『20世紀最大の医学上の進歩』といわれた経口補水液(ORS)とは

熱中症

熱中症で救急車で搬送されたとき、かなりの脱水症状が起きていたみたい。経口補水液を飲んで助かりました。何回もトイレに行きたくないから、水分を摂らなかったのが原因だとか。怖かった。

と、いうかたへ。

特に夏場の脱水症状は、熱中症と直結しますよ。
汗で大量の水分が出ているので、日頃から水分と塩分補給は欠かさないようにしましょう。






今回は、「20世紀最大の医学上の進歩」といわれた経口補水液の話です。

■もくじ

  1. 「20世紀最大の医学上の進歩」といわれた経口補水液とは
  2. 経口補水液を自分で作ろう

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

「20世紀最大の医学上の進歩」といわれた経口補水液とは

「20世紀最大の医学上の進歩」といわれた経口補水液とは

コレラの死亡率を30%から3.6%まで引き下げた経口補水液

1971年の東パキスタン(現在はバングラデシュ)での内戦の時、お隣のインドの難民キャンプでは、コレラが猛威を振るっていました。なんと、3人に1人が命を落とす状況だったのです。
その時、経口補水液(ORS)を持ってきた医療班が、3700人の患者たちに経口補水療法(ORT)を施しました。

すると、、、

経口補水液(ORS)によって、コレラによる死亡率が30%から3.6%までに改善したのです

このことは、『20世紀最大の医学上の進歩』と賞賛されました。

脱水症状の治療法として注目された経口補水療法(ORT)

コレラによって脱水症になった人々を救った経口補水療法(Oral Rehydration Therapy; ORT)とは、水と電解質を口(経口)から補給して脱水症を改善する治療法です。

現在では、開発途上国のみでなく、先進国においても、、、

脱水症状を引き起こしている人に対して、水分と電解質、ブドウ糖を含んだ経口補水液(ORS)を飲ませることで、吸収速度を高めるものとして用いられています

経口補水液(ORS)とは、どんなもの?

経口補水液(ORS)とは、点滴の成分とよく似ています。

それは、、、

経口補水液(ORS)は、水に塩分などの電解質と糖とがバランスよく配合されている飲みもので、身体から失われた水分と電解質を飲んで補う水です。

よく勘違いされるのが、、、

熱中症っぽくなったり、熱中症予防に「水分だけ」摂る人が多いですが、これは良くありません。

というのは、、、

体温の上昇によって汗が出ます。これは、水分と塩分が失われて脱水状態になっているのです。それを補うために「水分だけ」を飲むと、身体の[塩分が薄まって」しまいます。脱水状態の時には、水分だけでなく塩分を摂ることが大切なのです

小腸で80%の水分が吸収されている

およそ成人体重の60%は、水分と電解質ですが、身体の2%相当の水分がなくなると「のどの渇き」を感じます。身体から3%相当の水分が失われると、脱水症状が起こり始めます。

水分と電解質は、経口(口)から身体の中に入ると、食道から胃を経由して小腸へ向かいます。この時点で、80%の水分が吸収されます。

小腸では、糖分がナトリウムイオンなどの電解質と結びつことで、水分が腸壁から吸収されて血中へと吸収されていきます。

これは、、、、

ナトリウムイオン・ブドウ糖共輸送機構と呼ばれる小腸の重要な働きです。下痢をしている状態であっても経口補水液(ORS)は、吸収されるのです。ですから、脱水状態や下痢でお腹を壊していてもちゃんと吸収されて緩和してくれるのです。経口補水液(ORS)に糖分が含まれているのはそのためなのです。

日本にも昔からあった経口補水療法(ORT)

日本でも昔から吸収力の良いモノとして、この経口補水療法(ORT)が存在していました。

それは、、、

昔、お腹を壊した時に、お粥を食べさせられましたが、その上には梅干しが必ず乗っていました。これは、まさに経口補水液(ORS)なのです。お粥は、糖分。梅干しは、塩分。
昔の人々の知恵は、素晴らしいものがあります。

経口補水液(ORS)の成分は

私たちは、激しいスポーツをしたときなど、スポーツドリンクを飲みます。ここで経口補水液(ORS)を飲むのも非常によいことです。が、経口補水液(ORS)は、スポーツドリンクに比べて糖分が少ないために、甘くないので美味しくありません。

出典:宜野湾整形外科病院

しかし、、、

効率よく小腸から水分と電解質を体内に取り込むためには、ブドウ糖とナトリウムイオンの割合が大切です。それは、ブドウ糖とナトリウムイオンの濃度比率が2:1を超えない組み合わせだといわれています

出典:ストップ熱中症

 





 





経口補水液(ORS)を自分で作ろう

経口補水液(ORS)を自分で作ろう

脱水症状に有効な経口補水液(ORS)

経口補水液(ORS)は、ドラッグストアにも売られているので気軽に購入できます。経口補水液OS-1といい、電解質と糖質をバランスよく配合したドリンクで、消費者庁から軽度から中程度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適した「病者用食品」として認可されています。

経口補水液(ORS)は、家にある材料で作れます

経口補水液(ORS)は、自宅にある材料で簡単に作れるので、いざという時のために覚えておきましょう。

経口補水液(ORS)レシピ
1リットル
小さじ1/2(3g)
砂糖大さじ4+1/2(40g)

後は、これらの材料を良く混ぜるだけです。

市販のスポーツドリンクに比べて味が薄いと感じるでしょうが、この割合がちょうど良いモノとなります。それでも飲みにくいと感じた場合は、レモン汁を少し入れても良いでしょう。入れすぎは良くありません。なぜなら、電解質と糖質のバランスが崩れて吸収が悪くなってしまいます。

脱水症になった時の経口補水液(ORS)の飲み方

経口補水療法(ORT)としては、嘔吐や下痢、脱水症状が始まったらすぐに飲みはじめるのが大切です。経口補水液(ORS)を少しずつ飲むようにしましょう。

注意点として、、、

スポーツドリンクは、おすすめできません。なぜならば、ナトリウム濃度が低いからです。(ポカリスエットが21 mEq/L・アクエリアスが15 mEq/L)

身体に吸収されやすい濃度は、ナトリウムは35-75mEq/L

熱中症予防に経口補水液(ORS)を飲んでもムダ

市販の「OS-1」は、一般の清涼飲料水よりも価格が高いです。熱中症の時に飲むとよいからといって、経口補水液(ORS)を普段から飲んだとしても熱中症予防にはなりません。

カフェインやアルコールは、脱水症には逆効果

お酒を飲んだ翌日の朝は、喉がカラカラに乾いていることがありませんか。これは、アルコールは、脱水症状を引き起こしてしまっています。なので、アルコールは水分補給にはなりません。

また、コーヒーやお茶、紅茶などは、利尿作用があるためにトイレに何回もいくようになり、水分補給にはつながりません。

さらに、、、

清涼飲料水は、「果糖・ブドウ糖液」と書かれているものが多いです。糖分の摂り過ぎになるので熱中症予防にはおすすめできません。

 





以上。

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また、次回。