が多い
LDL末梢神経へコレステロールの輸送、VLDLから合成
HDL末梢神経から肝臓へコレステロールの輸送
キロミクロン食事から摂取した(外因性)トリアシルグリセロールを輸送 ■小腸で合成される。
VLDL生体内で合成した(内因性)トリアシルグリセロールを輸送 ■肝臓で合成される。
LDLコレステロールを、肝臓から末梢組織へ輸送
HDLコレステロールを、末梢組織から肝臓へ輸送 ■小腸や肝臓で合成される。

コレステロールの役割は

これら脂質(コレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸)は、すべてが有害というわけでなく、、、

  • 一定量は、身体の中に維持する必要があります。

その中で、コレステロールの役割は、、、

コレステロールは、細胞膜や身体の働きを微調整するホルモンであり、また、脂肪を消化・吸収する胆汁酸を形成するものとして必要なものです

コレステロールは、肝臓で作られる

コレステロールには、善玉と悪玉がいます。いわゆる「善玉コレステロール」と「悪玉コレステロール」です。名前が違うので2種類だと思われがちですが、1つです。

コレステロールは、食事から取り入れるものと、肝臓合成されるものの2つ。

  • 食事から摂り入れるものは3分の1
  • 肝臓で作られるものが3分の2

今回は、体内でつくり出されるコレステロールで話を進めます。

コレステロールは、肝臓で作られて血液によって全身に運ばれ、余分なコレステロールはまた血液によって肝臓のかえってきます。

  • HDL(善玉)コレステロールは、血管の壁などにたまったコレステロールを取り除いて持ち帰ります

また、、、

  • LDL(悪玉)コレステロールは、全身を巡るだけで使わないコレステロールを血管や末梢(身体の末端)に置いてきぼりにします

コレステロールが引き起こしてしまう病気とは

以前は、高脂血症とよばれていた病気ですが、現在では[脂質異常症]という名前に改められました。この[脂質異常症]は、コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が異常な値になる病気です。

[脂質異常症]の原因の8割は、生活習慣から

現代人の食生活には、脂を摂り過ぎて、[脂質異常症]になっている人が多いのです。

脂質異常症の診断目安(空腹時採血)*
LDLコレステロール
悪玉コレステロール
140mg/dL以上高LDLコレステロール血症
120〜139mg/dL境界域高LDLコレステロール血症**
HDLコレステロール
善玉コレステロール
40mg/dL未満低HDLコレステロール血症
トリグリセライド
中性脂肪
150mg/dL以上高トリグリセライド血症
nonーHDLコレステロール***170mg/dL以上高nonーHDLコレステロール血症
150〜169mg/dL境界域高nonーHDLコレステロール血症**
*:10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。
**:スクリーニングで境界域高LDL-C血症、境界域高non-HDL-C血症を示した場合は、高リスク病態がないか検討し、治療の必要性を考慮する。
●LDL-CはFriedewald式(TC — HDL-C —TG/5)または直接法で求める。
●TGが400mg/dL以上や食後採血の場合はnon-HDL-C(TC — HDL-C)かLDL-C直接法を使用する。ただしスクリーニング時に高TG血症を伴わない場合はLDL-Cとの差が+30mg/dLより小さくなる可能性を念頭においてリスクを評価する。
日本動脈硬化学会編:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版. 2017 p26;日本動脈硬化学会, 東京より改変
→シオノギ製薬:脂質異常症と動脈硬化より

 

  • 血液中のLDL(悪玉)コレステロール(多すぎる場合)
  • HDL(善玉)コレステロール(少なすぎる場合)
  • 中性脂肪(多すぎる場合)

以上の状態に脂質異常症とされます。

コレステロールの増減で動脈硬化やガン、脳卒中に

コレステロールは、細胞を作る重要な役割もあったりして大切なものですが、、、

  • コレステロール値が極端に高くなると、動脈硬化の原因になり、血栓ができやすくなります
  • コレステロール値が極端に低くなると、ガンや肺炎、脳卒中になる要因なります

コレステロール値には、注意が必要です。とくに脂ものをよく召し上がる人は・・・

コレステロールが動脈硬化を起こす仕組みとは

動脈硬化は、動脈の血管が硬くなり、弾力性がなくなっている状態のことをいいます。血管の内側にプラークがついたり、血栓ができて血管が詰まりやすくなります。

心筋梗塞
狭心症

血管壁の中にコレステロールがたまることが原因の一つ。

それは、、、

血液の中に、悪玉(LDL)コレステロールが増えると、血管壁に入り込んで、コブのような動脈硬化ができます

この動脈硬化が進むと、、、

心筋梗塞・狭心症や脳卒中、そして足などの血管が詰まる病気の[閉塞性動脈硬化症]になる事があり危険です。

狭心症と動脈硬化
狭心症と動脈硬化
脂質異常症(高脂血症)の原因の8割は、生活習慣病

生活習慣を見直さないと、どんどん悪化していきます。

LDL(悪玉)コレステロールが高い上に、HDL(善玉)コレステロールが低い、そして、高血圧、喫煙、糖尿病、慢性腎臓病などがあると、動脈硬化にますますなりやすくなります

動脈硬化を起こす「危険因子」
動脈硬化を起こす「危険因子」

そのほかの危険因子として、、、

  • 心筋梗塞・狭心症の家族歴
  • メタボリックシンドローム
  • 運動不足
  • 加齢 など

コレステロールが高くなるのは、男性なら40~50歳くらいからで、女性は閉経をむかえる頃から高くなります。

また、、、

欧米などの食習慣の定着で脂肪の多い食事が増えたことも見逃せません

 






 


賢くコレステロールを減らそう

この4つのテーマでコレステロールを減らそう

コレステロール値を測るには、血液検査が必要です。そこでコレステロール値が高いと診断されたら、取り組んでほしいことがあります。

それは、以下の4つのテーマです。

  1. 食事を見直す
  2. 運動やウォーキングを習慣にする
  3. 禁煙と受動喫煙を避ける
  4. 薬を使用する

コレステロールを減らす:食事を見直す

欧米文化の流入によって、日本人の食習慣はがらりと変化しました。一番の変化は、脂ものをたくさん摂るようになったことです。

これがトリガーとなって、多くの生活習慣病が1945年以降増えてきました。

できる限り脂の少ない「日本の伝統食」戻るべきです。日本人には、多くの脂を摂ることは似合っていません。

この記事を参照してください。

もともと膵臓が欧米人に比べて半分小さい日本人。糖尿病になりやすい

モンゴロイドの私たち日本人は、米や魚野菜が中心なので、ほとんどインスリンを必要としません。その結果、モンゴロイドは、コーカソイドに比べてインスリンを分解するβ細胞と膵臓が発達しませんでした。

脂ものを摂ると、モンゴロイドの日本人は、糖尿病になりやすいのです

発酵食品を摂り、肉を控え、野菜を多く摂り、白色の主食ではなく、茶色の玄米を少しでもふやしてください

コレステロールを減らす:運動やウォーキングを習慣にする

運動やウォーキングを習慣にすることは、血行を浴したり発汗したり良いことだらけです。

内臓脂肪も減らせるし、筋力もつき、骨も丈夫にします

さらに、、、

生活習慣病の予防にもなります

運動することを習慣化してください。






以上。


















また、次回。

Thank you very much for providing photos and illustrations.