脳卒中や心臓病のリスクが増加する睡眠時無呼吸症候群のことを知ろう

睡眠時無呼吸症候群

あまり大きな声ではいえないけど、けっこうイビキが酷いってよくいわれています。睡眠時無呼吸症候群かな。痩せなきゃ。

と、いう方へ

寝ているときのイビキは、本人は分からないから大変ですよね。
でも、睡眠時無呼吸症候群は、早く手を打たないと脳卒中や心臓病の温床になりますよ。


今回は、睡眠時無呼吸症候群の話しです。

■もくじ

  1. 脳卒中や心臓病のリスクが増加する睡眠時無呼吸症候群とは
  2. 睡眠時無呼吸症候群の予防法は

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

脳卒中や心臓病のリスクが増加する睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群の潜在患者数は300万人以上

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、寝ているときに呼吸が止まる病気のことをいいます。英語で、Sleep Apnea Syndrome(略してSAS)。

無呼吸睡眠中に10秒以上呼吸が止まること(気道の空気の流れが止まった状態)
低呼吸もう少しで息が止まりそうな弱い呼吸のこと
  • 無呼吸が1晩に30回以上(7時間の睡眠中)、または1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)

です。

寝ているときにおこることなので、本人は気づきにくくたくさんの人数の潜在的な罹患者が多いといわれています。

さらに、、、

  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、日中において、さまざまな問題を引き起こす可能性がある放っておけない症状です

睡眠時無呼吸症候群が引き起こす社会的問題

睡眠時無呼吸症候群が注目を浴びるようになったのは、悲しい交通事故からでした。2012年に群馬県藤岡市の関越自動車道で起きた高速バスツアーでは、バスが高速道路脇の壁に激突して、乗客7名が死亡、38名が重症を負いました。

このときの運転手は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状がありました。

また、2003年には、山陽新幹線で運転士が居眠りをしたまま運転をし大問題になりました。この事件では、幸いけが人はでませんでした。

などなど、睡眠時無呼吸症候群(SAS)による居眠り運転などの事故は絶えません。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって、十分に睡眠を得られないと日中に強度の眠気が襲ってきます。さらに、判断力を失わせ、集中力も著しく低下させて作業効率が悪くなります。

居眠り運転の経験「あり」と答えた人は5倍以上!

SASによる居眠りは、仕事中や運転中にも悪影響を与えかねません。
「運転中の眠気」の経験割合は、非SAS患者と比較してSAS患者で4倍(40.9%)、「居眠り運転」ではなんと5倍(28.2%)という調査結果も示されています。(※1)

居眠り運転の経験「あり」と答えた人は5倍以上 ※1 臨床精神医学1998;27:137-147 改変
→ テイジン:睡眠時無呼吸症候群が招く事件・事故

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)には「閉塞性」と「中枢性」の2つのタイプがあります。

閉塞性の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は物理的な要因

閉塞性の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、空気の通り道(上気道)が塞がってしまうことで起きます(OSAS)。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の9割程度の人が、この[閉塞性睡眠時無呼吸]です

中枢性の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は呼吸中枢の異常

中枢性の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、イビキをかきません。眠っていると脳から呼吸をせよという指令がなくなってしまい、呼吸が止まります(CSAS)。

今回は、9割程度の人が睡眠時無呼吸症候群(SAS)になっている[閉塞性睡眠時無呼吸]に焦点を当てて説明します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のメカニズム

[閉塞性睡眠時無呼吸]は、字のごとく呼吸しようとしても閉まっていて塞がっているので呼吸できない状態です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のメカニズム
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のメカニズム

気道を狭くしてしまう要因は

私たちが仰向けになって寝ているときに重力の影響もあって、舌が喉の奥の方向へ落ち込んでしまいます。これを舌根沈下といいます。通常であれば、このような状態になっても舌を自然に動かして、気道を閉塞してしまうことはありません。

が、、、

肥満によって、首や喉のまわりに脂肪が多くついていたり、扁桃肥大や舌の付け根(舌根)、のどちんこ(口蓋垂)、軟口蓋といわれる口の奥の柔らかい部分などが影響して喉や上気道を狭くしてしています。

多くの場合は、肥満がトリガーとなっているようです。

ただ、、、

私たちアジア人は、もともと顎が小さく、もともと気道が狭い人が多く肥満で無くても[閉塞性]が生じやすい傾向にあるようです

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の考えられる原因

  • 首周りの脂肪の増加・沈着
  • 小顎症や顎の後退により、上気道が狭い
  • 舌が大きく、上気道を塞ぎやすい
  • 鼻中隔湾曲症(鼻が曲がっている等、構造的な問題)
  • 扁桃肥大・アデノイド(扁桃が大きくなる)
  • 軟口蓋沈下(鼻と喉の境目の部分が垂れ下がる)
  • 舌根沈下(舌の付け根が落ち込む)

→真壁病院:睡眠時無呼吸症候群(SAS)について

イビキのメカニズムは

イビキは、この狭くなった気道を通るときにできる音です。

ですから、、、

  • イビキをかくということは、[閉塞性]が生じているというサイン

にもなります。

なので、、、

  • イビキをよくかく人は、肥満では無くても[閉塞性]を疑ってみる必要があります

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が引き起こすさまざまな病気

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が日中に引き起こす症状は、、、

  • 強烈な眠気
  • 倦怠感・疲労感
  • 集中力の低下
  • 起床時の頭痛
  • 抑うつ状態
  • 性欲の低下や勃起不全(ED)、月経不順

などがあります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併症の誘発

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の本当に怖いのは、高血圧症、脳卒中、狭心症、心筋梗塞など循環器病といった疾病と密接な関係があるとこです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併のリスク
高血圧症約2倍
狭心症・心筋梗塞約2〜3倍
慢性心不全約2倍
不整脈約2〜4倍
脳卒中約4倍
糖尿病約2〜3倍

循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン(循環器病の診断と治療に関するガイドライン2008ー2009合同研究班報告).Circ J74(Suppl.ll),963-1084.2010.

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と循環器病

睡眠時無呼吸症候群(SAS)だと眠りについても、睡眠が浅いので交感神経が過緊張な状態が多くなります。これが下地になって循環器病を引き起こすと考えられています。

  • 無呼吸によって血液中の酸素濃度が下がる[低酸素血症]り
  • 心拍数や血圧が上昇

これは、、、

  • 呼吸不全になった時と同じような酸素吸入が必要な状態になってしまいます

ですから、、、

  • この危機的な状況に心臓は、心拍数を上げて身体中に十分な酸素を供給しようとします

その結果、、、

血圧は上昇します

毎晩の無呼吸で心臓は疲弊しています

毎夜、睡眠時の無呼吸によって、非常事態に陥った心臓の負担は、そうとうなものです。毎晩、交感神経の過緊張は続きます。

こうなると、睡眠時の無呼吸は、さまざまな循環器病の悪化を助長させています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の予防法は

生活習慣を見直すことが最大の予防になる

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の大きな原因の一つは、肥満です。
負担のない適正な体重を維持することが必要です。

  • 理想の1日を目指して運動を
  • 過度な飲酒は控える
  • 禁煙する
  • 口呼吸から鼻呼吸に変えてみる
  • 寝る姿勢を変える

理想の1日を目指して運動を

過度な運動は、身体に大きな負担を強いますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は肥満が大きな原因にもなっていますので、軽い運動がおすすめです。

理想の1日
理想の1日

規則正しい毎日を送り、ちょっとだけ汗ばむようなウォーキングや運動をしてください。
早起きのコツは、夜寝る時間を早めることです。

過度な飲酒は控える

赤ワインをグラス2杯ぐらいまでは、快適な睡眠をえられるといわれていますが、その量で足らなくなるのは目に見えています。過度な飲酒は、上気道の筋肉の緊張を弛ませてしまい、上気道が狭くなり無呼吸になりがちです。

過度な飲酒は控える

また、寝酒は、逆に交感神経を過緊張にするので控えましょう。

禁煙する

タバコは、どの生活習慣病にも影響しています。愛煙者は、タバコを吸わない人に比べて睡眠時無呼吸症候群(SAS)になるリスクが高いので、やめましょう。

禁煙する

口呼吸から鼻呼吸に変えてみる

鼻呼吸は、口呼吸に比べて咽頭を確保しやすいため上気道が狭くならず負担をかけません。また、口呼吸をしている場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のほかにもさまざまな病気との関連もあるので、なるべく鼻呼吸に変えましょう。

寝る姿勢を変える

仰向けで眠るよりも、横向きで寝ると上気道の閉塞が軽減できる場合があり、寝る姿勢を変えてみるのもよいでしょう。

抱き枕

以上。

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また、次回。

Thank you very much for providing photos and illustrations.