プリン体ゼロでもダメ![アルコールと痛風の切っても切れない関係]

プリン体

お酒大好きで、365日飲んでいるけど、痛風とかまったく平気です。丈夫な身体で良かった。

と、いう方へ。

アルコールと痛風の切っても切れない関係

お酒を少し嗜むのは、
リラックスできてよいものです。
ですが、尿酸結晶は必ずできています。
だから長い年月をかけて
痛風の危険性は高まっているんですよ。




今回は、『アルコールと痛風の切っても切れない関係』のお話しです。

■もくじ

  1. アルコールと切っても切れない「痛風」のこと
  2. アルコールと痛風の切っても切れない関係

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

アルコールと切っても切れない「痛風」のこと

アルコールと切っても切れない「痛風」のこと

まずは、歩けないほどの激痛が走る「痛風」のことについて

痛風といえば、ビールや日本酒などのアルコールを思い出します。巷では、「プリン体ゼロを飲んでいるから大丈夫」だという人もいるようです。でも、話はそう簡単ではないようですから後述します。

痛風は、[痛風関節炎]というのが正式な名称です。

これは、、、

尿で排泄しきれなかった尿酸が、「尿酸塩結晶」という形で間接内に付着します。このまま何もなければ良いのですが、激しい運動などをやった拍子にこの尿酸塩結晶が剥がれ、この破片を白血球が「敵」だとみなしてしまい、攻撃し始めます。剥がれた「尿酸塩結晶」の破片に対して炎症を起こす物質を出して攻撃します。これが、激痛の原因です。

痛風関節炎
痛風関節炎

この、、、

尿酸は、プリン体の最終代謝物です。血液中に溶け込んでいます。でも、プリン体をたくさん摂ると、尿酸もたくさんできます。すると、溶けきれない尿酸の量が増えてしまうので、「尿酸塩結晶」になってしまいます。

また、、、

プリン体自身は、私たちの身体にはなくてはならない大切な物質で、大切なエネルギー源のATP(アデノシン三リン酸)とGTP(グアノシン三リン酸)や核酸を構成する物質です。

溶けきれない尿酸の量が増えてしまうので、「尿酸塩結晶」に
溶けきれない尿酸の量が増えてしまうので、「尿酸塩結晶」に

なので、、、

プリン体を毛嫌いすることは、生命活動に反していることになります。

じつは、、、

プリン体自身の8割は、体内で生成されます。なので、2割を食物で補えば良いことになります。このプリン体は、絶妙のバランスで体内に保たれるようになっています。1日約700mg産生されて、同量の約700mgが1日に尿として排泄されています。痛風は、このバランスが崩れたときに発症するリスクが高まるのです。

その、、、

プリン体の絶妙なバランスを崩している大きな原因の一つが、ビールや日本酒などのアルコールになります。

痛風患者は増え続け、30年で4倍に

明治初期までは、日本には痛風患者いなかった

世界を見渡すと痛風の歴史はかなり古く、エジプトのミイラの関節の中にも尿酸塩が見つかったり、アレクサンダー大王や神聖ロ-マ帝国皇帝やレオナルド・ダ・ビンチ、文豪ゲ-テや天才物理学者ニュ-トン、生物学者ダ-ウィンに至まで多くの人々が、大昔から『痛風』に悩まされていたようです。

とくに、アレクサンダー大王は、32歳の若さで急逝しますから、かなり若い時期から『痛風』だったことになります。なので『痛風』は、中年おじさんの病気ではないのですね。

若くして痛風だった、アレクサンダー大王
若くして痛風だった、アレクサンダー大王

そんな、、、

痛風ですが、日本で発症が確認されているのは明治の中頃から。戦国時代にやってきたポルトガル人の宣教師ルイス・フロイスは、「日本には痛風がない」と記録していますし、明治時代に入って日本にやって来たドイツ人医師のベルツも「日本人には痛風がいない」と記録しています。

痛風ですが、日本で発症が確認されているのは明治の中頃から
痛風ですが、日本で発症が確認されているのは明治の中頃から

この、、、

『痛風』が、日本でポピュラーな病気として認識されたのは、1960年代に入ってからで、まだ60年も経っていません。それほど、『痛風』は、日本人には「馴染みのない病気」だったのです。

痛風予備群の高尿酸血症の人は、1000万人以上

わずか60年前までは、日本人には馴染みのない『痛風』でしたが、1960年代を皮切りに急激に増えていきます。

それは、、、

1986年には、約25万人。2013年には、約106万人と。ここ30年くらいの間に4倍にも急増しています。

そして、、、

なんと、現在では『痛風予備群の高尿酸血症の人は、1000万人以上』ともいわれているのです。理由は、食習慣の西洋化や生活スタイルの多様化などが原因とされています。高カロリー食品や脂質の多い食生活などで、脂質異常症だったり、糖尿病などの生活習慣病予備軍の増加、そしてアルコール摂取量の増加などが考えられます。

 





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『痛風』の女性患者の増加

『痛風』の女性患者の増加

「痛風患者」の9割は、男性です。女性は、1割ほど。

これは、、、

女性に「痛風患者」少ない理由としては、女性ホルモンには、腎臓での尿酸の再吸収を抑える働きがあるためです。また、尿酸の排出を促す働きがあり、もともと女性には、尿酸が溜まりにくく「尿酸塩結晶」ができにくいのです。

ここ15年の間に「女性の痛風患者が10倍に増えた」

しかし、、、

近年になって、女性のライフスタイルが大幅に変化し、高カロリー食品や脂質の多い食品、そして過食、さらに運動不足などで女性の「痛風患者」が少しずつ増えてきています。あるデータでは、ここ15年の間に「女性の痛風患者が10倍に増えた」という報告もあります。

さらに、、、

女性の場合は、更年期になって女性ホルモンが減少すると、尿酸が体外に排泄されにくくなります。そして、閉経後には、女性ホルモンが減少するので『痛風』のリスクはさらに高まります。

更年期になって女性ホルモンが減少すると、尿酸が体外に排泄されにくくなります
更年期になって女性ホルモンが減少すると、尿酸が体外に排泄されにくくなります

また、、、

肥満による『痛風』のリスクも心配です。肥満になると、尿酸値を高めることになりますし、尿路結石などの痛風の合併症もでてくるので、十分な対処が必要になります。『痛風』や『尿路結石』は、ともに歩けないほどの激痛が走るので避けたいところです。

肥満になると、尿酸値を高めることになります
肥満になると、尿酸値を高めることになります

 





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アルコールと痛風の切っても切れない関係

アルコールと痛風の切っても切れない関係

そもそもアルコールに尿酸値を上げる作用があった

「あん肝に純米吟醸」とか「ビールに焼き鳥、レバーやモツ」など想像しただけでもそそります。どうしてもアルコールとプリン体の多い酒の肴の組み合わせは多いものです。しかし、尿酸値の上昇が気になります。

鶏レバー

たとえば、、、

モツ・干物・白子・うに・レバーなどの細胞の詰まった食品には、尿酸の材料であるプリン体が多く含まれています。

このようなプリン体が多い食材を食べてると、体内ではプリン体の代謝された最終産物として「尿酸」が産生されます。そして、この「尿酸」は、尿としては体外に排泄されます。

じつは、、、

ビールや日本酒などのアルコール全般にいえることは、アルコールそのものに尿酸値を上げる作用があるのです。

『痛風』の原因、尿酸産生のメカニズムは

ビールや日本酒などのアルコールを摂ると、尿酸が作り出される量が増えるのです。アルコールが、肝臓で分解されるときに、尿酸のもととなるエネルギー物質であるATP(アデノシン3リン酸)が利用されて、尿酸が作り出される量がふえるので、尿酸値も上昇します。

また、、、

アルコールを摂ると、尿酸の排泄がままならなくなります。どういうことかというと、アルコールが、肝臓で解毒されるときに、代謝物として乳酸が出ます。この乳酸は、尿とともに尿酸が排泄されるのを阻害します。すると、結果的に尿酸値は上がるのです。

アルコールを摂ると、尿酸の排泄がままならなくなります

さらに、、、

アルコールには、利尿作用がありますが、水分の排泄量が増加すると、血液中の尿酸が濃縮されてしまいます。こうなると、尿酸値も上昇が上がります。

「プリン体ゼロだから、痛風は安心」というのは間違い

ビールは、確かにプリン体は多いですが、前述したように「アルコール自体に尿酸値を上げる」作用があるので、「プリン体ゼロだから安心」というのは大きな間違いです。

くり返しますが、、、

アルコールが、肝臓で分解される際に生成される乳酸は、腎臓からの尿酸の排出を低下させます。

さらに、、、

アルコールには、抗利尿ホルモンを抑制する作用があるので脱水も進みます。また、尿酸の7~8割は尿から排出されますが、脱水で尿の量が少なくなるために、尿酸の排出が低下し、体内の尿酸値が高くなります。

なので、焼酎は、プリン体ゼロだから安心というのは大きな間違いとなります。

アルコールの摂取量が多いほど、『痛風』の発症リスクが高まる

以下のグラフは、「アルコール摂取量がふえるほど、痛風の発症リスクは増える」ことを示したグラフです。このグラフで分かることは、アルコール摂取量がふえれば、痛風発症リスクもともに上昇していることです。

とくに、、、

アルコール摂取量が、30~49.9gでは、リスクは約2倍にも高くなっています

『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版』(日本痛風・核酸代謝学会 ガイドライン改訂委員会)より
『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版』(日本痛風・核酸代謝学会 ガイドライン改訂委員会)より

アルコールの適量は、以下のような量です。

  • ビール中瓶1本(500ml)
  • 日本酒1合(180ml)
  • ワイングラス2杯(180ml)
  • 焼酎0.6合(110ml)

ですが、この程度で収まるはずはなく、痛風患者であれば「飲まないことが最良」だといえます。

難しい問題ですね。

 





以上。

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また、次回。