旦那が、痛風になってしまい「痛さのあまり悲鳴」を上げていて、改めて痛風の怖さを知ったんだけど、実のところ痛風ってよく分かっていない。
と、いう方へ。
痛風は、圧倒的に男性の方が
多く発症しています。
風が吹いただけでも
「痛い」といわれる痛風。
詳しく解説します。
今回は、「そもそも痛風やプリン体って何もの」という話です。
■もくじ
- そもそも痛風やプリン体って何もの
- 痛風の原因とされる尿酸って何
- 痛風の予防法は、生活習慣の改善です
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
そもそも痛風って何もの
風が当たるだけでも痛い痛風とは
痛風とは、突然に足の親指の関節が突然腫れてきて、1~2時間もすると足の甲がぱんぱんに腫れあがり、耐えきれないほどの「激痛」に襲われる病気です。その痛風の激痛は、発作から2〜3日たっても歩けないほどの痛みだといいます。なので「風が吹いても痛みを感じる」ことから痛風と呼ばれるようになったとか。
その、、、
痛風の痛みのピークは、発症から24時間後といわれています。
この、、、
「痛風」の激痛は、次第に日が経つにつれて治まってきますが、ちゃんとした診察や治療を受けないとまた「痛風」になってしまったり、尿管結石などの合併症を引き起こすので軽く考えてはいけません。
なぜ?痛風になるのか
痛風は、尿酸が身体に溜まり、それが結晶になって激しい関節炎になるため
なぜ?「痛風」は、そんなに痛いのか?
尿酸は、血液中に溶け込んでいますが、尿酸の量が増えてしまい、溶け切れていない余分な尿酸が結晶化し、関節に溜まります。
すると、、、
運動などがきっかけとなって、この尿酸塩結晶の一部が、関節液中に剥がれ落ちます。これを白血球が『敵』だと認知して攻撃を仕掛けます。
これは、、、
白血球が攻撃を仕掛けると、炎症を起こす物質を出します。これが、痛みの原因。
注意したいこととして、、、
数日経って、痛みがなくなり軽快に歩けるようになりますが、「関節に原因の尿酸塩結晶が残っていれば」また、再発する恐れがあります。
痛風の予備軍は、全国で600万人
全国での痛風患者は、約60万~70万人
痛風の予備軍とされる高尿酸血症の数は、約600万~650万人
その男女の割合は、98%が男性と圧倒的な割合です。
痛風の歴史:なんと「痛風」は、江戸時代以前には、日本になかった
痛風の歴史は古く、古代ローマ時代から「関節の中に毒素が溜まる病気」とされてきました。エジプトのミイラの関節の中にも尿酸塩が見つかったとか。西洋に多く「痛風」の病例が残っています。
たとえば、、、
古代マケドニアのアレクサンダー大王や神聖ロ-マ帝国皇帝のカルロス五世、フランスのルイ十四世、宗教改革のルター、レオナルド・ダ・ビンチ、文豪ゲ-テや天才物理学者ニュ-トン、生物学者ダ-ウィンと多くの歴史上の人物が「痛風」に悩まされてきました。
しかし、、、
日本では、なんと「痛風」は、明治以前にはないことがわかっています。安土桃山時代の戦国時代に日本に訪れたポルトガル人の宣教師ルイス・フロイスは、「日本には痛風がない」と記録していますし、明治時代に入って日本にやって来たドイツ人医師のベルツも「日本人には痛風がいない」と記録しています。
日本に「痛風」患者が増えたのは、1960年代以降
明治時代までは、日本人には馴染みがなかった「痛風」ですが、ポツポツと明治になってから痛風患者発生してきて、痛風患者がポピュラーな病気となったのは、1960年代以降の経済成長が著しくなってきてからの話です。
それまでは、この「痛風」は、【ぜいたく病】とか【帝王病】などといわれて、一部の裕福な人々の病気でした。俄然、現代になって増えたのは、飽食の時代だからといわれています。
それは、、、
日本人が、何といっても「食文化の西洋化」と「栄養が良くなったこと」にあります。
さらに、、、
動物性蛋白質の摂取量が増えたこと、飲酒量の増加、社会構造の変化がおおきく影響しており、とくに肥満の人は要注意で、肥満と血清尿酸値の関係は明らかになっており肥満の人の痛風は増加します。
また、不思議なことに、戦争などで栄養の摂取が悪化してくると「痛風患者」は減っていくようです。
痛風は、圧倒的に男性に多い病気
痛風ほど、男女差がハッキリしている病気はないほどで、圧倒的に男性に多い病気。
それは、、、
東京女子医大の1992年の調査では、【男性が98.5%で女性はわずか1.5%】という結果があります。
痛風が男性に比べて、女性が圧倒的に少ない理由は
痛風の原因は、[尿酸の血液中の濃度(血清尿酸値)]ですが、女性はこれが男性よりもひくいのです。
それは、、、
女性ホルモンに腎臓からの尿酸の排泄を促す働きがあるからです。
しかし、、、
女性は、閉経を過ぎると、女性ホルモンの分泌が減ってきます。すると、尿酸値は少しずつ上昇してきます。女性も50歳を過ぎると尿酸値の男女比は、小さくなっていきます。
痛風の原因とされる尿酸って何
尿酸は、プリン体を作る上でできた燃えカス
痛風は、血液中に含まれる「尿酸」がとても多くなる「高尿酸血症」によって、尿酸が関節などで結晶化することで炎症を起こす病気です。
この、、、
尿酸とは、肝臓で生成される代謝物の1つ。いわゆる燃えカスです。そして、尿酸は、食べものに含まれる「プリン体」などから作られます。
この、、、
尿酸は、1日に身体で700mg産生され、同じ700mgが排泄されます。
さらに、、、
尿酸の量は、一定量に保たれるようになっています。その量は、1,200mg(成人男性の場合)これは、『尿酸プール』とよばれています。
尿酸値の正常値は
尿酸値の正常値は、、、
- 成人男性で、血液1dl中4.0~6.5mg/dl(ミリグラム・パー・デシリットル)
- 成人女性で、3.0~5.0mg/dl(ミリグラム・パー・デシリットル)
そして、、、
- 7.0mg/dlを超えると[高尿酸血症]で、8.5mg/dlを常に超える様な状態なら、いつ「痛風の発作」が起こってもおかしくない状態に入ります。
また、、、
[高尿酸血症]だからといって、すぐに痛風になるのかというとそうでもなく、痛風の発作」が起きるまでには【約8年以上】は、経過しているといわれています。
痛風の原因である尿酸の原材料はプリン体
尿酸の原材料はプリン体ですが、このプリン体は以下の3つの方法で作られます。
- プリン体が多く含まれる食品を食べることによってプリン体が増える
- 細胞の核酸にプリン体は含まれていますが、古い細胞が解体されることでプリン体が出てくる。この場合が一番、プリン体が多く出ています。
- 急激な運動などでエネルギーを使うとプリン体が生み出される
どうやってプリン体の量をコントロールするか
プリン体の量が多く出るのは、新陳代謝によって古い細胞が分解されるときですが、この仕組みは、人が生きていく上で避けられない状態です。
なので、、、
体内のプリン体の量を調整するには、「食べ物からなるべく摂取しないようにする」「激しいスポーツやストレスをためない」こと。
痛風には、どんな人がなりやすいのか
尿酸値が、7.0mg/dlを超えると[高尿酸血症]になります。以下のようなタイプの人は、[高尿酸血症]になりやすいので注意してください。
- お酒をたくさん飲む人
- 清涼飲料水(砂糖が沢山入っている)をよく飲む人
- 過食の人
- 肥満の人
- 動物性の食品を多く摂る人
- 常にストレスを抱えている人
- 水分を多く摂っていない人
- 運動不足の人
- 血縁者に痛風の人がいる人
そして、、、
- 20代以上の男性、30代の男性の3割は尿酸値が高いといわれています。
痛風の予防法は、生活習慣の改善です
痛風を予防するには、尿酸値をどれくらい下げたらよいか
健康診断で出る「尿酸値」を下げることが大切ですが、尿酸値が、7.0mg/dlを超えると[高尿酸血症]になるので、1度「痛風の発作」を起こした人でも再発を防ぐためには、尿酸値を「6.0mg/dl」以下に抑えるように努力が必要です。
なぜなら、、、
尿酸の血中の濃度を下げてしまわないと、関節内に溜まっている【尿酸塩結晶】が溶けないからです。
また、、、
一度も「痛風発作」を発症したことのない人の尿酸値の数値は目角に定まっていないといいます。ただし、尿酸値が、7.0mg/dlを越え、どんどん高くなると、「痛風発作」のリスクは高まります。
ですから、、、
健康診断などでドクターから「尿酸値が高いですよ」などと指摘を受けた人は、専門医かかかりつけのドクターに相談することをおすすめします。
「痛風」から重篤な合併症への危険性
「痛風」で済めば良いのですが、この状態は重篤な合併症を引き起こす可能性があるからです。前述したように「尿管結石」の恐れが出てくること。
そして、、、
高尿酸血症は、糖尿病や脂質異常、そして高血圧を合併しやすい
さらに、、、
糖尿病や脂質異常などの生活習慣病は、動脈硬化を引き起こす最大の危険因子でもあり、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患を引き起こすことがあります。
「痛風」から腎臓機能への悪影響も
身体に尿酸が溜まると、関節だけではなくて『腎臓』にも結晶化した尿酸が溜まります。
すると、、、
腎臓の中に尿酸結晶が溜まると、腎臓の機能が低下し、さらに尿酸結晶が溜まり約なります。こういった悪循環は、『慢性腎不全』へと移行します。
痛風を予防するには、生活習慣の改善を
痛風を予防するには、以下のようなことが大切です。
- 食べすぎることを止める
- プリン体が多く含まれている高カロリーの食品をたくさん摂らない
- アルコールを控える
さらには、、、
- 尿酸を排泄するように促すこと。それは、水分をたくさん摂ることも大切です。決して、水分が大切だといって「甘いジュース」は禁物。
そして、、、
適度に汗をかく運動やストレスを抱え込まないようにすることも大切。
- 過食をしない
- プリン体を多く含む食品を控える
- 飲酒は適量を守る
- 水分を十分にとる
- 適度な運動を習慣にする
- ストレスを上手に解消する
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > アルコールと痛風
- 三和化学研究所:激痛!痛風を予防する
- オムロン:痛風の原因とその予防法
- 公益財団法人 痛風・尿酸財団:痛風ってどんな病気
- 全国健康保険協会:痛風】 ある日突然、激痛におそわれます
また、次回。