去年実家に帰ったとき、母さんはずいぶん痩せてたな。ちゃんと栄養を摂れているのか心配。
と、いう方へ
歳をとると、かみ砕く、飲み込む
などの力が弱くなったり、
食べ物が偏ったりして虚弱になっていきます。
ちゃんと食べられるようにケアが必要です。
今回は、高齢者のかみ砕く、飲み込む昨日のお話です。
■もくじ
- [フレイルの恐怖]高齢になり、口腔機能が低下し、低栄養が招く虚弱
- [フレイルの予防]噛むことや飲み込むことなど、口腔機能を向上させよう
この記事を書いているの僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
[フレイルの恐怖]高齢になり、口腔機能が低下し、低栄養が招く虚弱
65歳以上の独り暮らしが増え、フレイルが深刻な事態に
内閣府の平成29年版高齢社会白書によると、、、
- 1980年 → 男性約19万人、女性約69万人
- 2015年 → 男性約192万人、女性約400万人
ということは、65歳以上の独り暮らしは、
- 男性、10.1倍に増加
- 女性、5.79倍に増加
こんなにも増えたことが分かります。
高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女ともに顕著であり、昭和55(1980)年には、高齢者人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったが、平成27(2015)年には男性約192万人、女性約400万人、高齢者人口に占める割合は男性13.3%、女性21.1%となっている。
→ 内閣府:高齢者の家族と世帯
[フレイルサイクル:低栄養問題]あなたの親の栄養は大丈夫ですか
高齢者の独り暮らしは、一人で食事をするので煩雑になりがちです。適当にあるもので済ませてしまうケースが多い。
そうすると、、、
- 食べるものが偏りがちになり
- 食欲が低下し、食べる量も減り
- 低栄養の状態に陥りやすい
今回は、下の【フレイルサイクル】の[食事量の低下][慢性的な低栄養]を取り上げます。
高齢者は、かみ砕く、飲み込むなどの口腔機能が低下し、低栄養になっている
高齢になると、噛むことや飲み込むことが筋力の低下(サルコペニア)で難しくなります。
たとえば、、、
- 硬い食べ物が食べられない
- うまく飲み込めず、むせたりする
低栄養とはどんな状態か
日常的に硬い食べ物が食べられない、うまく飲み込めない状態が続くと、食事量が減ります。
すると、低栄養の状態に、、、
- 身体を維持するのに必要なエネルギーが足らず
- 筋肉や皮膚・内臓などをつくるタンパク質が不足します
低栄養の症状とはどんな状態か
低栄養になると体のさまざまな箇所や精神的にもダメージが現れます。
- 体重が減る
- 筋肉量や筋力、そして骨格筋が低下
- 風邪などを引きやすくなり、治りにくい
- 下半身やお腹がむくみやすい
- 傷ができても治りにくい
- 床ずれができても治りにくい
- 元気がなくなる
さらに、食事の量が減り、水分の摂取も減るので【脱水症状】になることも
低栄養になっている原因とは・・・
繰り返しになりますが、低栄養になる原因は、高齢になるに従って【あらゆる機能の低下】それに従って起こる【精神的なダメージ】など多くのことが要因となって、以下のような現象が起こります。
- 食欲の低下
- 食事の量の減少
- 偏った食事
当然のことですが、このような事態になると負のスパイラルが発生します。
- 食事の量が減れば体力がなくなり
- 日々活動する量も減り
- さらに食欲も低下し
- ついに、低栄養を招く
噛むことや飲み込むことなど、口腔機能を向上させよう
加齢にともなって、、、
- 歯や歯茎が弱くなり、噛む機能が低下します
- 繊維質の多い野菜や肉など硬い食べ物が苦手になります
だからといって、柔らかいものを選んでたべていると・・・
ますます噛む機能が低下します
よく「バランスのよい食事をとりましょう」といいますが、高齢になればなるほど、筋力が衰えて食べたいものでも食べられないようになってきます。
ですから、かみ砕く、飲み込むなどの口腔機能を高めるケアが必要です。
口腔機能の維持のために「口腔の体操」
サルコペニアを克服する口腔機能のケアが必要です。口腔の筋肉をつけることで、噛むことや飲み込むことを強化できます。
よく噛んで食べるようになり、食事の質も上がってきます。
口腔機能の維持のためのケア方法[口腔の体操をしましょう]
舌、くちびる、ほお、のどの筋肉を鍛えることで、口腔の機能や飲み込み(嚥下)の機能の維持・向上を図ることができます。
【口の寝たきり】を防ぐために、毎日の生活に口腔の体操を取り入れてください。
口腔体操(摂食機能訓練) | |
口を閉じたまま、頬を膨らましたり、すぼめたりする | |
口を大きく開けて、舌を出したり、引っ込めたりする | |
舌を出して、上下に動かしたり、左右に動かしたりする | |
口を閉じて、口の中で舌を上下したり、ぐるりと回したりする |
その他の口腔の機能を上げる方法としては、、、
その他の口腔の機能:向上マッサージ | |
唾液腺マッサージ | 唾液腺マッサージは唾液を出しやすくマッサージ |
耳下腺マッサージ | 親指以外の4本を耳の下に当てて、後ろから前へと押さえながら回します |
舌下線マッサージ | 両手の手の平を合わせるような形にして、両手の親指で顎の下を突き上げるように押します |
顎下線マッサージ | 親指以外の4本の指の腹で、耳の下から顎にかけて、押さえながら移動していきます |
などがあります。
さらに、運動を取り入れることも重要です。
65歳以上の人の約18%が、要介護(要支援)認定を受けている。要支援認定を受けている人が約5%。要介護認定を受けている人が約13%そして、65歳以上の、約5.4人に1人は要介護(要支援)の認定を受けている。
厚生労働省のホームページから、、、
口腔機能の健康への影響
高齢者の健康とは
高齢になれば、病気や障害から完全に逃れることは通常は不可能です。また生理的老化によっても様々な問題が生じます。したがって健康な高齢者のイメ-ジとしては、いくつかの病気や障害を抱えながらも日常の活動には何ら支障のない状態が浮かんできます。つまり高齢者の健康の特徴は「病気や障害がない」ことよりもむしろ「いきいきと活動する=活動性が高い」ことに重点が置かれる点にあります。
口腔機能と健康との関係は
高齢者の活動性が低下する要因は2つあります。
ひとつは「身体機能の衰え」です。口腔機能が低下すると食物の種類が制限されるので、栄養の偏りやエネルギー不足になりがちです。その結果、筋力や免疫力の低下が起こります。
筋力がおちると運動機能が低下し活動も不活発になります。また免疫力が低下すると様々な病気にかかりやすくなります。特に肺炎などの感染症にかかると、高齢者ではそれがもとになって寝たきりになる場合もあります。
もうひとつの重要な要因は「人との交流の機会を失うこと」です。交流の場は役割活動であったり趣味活動であったりします。これらの活動のなかで人との交流が生まれますが、そのためには人と楽しく食事をし、コミュニケーションするための口腔機能を維持することが不可欠です。
とりわけ「食べる」ことは、それ自体が生きがいになるとともに、社会とのつながりが徐々に薄れる高齢者にとって、誰かと食事を共にすることが人間関係を豊かにする場を提供する重要な機会でもあります。
逆に食事や会話に支障をきたすと、外出や人との付き合いがおっくうになり、家に閉じこもりがちになります。不活発な生活が長く続くと、体力とともに脳も衰え、認知機能の低下にもつながります。寝たきりや認知症にいたる原因の多くが家の中での閉じこもりにあるのはそのためです。
このように高齢者が身体的、精神的、さらには社会的にも健康な生活をおくるためには口腔機能を維持することが欠かせないのです。
厚生労働省:e-ヘルスネット > 口腔機能の健康への影響
以上。
- 参考サイト
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > 要介護高齢者の口腔ケア
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > 口腔機能の健康への影響
- 内閣府:高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
- 健康長寿ネット:フレイルが重症化しないための生活習慣
また、次回。
Thank you very much for providing photos and illustrations.