太ってきたから、食べずにダイエットしてたけど、最近体重が減らなくなった。
と、いう方へ。
あなたのやっている方法は、ヨーヨーダイエットといいます。
身体にとってとても危険ですよ。
今回は、ヨーヨーダイエットの話です。
■もくじ
- ヨーヨーダイエットで冠状動脈性心疾患の死亡リスクは66%増加する
- ヨーヨーダイエットにならないためには
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
ヨーヨーダイエットで冠状動脈性心疾患の死亡リスクは66%増加する
ヨーヨーダイエットで死亡のリスクは、3.5倍に
ダイエットは、現代人にとって永遠のテーマといってよいですね。とくに女性は、体重が気になり、ダイエットに励む人が多いです。
- 日本人の肥満遺伝子は3人に1人いるといわれています
倹約遺伝子のことを[肥満遺伝子]と揶揄されていますが、大昔の食料がない狩猟時代には、欠かせないものでした。人類は、生き延びるために食物から摂り入れたものを効率よく皮膚や皮下に蓄えて、飢餓と闘っていたのですから。
ヨーヨーダイエットとは、短期間で体重の増減をくり返すこと
炭水化物ダイエットとかで、食べずに短期間で体重を落とす人がいます。以前も紹介しましたが、、、
- 短期間でたとえば、1キロ〜2キロ減ったのは、脂肪ではなくて筋肉です
カロリー制限で、
3キロ落としたのに、リバウンドしてまた3キロ戻っちゃった人は、筋肉が3キロ落ちて、脂肪が3キロついた
基礎代謝を上げるのが筋肉ならば、その貴重な筋肉を食事制限ダイエットで失ったことになります
悲しいかな負のスパイラルに陥ってしまったのです。
食事制限ダイエットの悲しいところを紹介します。それは、食事制限ダイエットで、真っ先に減るのは脂肪ではなくて、筋肉と水分なのです。
「ヨーヨーダイエット」をしている女性は、
冠状動脈性心疾患の死亡のリスクが66%増加する
→ 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログより
米国のブラウン大学附属病院の研究チームによる調査。
この研究では、閉経後の女性15万8063人を対象に、平均11.4年追跡調査しました。
体重データをもとに「安定」「増加」「減少」「増減を繰り返す」の4つに分類しました。
【 結論 】
- 体重を5kg以上減らした後で元に戻した女性は、体重が安定している女性に比べ、心臓突然死のリスクが3.5倍に高まる結果が判明しました。
- 正常体重内で体重の増減を繰り返す「ヨーヨーダイエット」をしている女性は、冠状動脈性心疾患の死亡のリスクが66%増加することが判明しました。一方で、体重増加後、または体重減少後に元に戻らなかった女性では死亡リスクは増加しませんでした。
体重変動がもっとも大きな人は、大きくない人に比べて24%も死亡リスクが高い
→ 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログより
ニューヨーク大学医療センターの研究チームによる調査。
コレステロール降下薬のスタチンの効果を検討した臨床試験に参加した患者9509人を対象に健康状態と体重の変化を4年間以上にわたって追跡し、「ヨーヨーダイエット」の影響を調べました。
【 結論 】
- 極端な体重変動がみられる人は、心血管疾患や心筋梗塞、狭心症、心不全・心停止、血行再建術の必要性や、閉塞性動脈硬化症、脳卒中を起こしやすい事が分かりました。
- 体重変動幅が最も大きい人では、変動幅が最も小さい人に比べて、死亡リスクは24%、心筋梗塞リスクは17%、脳卒中リスクは36%それぞれ上昇しました。
体重変動がもっとも大きな人は、変動のない人に比べて2倍も子宮内膜がんになりやすい
がん研究誌『European Journal of Cancer』に掲載された2013年の論文によると、体重を減らしてからリバウンドした経験が1回以上ある女性は、そうでない女性の2倍、子宮内膜がんになりやすい(肥満歴があり、一度に9kg強の体重を減らしてから増やした人には、リスクが特に高かった)
ヨーヨーダイエットの原因【ホメオスタシスとは】
ヨーヨーダイエットは、ホメオタシスと関係が深いといわれています。
- ホメオタシスとは、恒常性とよばれ、『なるべく今の状態を維持しようとする働き』
ホメオスタシス(homeostasis)は、「同一の状態」を意味するギリシア語が語源。生理学者W・B・キャノン(1871~1945)によって提唱されました。
ホメオタシスによって、体重を維持しようとする働き
炭水化物ダイエットなど食事制限ダイエットをすると、当初は体重が思うように減っていきますが、だんだん減りが悪くなってきます。
これは、、、
ホメオタシスの機能によって、『なるべく今の状態を維持しようとする働き』が作用して食事の量が少なくしてもそれ以上、体重を落とさないようにします
このとき、放っておくと体重は戻っていきます。
以前あった筋肉の量に脂肪が代わりについていることになります
ヨーヨーダイエットの原因:食欲を抑制するホルモン『レプチン』
レプチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで、基本的に食事をしたあと分泌されます。「もうこれ以上食べなくてもいいよ」というサインを出します。
ヨーヨーダイエットの最中の短期間に急激に体重を減らしたときに、このレプチンの分泌量も急速に減っていきます。すると、「食べよう」と脳が関知して『食欲を増進』させるのでリバウンドを起こしやすくなるのです
ヨーヨーダイエットの原因:腸内フローラの乱れ
腸内フローラの乱れ
イスラエルのワイツマン科学研究所の研究。
「ヨーヨーダイエット」が起こる背景には、腸内フローラの乱れもある事が、明らかになりました。
研究チームは、肥満のマウスに減量をさせると、腸内細菌叢が変化することを突き止めました。
具体的にはフラボノイド(野菜や果物などの植物に含まれている色素、苦味成分)とうポリフェノールですが、これは腸内細菌叢によって分解され、身体に吸収されます。
減量をするとこの腸内細菌叢が減り、フラボノイドを吸収しにくくなります。
「ヨーヨーダイエット」のためにフラボノイドが低濃度になると、脂肪由来のエネルギー消費が妨げられ、高カロリー食によって余分な脂肪が蓄積するのです。
→ 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログより
ヨーヨーダイエットは、骨量と筋肉量が減る
骨量も低下 生活の質に重大な影響
米国のオレゴン州立大学の研究によると、迅速で顕著な減量は骨量や筋肉の減少の引き金にもなる。
骨量の低下は、特に高齢者で骨折リスクを高め、生活の質に重大な影響を及ぼす可能性がある。
骨損失の問題は「ヨーヨーダイエット」で問題になりやすい。というのは一度骨量を減らすと、その後体重が増えても減った骨量は戻らないことが多いからだ。
また、ダイエット目的で食事制限だけを行い運動をしないと、脂肪だけでなく筋肉も少なくなってしまう。
摂取カロリーは減らしても、体を構成するタンパク質や、カルシウムを含めた栄養素はしっかりとる必要がある。
→ 「ヨーヨーダイエット」を防ぐために 短期間の体重の変動は危険
ヨーヨーダイエットにならないためには
ヨーヨーダイエットにならないためにダイエット目標は、1カ月0.5キロ~1キロ
ダイエットをしようとすると、ヨーヨーダイエットのように短期間に急激な体重の変化を求める人が多いです。
実際に、1日に1食ダイエットをしたり、毎日1時間走るなど、極端なこころみをやることで体重が減ってきて、嬉しい半面、極端な生活に陥ることがあります。
だいたいこういう時は、
- 長続きせずにリバウンドしやすいのです
ですから、無理なダイエットなどはせずにじっくりと腰を据えて、減量に励むことが大切です。
BMI値を紹介した記事でも取り上げましたが、、、
BMI計算式 BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)
- BMI値23〜24.9の値の人が男女とも長生きです
これは、日本人に当てはめると、、、
ちょっとふっくらしている感じの人
逆に、肥満の人よりも、、、
- 痩せている人のほうが死亡率は高く
- 高齢者になればその傾向はどんどん強くなります。
倹約遺伝子は日本人の3人に1人が持っています。また、この割合は、アメリカ人よりも高く、世界第3位といわれています。
ですから、、、
ダイエット目標は、1カ月0.5キロぐらいがちょうどいい
と、いうことになります。
ヨーヨーダイエットのような急激な体重の増減は、さらに太りやすい身体になるし、健康被害や脂肪のリスクが高くなるのでやめましょう
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > 若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題
- 糖尿病ネットワーク:「ヨーヨーダイエット」を防ぐために
- 中年期男女におけるBMIと死亡率との関連(詳細版)
- 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ:「ヨーヨーダイエット」を防ぐための7つの提唱
また、次回。
- Thank you very much for providing photos and illustrations.
- pakutaso
- irasutoya
- Photo by Christopher Campbell on Unsplash