そろそろ親の介護を考える8、フレイルチェックでわかる介護のリスク

フレイルチェック サルコペニア

最近、母さんは、足が痛いとかいって、引きこもりがち。体重も減っているみたいだから、心配で。

と、いう方へ

虚弱になることをフレイルというのですが、
カンタンにチェックできる
便利なテストがありますよ。



今回は、フレイルチェックの話です。

■もくじ

  1. フレイルチェックをやってみて、親の現在の状態を知りましょう
  2. フレイルチェックが分かったら、こんな対策を

この記事を書いているの僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

フレイルチェックをやってみて、親の現在の介護度を知りましょう

フレイル(虚弱)が重症化しないためには、バランスのよい食事、適度な運動が必要です。

何よりも地域や社会との接点がなくなることが、元気がなくなる大きな要因になっています。

しっかりと親の状態を把握して、要介護が早まらないように親子で理解を深めることが必要です。

フレイル(虚弱)が重症化しないために
出典:フレイル予防ハンドブック(監修・飯島勝矢)を参照

フレイルチェックをやってみる

[東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)の飯島勝矢教授ら 研究チーム]が、考案した【フレイルチェック】。

【フレイルチェック】には、【指輪っかテスト】【イレブンチェック】の2通りがあります。

どちらもテストするのに費用などはかからず、時前で簡単に【いつでもどこでも】できるテストです。

フレイルとは、健常な状態と要介護状態の中間

フレイルは、不自由のない健康な状態と、器具や人の助けが必要な要介護の状態の中間をいいます。フレイルになる前の状態を【プレ・フレイル(前虚弱)】といいます。

  • 健康 ⇒ 前虚弱 ⇒ 虚弱 ⇒ 身体機能障害

また、、、

  • 健康な状態から虚弱な状態までを【健康寿命】といい
  • 健康な状態から身体機能障害、そして天寿を全うするまでを【生物学的寿命】と呼びます

フレイルチェック【指輪っかテスト】

下半身の筋肉の状態を簡単にチェックできるテストです。利き足ではない方のふくらはぎの太さを測ります。

指輪っかテスト
まずは自分の筋肉量を測ってみましょう。計測器は使わずに自分の指を使う簡易型のチェックです。
両手の親指と人差し指で輪を作ります
利き足ではない方のふくらはぎの一番太い部分を力を入れずに軽く囲んでみましょう
【指輪っかテスト】で隙間ができたらサルコペニアのリスクが高い
指輪っかテスト

イラストのように隙間ができてしまったら、【転倒・骨折】などのリスクが高くなります。

この記事でもサルコペニアによる【転倒・骨折】の危険度を解説しました。

→ そろそろ親の介護を考える2、サルコペニアの治療【転倒予防の運動】

高齢者の転倒による不慮の事故は、、、

  • 窒息に続き第2位なのです

転倒・転落の死亡者数は、、、

  • 1989年と1997年の調査から約1.5倍に増加

いかに、【筋肉の急激な低下(サルコペニア)】が危険なのかが分かります。この運動器(身体を動かす仕組みのこと)の障害で要支援・要介護になった割合は、、、

運動器の障害で25%

ですから、隙間ができてしまっていたら、下半身の筋肉をつけていくことが重要になってきます。

千葉県柏市在住の高齢者を対象にしたテスト結果

[東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)の飯島勝矢教授ら 研究チーム]千葉県柏市在住の高齢者を対象にしたテストでは、、、

  • 「隙間ができた」グループは、「囲めない」グループの6.6倍もサルコペニアにかかっていた

「隙間ができた」グループには、まだサルコペニアにかかっていない人も当然います。が、その後の追跡調査では、「囲めない」グループに比べ、、、

サルコペニア新規発症率は、3.4倍も多かった

さらに、その後の4年間の追跡調査で分かったことは、「ちょうど囲める」グループの人よりも、、、

「隙間ができる」グループは、3.2倍も多く死亡していた

フレイルチェック【イレブンチェック】

【イレブンチェック】とは、「栄養」「口腔」「運動」「社会性・こころ」という4つの項目でご自分のフレイル度をみていくもので、総合的に評価していく質問形式のチェックです。

以下のような、質問になっています。

  1. ほぼ同じ年齢の同性と比較して健康に気を付けた食事を心がけていますか
  2. 野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日2回以上は食べていますか
  3. 「さきいか」、「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛み切れますか
  4. お茶や汁物でむせることがありますか
  5. 1回30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していますか
  6. 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか
  7. ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか
  8. 昨年と比べて外出の回数が減っていますか
  9. 1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか
  10. 自分が活気に溢れていると思いますか
  11. 何よりまず、物忘れが気になりますか
イレブンチェック

赤と青の欄で「はい」と「いいえ」があり、、、

  • 青の欄の丸が多ければ多いほどリスクは少なく、赤が多くなれば危険信号

さらに、、、

  • 赤の欄のが6つ以上になるとフレイルのリスクは高まり
  • 丸が1つ増えるごとにリスクが2倍増えていきます

フレイルチェックが分かったら、こんな対策を

フレイルチェックでみえたこと【社会活動に参加しよう】

フレイルチェックでみえたこと【社会活動に参加しよう】

フレイル(虚弱)は、単純に高齢者だけの問題ではありません。現在の超高齢化社会では、介護する方の元気な世代の人数も限られてきます。

要介護にならないように、親子で取り組む問題です。

高齢者は、身体的な衰えに加えて、収入の低下、独り暮らし、配偶者の死別などによって社会との繫がりが若いころに比べ、劇的に減ってきます。

この、、、

  • 社会との接点を喪失することが、生きる気力・活力を奪っていきます
ドミノ倒し

逆をいえば、地域社会との接点(ボランティアなど)を持つことで、、、

・生きがいややりがいを持つようになり、生きる自信が持てるように

なります。

隣人と接することの重要性【孤食の危険性】

以下の図は、[柏フレイル予防プロジェクト2025]から改変したグラフです。

年齢、性別で調整したオッズ比(二項ロジスティック回帰分析)、N=1843 (男性933名、女性910名、年齢79.5±5.5)
*p<.0.05
低食品多様性:4分位未満、低栄養:MNA-SF12点未満、低グミ咀嚼・低最大歩行速度:中央値未満、低残存歯数:20本未満

驚くことに、独り暮らしで独り寂しく食べているよりも・・・

  • 同居者がありながら、孤食の老人の方が独り暮らしの方よりも倍率が高い

のです。

さらに、男性と女性の割合でみていくと、、、

フレイル男女比孤食
  • 同居者がいるにもかかわらず、孤食(1人でご飯を食べている)の男性の割合が非常に高い

のです。

以上のことからみえてくるのは、

  • 人は社会との繫がりが立たれた時点でフレイルのリスクが高まる
  • 同居人がいたとしても孤食(1人でご飯を食べている)だとフレイルのリスクが高まる

高齢者とのコミュニケーションは、非常に大切なこと

と、結論づけられます。

2018年1⽉10⽇:朝⽇新聞
2018年1⽉10⽇:朝⽇新聞

以上。











また、次回。

Thank you very much for providing photos and illustrations.