母が脳卒中で倒れてから、元気がなく引きこもりがち。主治医からは「うつ病かも?」といわれ、さらに心配で、、、
と、いう方へ。
普通に暮らしていたのに
脳卒中は突然襲ってきます。
すると、、、
さっきまでできたことが
何一つできなくなります。
5人に1人は、
うつ病を発症するといわれています。
今回は、「脳卒中後のうつ病」の話です。
■もくじ
- 5人に1人が、脳卒中発病後4ヶ月後にはうつ病を発症している
- 脳卒中になったら、なぜ?うつ病になりやすいのか
- 脳卒中からうつ病にならないためのケア方法
- 脳卒中にならないための方法
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
5人に1人が、脳卒中発病後4ヶ月後にはうつ病を発症している
日本人の死因第3位の脳卒中、その後多くの人々が「うつ病に」
こんにちは。コータローです。
僕は先日こんなツイートをしました。
脳卒中で通院している患者数の14%が、20~64歳までの就労世代です。
— コータロー@横浜 (@kotaroblog) November 16, 2020
この7割は、ほぼ介助を必要としないほど回復しています。
普通のうつ病は、朝酷く夕方に回復しますが、脳卒中からのうつ病は、一日中ずっとうつ状態が続きます。
脳卒中発病後、4ヶ月後には20%の人がうつ病を発症している現実。
脳卒中で通院している患者数の14%が、20~64歳までの就労世代です。
この7割は、ほぼ介助を必要としないほど回復しています。
普通のうつ病は、朝酷く夕方に回復しますが、脳卒中からのうつ病は、一日中ずっとうつ状態が続きます。
脳卒中発病後、4ヶ月後には20%の人がうつ病を発症している現実。
まずは、、、
毎日新聞:2007年10月6日の朝刊記事をお読みください。
最近の研究では、脳卒中患者の約20~40%がうつ病を発症することが分かっています。肢体のまひや言語障害による絶望感や将来への不安などの心理的反応だけでなく、脳卒中による脳の機能低下が直接うつ病の発症と関係しているようです。 脳部位との関係では、前頭葉の左側の梗塞でうつ病を生じやすいとされていましたが、右側でも生じやすく、見解は一致していません。脳のMRI検査の普及で、本人に自覚症状のない潜在性脳梗塞も発見できるようになりました。そこで、高齢者の中でうつ病がある人とない人のMRI検査結果を比べて、うつ病の人には潜在性脳梗塞が高率にみられることが分かってきました。
自覚症状がなく脳血管病変を伴ううつ病と、梗塞後のうつ病をまとめて「血管性うつ病」と言います。知らないうちに小さな脳梗塞があちこちにできて、神経細胞へ酸素や栄養をうまく送れなくなり、思考や感情の働きが鈍り、不眠や無気力、集中力の低下をきたし、うつ状態を経て、うつ病に移行するのです。一般のうつ病と比べて、いらいら感や焦りや自分を責めることが少なく、考えがなかなか進まず、反応がとても悪く、判断力が鈍るなどの特徴がみられます。
脳卒中の予防には、塩分を控えて高血圧を防ぐことや喫煙、大量飲酒、運動不足、肥満などの生活習慣を改め、生活習慣病にならないことです。
→ (大阪市立大大学院医学研究科講師・神経精神医学、橋本博史)
厚生労働省が発表している「人口動態統計の概況」によると、2017年の1年間の死因別死亡総数のうち、、、、
- 脳血管疾患は10万9,880人で全体の8.2%
- 全死因の上位から3番目
その内訳は、、、
- 脳梗塞が、6万2,122人で一番多く(男性2万9,494人、女性3万2,628人)
- 脳内出血が、3万2,654人
- くも膜下出血が、1万2,307人
- その他の脳血管疾患が、2,797人
脳卒中の患者数は、118万人以上
2014年のデータでは、脳卒中で通院している患者数は、
118万人といわれているので、
2020年ではその患者数をはるかに超えていると思われます。
また、、、
脳卒中で通院している患者数の14%が、20~64歳までの就労世代
そして、、、
就労世代の脳卒中患者のうち、7割がほぼ介助を必要としない状態まで回復しています
※厚生労働省「平成 27 年人口動態統計」
脳卒中とは
脳卒中は、脳の血管が破れたり詰まったりする病気の総称です。
それは、、、
- 脳梗塞(脳の血管が詰まる、細くなる)
- 脳出血(脳内の動脈が破れて出血する)
- くも膜下出血(脳表面の大きな血管にできた動脈瘤というこぶが破れてくも膜の下に出血する)
などのことを指します。
さらに、このような症状によって脳内の神経細胞が死傷すると、、、
- 身体に障害が出たり
- 意識障害を起こしたり
- 命を落とすこともある
高血圧をはじめ、糖尿病や脂質異常など、血管に悪い影響を及ぼす要因によってリスクが高まります。
この症状が現れれるのは、、、
前触れはなく、突然起こることが多いです
発症後は早急に診断を行い、治療を速やかに開始する必要があります。
脳卒中になったら、なぜ?うつ病になりやすいのか
突然不自由になるストレスからうつ病に
脳卒中になって、身体の自由が奪われると、その後の生活環境が一変します。
こうなると、、、
今まで不自由なくできていたことが、不自由になり生活環境上にストレスが加わりうつ病が発症します
脳卒中後に起こりやすい生活上のストレスの要因は、、、
- これまでの生活で当たり前のようにできていたことができなくなる苛立ち
- 療養生活の中での介護者との関係など
- 職場に復帰できるのかどうかという問題
脳卒中後のうつ病の発症には、さまざまな問題が絡み合っています。
- 生活環境の激変
- 仕事への復帰
- 介護者との関係
- これまで楽しんできた趣味への問題
- 友人との関わり方
など。
あげればきりがない程多くの要因があり、
それがストレスになって、、、
- 意欲の低下(何かをしようという気持ちが萎える)
- 活動性の減退(行動を起こそうとしたがらない)
この脳卒中後のうつ病は、通常のうつ病に比べると、、、
脳卒中になったら、うつ病だと気づかれにくい
脳卒中後うつ(post stroke depression ; PSD)は、うつ病が発症していることにまわりの人が気がつかない場合が多いといわれています。
それは、、、
今まで自由にできていたことが出来なくなったことによって、精神的に凹んでいるんだろう
と、誰しもが考え、察することで、
病後の行動に対する「意欲の低下ややる気の無さは仕方がない」
と捉えてしまうことで、、、
- 実際には、うつ病が発症していることに気がつきにくい
ですから、、、
介護者の方も積極的にうつ病ではないかと疑うことで、早期に治療に取り組むことが大切
それは、、、
最悪な場合の自殺など、重篤な問題を引き起こさないためにも大切なことです
脳卒中後うつ病ケアの方法
脳卒中後うつ病(PSD)と混同されやすいアパシーとは
脳卒中後うつ病になった人と同じような症状で混同されるものに「アパシー」があります。アパシーも脳卒中になった人に現れる症状の1つです。
アパシーとは、、、
アパシーとは、無感情の状態を指します
たとえば、、、
自分自身の身の回りのことでさえ、無気力・無関心になってしまう状態
高齢者の場合は、これまで普通にやれた生活習慣が乱れて、
衛生面や健康の面などで無精になることが多くなります。
こんな状態、、、
- 散歩を日課にしていたのに、急に引きこもりがちになったり
- お風呂の習慣や歯磨きの習慣がなくなったり
- 着替えなどもしなくなったり
さらに、、、
片付けもやらなくなるので、ゴミが散乱したり、着替えがそのまま放置してあったりして、家中がホコリまみれの状態が、アパシーの症状だといえます
うつ病とアパシーの違いは
やる気がない、気力がないという点が、うつ病とアパシーが混同される部分です。
うつ病は、気持ちが暗く沈みがちなのに比べ、アパシーは意欲的でもなく気分が落ち込むこともない
また、、、
うつ病は、自分がうつ状態であることを認識していますが、アパシーは自覚症状が乏しく、改善しようという意欲さえない
さらに、、、
うつ病は、自殺などの自傷行為に走ることがありますが、
アパシーは、そういった自傷行為に走ることが少なく、
他人に対しても暴力的になることもない
そして、、、
うつ病は、抗うつ薬などの薬が効くこともありますが、
アパシーについては有効的な薬がありません
脳卒中後うつ病のリハビリ
脳卒中後うつ病(PSD)には、抗うつ薬などの服用も効果があるとされています。ただ、脳の脆弱性が見られるために、副作用が起こりやすいことも報告されています。
ですから、、、
脳卒中後のリハビリテーションが有効的であり、QOLの向上が大切です
そのためには、、、
重度の脳卒中後うつ病(PSD)には、リハビリは無理をさせない。休養を取ることが大切
そして、、、
軽い負荷の運動をする。もしくは、介護者が軽い負荷の運動を考えてあげる
中程度の脳卒中後うつ病(PSD)には、ある程度の有酸素運動が有効
この場合に大切なのは、、、
脳卒中後うつ病の人のリハビリをしようと思う、共感や意識が大切
脳卒中後うつ病(PSD)には、パワーリハビリテーションが効果的
パワーリハビリテーションとは、身体を動かしにくいもしくは、身体を動かすことに自信がない人のために、負荷の少ない専用の機械を使って、運動をすることをいいます。
たとえば、パワーリハビリテーションの施設に限りますが、、、
脳卒中後、退院して脳卒中後うつ病(PSD)になる場合が多く、身体の自由がきかないので、負荷の少ないパワーリハビリテーションによって、動作性や体力の定価を改善させてくれます
このパワーリハビリテーションによって、、、
- 車の乗り降りが楽になった
- しっかり立てるようになった
- 洗い物や家事の手伝いができる様になった
- リハビリ後の夜は、ぐっすり眠れるようになった
など、脳卒中後うつ病(PSD)に効果でます。
脳卒中にならないための方法
脳卒中予防十か条
人気アイドルだった歌手が脳卒中になり、さらにまた脳卒中になったことがありました。脳卒中を未然に防ぐ「一次予防」も大切ですが、脳卒中の予防は、1度病気になった人が再発を防ぐ「二次予防」も大切。
生活習慣病から脳卒中になる場合が多い
脳卒中は、生きてきた生活習慣の積み重ねで起こります。
そして、、、
高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が、危険因子となり脳卒中の発作を誘引します
生活習慣病は、これといった症状が現れないのが特徴なので、知らず知らずのうちに突然、脳卒中の発作がやってきて、、、
じつは、、、
脳卒中の発作後に、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病だったと分かるケースが多い
と、いわれています。
そこで、公益社団法人日本脳卒中協会は、[脳卒中予防十か条]を設けて啓蒙しています
- 手始めに 高血圧から 治しましょう
- 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
- 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
- 予防には たばこを止める 意志を持て
- アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
- 高すぎる コレステロールも 見逃すな
- お食事の 塩分・脂肪 控えめに
- 体力に 合った運動 続けよう
- 万病の 引き金になる 太りすぎ
- 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
脳卒中にならないための食習慣
言わずもがなのことですが、禁煙や大量のアルコール摂取は生活習慣病にならないために重要なこと。
また、、、
糖尿病の人は、脳梗塞になる確率がとても高く、コレステロール値のコントロールが大切です
脳卒中にならないためのコレステロールのコントロール
塩分を控えることは、高血圧予防に有効的です。
厚生労働省の基準では1日の目標量が男性8g、女性7g
また、、、
脂肪は、コレステロール値、糖分は血糖値と関係しており、摂り過ぎに注意が必要です
「これを食べてはダメ」ということではなく、食生活全体でバランスをとりましょう。
さらに、、、
脱水症状を起こすと血液もドロドロになって血流が鈍くなりやすく、脳卒中につながるリスクも高まるので、水分を十分に摂りましょう
脳卒中にならないための運動習慣
過度な運動は、体を壊す原因になりますが、1日30分程度のウオーキングなど有酸素運動が効果的。
また、、、
脳卒中にならないための運動習慣として、軽度な有酸素運動を継続することも大切
1日をリズムよく刻み、概日リズムをよくすることが健康な生活を営む上で重要です。
さらに、、、
体格指数を注視して、自分のBMIに近づけるようにしましょう。
BMI計算式 BMI=体重(kg)/身長(m)×身長(m)
たとえば、、、
- A子さんは、身長170cmで体重75kg
- BMI = 75kg / (1.70m × 1.70m) = 25.95
- A子さんは、「肥満(1度)」
など。
BMIに関しては、この記事で詳しく解説しています。
また、、、
日々の生活の中で、疲労やストレスも身体の調節機能のバランスを崩す原因にもなり、健康面に悪影響をおよぼします
ですから、、、
夜はできる限り決まった時間に寝て、十分な睡眠できちんと疲労を回復させ、朝起きて活動するというリズムを大切にしましょう。
以上。
また、次回。
- Thank you very much for providing photos and illustrations.
- pakutaso
- irasutoya
- Photo by Artem Beliaikin on Unsplash