眠れないから不眠症だと思っていたけれど、病院で診察受けたら違う病名をいわれて驚いた。
と、いう方へ
ひとくちに睡眠障害といっても
不眠症だけではありません。
ただ、寝られないだけならいいのですが、、、
今回は、睡眠障害って何?という話です。
■もくじ
- 眠れないから不眠症と考えていませんか?[睡眠障害いろいろな種類]
- 生活習慣を見直して、睡眠障害を解消しよう
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
眠れないから不眠症と考えていませんか?[睡眠障害いろいろな種類]
日本人の睡眠の長さと質が低下してきた
さまざまな情報が飛び交い、夜も眠ることを知らない繁華街など、私たちの営みはまさに24時間稼働しています。
NHK放送文化研究所が5年毎に行っている国民生活時間調査では、、、
- 1960年で8時間13分だった睡眠時間が、2005年では7時間22分と約1時間短縮しました
寝る時刻についても、、、
- 1960年では、夜10時に寝ていた人々が66%だったのに対し、2005年では24%に減少しました
欧米諸国と比べると、、、
- 日本人有識者女性の睡眠時間は2時間ほど短い
睡眠障害には、不眠症以外にもたくさんある
眠れないから不眠症だとよく思われるかもしれませんが、不眠症で片付けられないことも多いのが現状です。
睡眠障害というのは、【睡眠に何らかの問題がある状態】をさします
私たちは、何気に睡眠をとっていますが、その目的は、、、
- 心身の回復
- 記憶の定着
- 免疫機能を強化
などの働きがあります。
夜にちゃんと睡眠をとっていないと、日中に何らかの障害が生じます。
たとえば、、、
- 居眠りをする
- 仕事のミスが多くなる
- 集中できない
- 車の運転に支障が出る
など、日中の作業に不調をきたします。
しかし、単に不眠症だけではないことも考えられます。
睡眠障害の種類 |
不眠症 |
過眠症 |
概日リズム睡眠覚醒障害 |
睡眠呼吸障害 |
睡眠関連運動障害 |
睡眠時随伴症 |
不眠症
日本人は、5人に1人が「寝つきが悪い」とか「眠りを維持できない」などのような不眠で悩むんでいます。
不眠症に関しては、この記事でも紹介しました。
国民病といわれる不眠症とは何か。日本では、5人に1人が不眠の症状で悩んでいます。睡眠で休養が取れていない。何らかの不眠がある。
不眠症の4つのタイプ
不眠症 | |
入眠障害 | 寝つきの悪い。(30分~1時間以上)眠りにつけない |
中途覚醒 | いったん眠りについても、眠りが浅く途中で何度も目が覚める |
早朝覚醒 | 早朝に目が覚めてしまう。起きる時間の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない |
熟眠障害 | ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない |
眠れない症状が1ヶ月以上続くと「不眠症」と診断されます。
不眠症が起こると考えられる要因は、、、
- 眠れないという慢性的な不安と緊張によるストレス
- 抗パーキンソン病薬、降圧薬、副腎皮質ステロイド、インターフェロンなどの薬剤の副作用
- 頚椎(けいつい)や腰痛といった慢性的な痛み、かゆみ、気管喘息などの呼吸困難、前立腺肥大や暴行年などの尿路系の刺激といった身体の疾患
- うつ病などの精神疾患
- アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経疾患や脳血管疾患、脳腫瘍、頭部などのケガ
などが考えられます。
過眠症
過眠症は、夜しっかり寝ているにもかかわらず、昼になっても強い眠気がでて、起きているのが困難な状態をいいます。
この過眠症になると、日中の仕事や家事、学習に支障をきたします。
過眠症のおもなタイプとしては、、、
ナルコレプシー
世界的には、1000人から2000人に1人にみられる病気。10代で発症することが多い疾患。
- 急に眠くなって眠ってしまう睡眠発作
- 笑う・驚くなどの感情で突然身体の力が抜ける情動脱力発作
- 眠りに入る際の睡眠時麻痺
- 入眠時幻覚
などがみられ、有病率は、欧米諸国に比べやや日本人のほうが高くなっています。
考えられる原因としては、、、
- ナルコレプシーの原因には覚醒を維持する物質(オレキシン)の低下が関係しています
特発性過眠症
- 特発性過眠症は、夜に十分な睡眠をとっていても日中に過度な眠気が続く原因不明の過眠症
慢性の睡眠不足との鑑別が重要です。
薬剤の副作用
薬による副作用での睡眠障害です。
- 抗ヒスタミン作用のある風邪薬
- 抗アレルギー薬
- 抗不安薬
- 抗うつ薬
などの薬剤の副作用によって、日中の眠気が生じます
概日リズム睡眠覚醒障害
人の体内時計の周期は約24時間10分といわれていて、1日24時間と比べてずれがあります
このずれを修正できなくて生活が乱れてしまい睡眠障害が起こることを【概日リズム睡眠覚醒障害】といいます。
概日リズム睡眠覚醒障害が起こる考えられる要因は、、、
- 夜型の生活が続いて、寝る時間がどんどん朝になってしまうズレなど
があります。
高齢者では、夕方になって眠くなり、未明の2時〜3時に目覚めてしまい、それから眠れなくなる【睡眠相前進型】が多くなります。
睡眠呼吸障害
有名な睡眠時無呼吸症候群。寝ている最中に舌根が喉の方へ落ち込んでしまい、気道がふさがれてしまい、、、
- イビキによる低呼吸
- 呼吸の停止する無呼吸
が、みられます。
この低呼吸や無呼吸になると血液中の酸素濃度が低下するので目が覚めてしまい、睡眠が途切れ途切れになることで、熟睡感を得られなくなります。
睡眠呼吸障害は、以下のような要因があり、睡眠時に起動が閉塞しやすくなります。
- 肥満
- 首回りに脂肪が多い
- 首が短い
- 上気道が狭い
- 下顎が小さい
その他の睡眠障害は
むずむず脚症候群
寝ようとして床につくと、、、
- 足にむずむず感
- 何ともいえない不快感
- 虫がはう感じ
などの異常な感覚があり、じっとして眠れなくなること。
むずむず脚は、身体を動かすことで多少は改善します。が、安静にしていると再びおこります。
周期性四肢運動障害
夜間寝ている最中に、、、
- 足や手がぴくついて何度も目が覚めて、深く眠れないこと
これらの症状は自分の意思とは関係なく、足や手に繰り返し現れます。
睡眠時随伴症
睡眠時随伴症とは、睡眠中に起こる心身機能の異常。高齢者にみられる睡眠時随伴症にはレム睡眠行動障害があります。
睡眠時随伴症 | |
睡眠時遊行症 | 夢遊病といわれます。主に学童期。手足を動かした後、同じ動作を繰り返したり、歩き回ったりする |
睡眠時驚愕症 | 夜驚症ともよばれ、睡眠時遊行症と同様、深睡眠中に始まり、悲鳴や泣き声が睡眠中に突然出現し、起き上がり寝ぼけた状態で時に錯乱状態となる |
悪 夢 | 睡眠中に鮮やかで生々しい夢を見て強い不安、恐怖、生命の危険などを感じてうなされて覚醒する現象 |
レム睡眠行動障害 | レム睡眠中の夢が行動となって現れてしまう現象。夢を見て大声で寝言を言い、手足をばたつかせたり体を激しく動かしたりすることがある |
レム睡眠行動障害は、家具を壊すことや、一緒に寝ている家族にけがを負わせることもあります。
生活習慣を見直して、睡眠障害を解消しよう
睡眠障害にはこんな徴候が現れる
今までみてきたように、睡眠障害にはいろいろあります。
そして、睡眠障害が現れるサインとしては、、、
- 不眠
- 日中の過剰な眠気
- 睡眠中に起こる異常行動や異常知覚・異常運動
- 睡眠・覚醒リズムの問題
などの4つにまとめられます。
また、家族などの周囲の人から[イビキ・寝言]などを指摘される場合もあります。
睡眠障害は、それぞれの原因によって治療法も異なる
睡眠障害は、眠れないから睡眠薬。といったことではありません。その症状やサインなどで治療法や改善策も変わります。
余りにもひどい場合は、専門医に相談して適切な治療を受けることが必要です。
不眠症以外の疾患に対する治療法 | |
睡眠時無呼吸症候群 | 重症度によって治療法が異なります。経鼻的持続陽圧呼吸療法(鼻CPAP療法)や口腔内装置などが使われます。肥満がある場合は、ダイエットが必要です。飲酒や睡眠薬は、かえって悪化させます |
むずむず脚症候群・周期性四肢運動障害 | 抗てんかん薬や抗パーキンソン病薬などが使われます。専門医の診察が必要です |
過眠症 | 夜間十分な睡眠をとり、規則的な生活を心がけるようにしましょう。昼休みなどに短時間の昼寝をうまく取り入れましょう。眠気に対して中枢神経刺激薬が使用されることがありますが、専門医による診察と検査が必要です |
睡眠時随伴症 | ストレスなどが関与している場合があるので、ストレスの軽減につとめましょう。睡眠中の寝ぼけ行動に対しては、危険に配慮した寝室環境を整えましょう。薬物療法として、睡眠薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬などが使われます |
概日リズム睡眠障害 | 体内時計をリセットし、通常の一日のリズムに合わせるためには、朝たっぷり光を浴びるようにしましょう。休日でも同じ時刻に起床して、光を浴びるのがコツです。睡眠薬やサプリメントを使用する場合は、専門医の指導を仰ぎましょう |
睡眠習慣の見直し | |
睡眠時間にこだわらない | 年をとると必要な睡眠時間は短くなります。あまり長時間眠ることを目標とせず、年齢に合った睡眠時間を設定しましょう |
眠くなってから床につく、就床時刻にこだわりすぎない | 眠ろうと意気込むと、かえって頭が冴えてきます。寝つけないままに床の中にいると、眠れないことへの不安や焦りが生じ、ますます眠れなくなってしまいます |
同じ時刻に毎日起床 | 何時間眠れたかにかかわらず、毎日同じ時刻に起床しましょう |
眠る以外の目的で床の中で過ごさない | 床の中でテレビを見たり、読書をしたりしないようにしましょう。なかなか眠れなかったら、いったん床から離れ、自分なりのリラックスできることを行ってみましょう |
昼寝は短めに、遅くとも15時前に | 長い昼寝や夕方以降の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を及ぼします |
→厚生労働省:みんなのメンタルヘルス:睡眠障害
睡眠環境を整えることが大切です。
- 毎日の生活リズムを一定にすること
- 起床時間・就寝時間を決める
- 朝起きたら、朝日を浴びる
- 日中は、適度な運動をして活動的になる
- 寝る前には、カフェインや喫煙、アルコールを控える
- 就寝時間の1時間前ぐらいに入浴して体温を上げる
- 寝室は、適度な温度と湿度を保つ
- 寝室は、灯りを消す
以上のような生活習慣を身につけて改善しましょう。
それでも不眠で悩むならば、専門医に相談して適切な治療を受けましょう。
以上。
また、次回。