せっかく中性脂肪が低いのに、血糖値が高いなんて、ナンセンス。おまけにコレステロール値も高いし、、、
と、いう方へ。
中性脂肪が低いのに、血糖値が高いなんて一見おかしく感じるかもしれませんが、じつはよくあることなんです。
詳しく解説します。
今回は、「中性脂肪が低いのに、血糖値やコレステロールや体脂肪が高いのはなぜ」という話です。
■もくじ
- 中性脂肪値が低いのにコレステロール値が高いのはなぜ
- トリグリセライド(中性脂肪)の値が低いのに血糖値が高いのはなぜ
- 中性脂肪(トリグリセライド)が低いのに体脂肪率が高いのはどうしてか
- 中性脂肪(トリグリセライド)が低いのに脂肪肝なのはどうしてか
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
中性脂肪値が低いのにコレステロール値が高いのはなぜ
トリグリセライド(TG)とコレステロールは、仲間ですが、比例する関係にはありません。
たとえば、、、
トリグリセライド(TG)は高いのに、コレステロールの値は、低いといった場合があります
トリグリセライド(TG)とコレステロールは、脂質ですが、その働きと特徴に大きな違いがあります。
エネルギー源と細胞膜を生成する脂質の違い
トリグリセライド(中性脂肪)は、人間が活動するためのエネルギー源です。
トリグリセライド(中性脂肪)のおもな原材料は、食事から摂られた糖質や脂質。エネルギー源として消費されなかった余剰分は、肝臓に送られて[中性脂肪]として合成されます
コレステロールは、髪や皮膚を滑らかにしてくれたり、細胞をつつむ細胞膜やホルモンの材料や消化吸収を助ける胆汁酸の原料にもなっています。
コレステロールの詳細に関してはこの記事で詳しく解説しています。
中性脂肪も脂なので、コレステロールと同様に[リポたんぱく]というカプセルのようなものの中に入って血液中を巡り、身体の隅々に届けられています。
コレステロールには、HDLコレステロールとLDLコレステロールがあり、この2つが相互に作用することでビタミンDが合成されます
トリグリセライド(中性脂肪)とコレステロールの関係は
- トリグリセライド(TG)が増加するとLDLコレステロールも増加する傾向にあります
- トリグリセライド(TG)が増加するとHDLコレステロールは減少する傾向に
逆に、、、
- トリグリセライド(TG)が減少するとLDLコレステロールも減少する傾向にあります
- トリグリセライド(TG)が減少するとHDLコレステロールは増加する傾向に
トリグリセライド(TG)とLDLコレステロールは比例関係に
トリグリセライド(TG)が増えたり減ったりすると、同じようにLDLコレステロールも増えたり減ったりして、比例関係にあります。
が、、、
いわゆる善玉コレステロールのHDLコレステロールは、逆に反比例しやすい関係にあります。
ですから、、、
中性脂肪値が低いのにコレステロール値が高いという状態は、善玉コレステロールのHDLコレステロールが多い状態を示します
しかし、、、
トリグリセライド(中性脂肪)とコレステロールの双方のどちらかの値が、異常な値を示したときには、【脂質異常症】という疾病になります。
とくに、、、
HDLコレステロールが低い上に中性脂肪の値が多い場合は特に、動脈硬化症となる可能性が高まるので注意が必要です
トリグリセライド(中性脂肪)の値が低いのに血糖値が高いのはなぜ
血糖値が低いと、トリグリセライド(TG)も低くなるのではと、思ってしまいます。でも、この血糖値とトリグリセライドは、必ずしも連動していないのです。
血糖値とは、血液中のブドウ糖(グルコース)の濃度のことをいいます。私たちは、生きていく上でご飯やパン、そして麺類などの炭水化物を食べます。
この炭水化物である糖分は、身体の中でしょうか吸収されて、ブドウ糖(グルコース)になり、血液中にはいって、身体のエネルギーになるのです
ですから、、、
- 普通は、食事を摂ると血糖値が上がり、空腹時には下がります
健常な人であれば、血糖値は一定した振幅で変化しますが、糖尿病の人であれば、その振り幅は大きくなって、異常な高血糖になります。
人の身体には、この血糖値を保とうとする機能が備わっていますが、インスリンの分泌量が不足していたり、機能していなかったりすると、血糖値は高いままになります。
また、砂糖や精製された穀物(白もの主食)を食べた後、急に血糖値が上がりインスリンが大量に分泌され、その後は低血糖になるという、、、
- 食後高血糖
- 反応性低血糖
と、乱高下をくり返すことがあります。
普通の人は、血糖値が高いとトリグリセライド(TG)も高い
通常は、血糖値が高いとトリグリセライド(TG)も高い傾向にありますが、高血糖と低血糖をくり返すケースでは、、、
- 血糖値が高いのに、中性脂肪は低い
- 血糖値は低いのに、中性脂肪が高い
と、いう血液の状態が見られます。
血糖値の乱高下は、動脈硬化のリスクを高める
「血糖値が高いのに、中性脂肪は低い」「血糖値は低いのに、中性脂肪が高い」といったような乱高下は、身体にとってとても大きな負担になります。
動脈硬化のリスクを高めます
また、、、
血糖値が低すぎると無気力になったり、イライラしたり、落ち着きがなくなったり
さらに、、、
- 血糖値が低すぎると、[めまい][冷や汗][パニック障害]を引き起こすことも
逆に、、、
- 血糖値が高すぎると、[脱水状態]になりやすく、【糖尿病】や【心筋梗塞】のリスクが高まります
中性脂肪(トリグリセライド)が低いのに体脂肪率が高いのはどうしてか
体脂肪率も血糖値と同様にトリグリセライド(中性脂肪)の値には影響されません。
理由はいたって簡単で、、、
- トリグリセライド(TG)は、血液中に存在。一方、体脂肪は、皮下や内臓などに蓄えられた脂肪のこと。
脂肪は、通常身体の20%を占めています。
その脂肪細胞の役割は、、、
- ホルモンなどの伝達物質の生成、分泌
- 衝撃を和らげるクッション
- 体温の保持
- エネルギー源の貯蔵庫
- ビタミン類の消化、吸収、運搬
- 細胞の構成成分(細胞膜)
- 内臓の位置を保つ
中性脂肪(トリグリセライド)が低いのに脂肪肝なのはどうしてか
【脂肪肝】とは、脂肪が肝臓全体の30%以上を占めるようになった状態のこと
食べすぎや運動不足が原因で、余った糖質や脂質が中性脂肪に変わり、肝臓にたまってしまいます。
- 男性の4割が脂肪肝といわれています
日本人には、軽度な脂肪肝の人は多く、見た目は肥満体型ではなく、スリムな人でも脂肪肝の人がいます。たった2〜3kg体重が増えただけでも脂肪肝になる人もいます。
人間ドックを受診した33.2%が肝機能異常がみられた
日本人間ドック学会が2016年に発表した「全国集計結果」では、、、
人間ドックを受診した人の33.2%で「肝機能異常」
「高コレステロール」(33.4%)に続いて多いという結果でした。
また、「肝機能異常」のある人は、、、
- 20年前と比較すると10.5ポイント上昇し
- 男性の40.2%
- 女性の22.8%
でした。
見た目がスリムでも油断できないのが脂肪肝
脂質異常症の怖いところは、自覚症状がないということ。
前述のように、たった2〜3kg体重が増えただけでも脂肪肝になります。その人は、見た目も十分スリムです。
が、、、
自覚症状がなく、危機感もない[脂肪肝]なので、狭心症や心筋梗塞などの心疾患の合併率が高くなっていても気がつきません
ですから、、、
日々の注意が必要です。
たとえば、、、
- 油ものを控える
- 甘いものやお酒の飲み過ぎを控える
ことが大切です。
低栄養状態がいたもたらす脂肪肝とは
合成されたトリグリセライド(中性脂肪)は、たんぱく質と結合して、肝臓から血液中に分泌されます。
極端なダイエットでたんぱく質が欠乏すると全身に運べなくなる
極端なダイエットをする人たちがいます。コマーシャルでも驚くほど短期間に痩せる人など、多いですが、、、
- 極端なダイエットを行うと飢餓状態になり、たんぱく質が欠乏します
すると、、、
- たんぱく質が欠乏すると[リポたんぱく]として肝臓から血液中に運搬できなくなります
そうなっていくと、、、
- 脂肪は、肝臓にたまっていくのに、血液中のトリグリセライド(中性脂肪)は、低いという状態になります
ですから、、、
脂肪肝を防ぐためには、栄養の過剰も欠乏も注意する必要があるのです
栄養状態を軽くみると、取り返しのつかないことになります。
過剰なダイエットは、よろしくありません。
以上。
また、次回。
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