これってPTSD(心的外傷後ストレス障害)かな。小学校の頃、チャリンコにひかれて凄いケガしたんだけど、今でもチャリンコが近くを通るとドキドキして、息が苦しくなるんだよね。
と、いう方へ。
その体験は、トラウマになりますね。
軽い症状ならよいですが、
酷くなると、うつ病や不安障害などを合併しますよ。
今回は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の話です。
■もくじ
- 芸能人にも多いPTSD(心的外傷後ストレス障害)とは
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療法は
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
芸能人にも多いPTSD(心的外傷後ストレス障害)とは
芸能人にも多いPTSD(心的外傷後ストレス障害)とは
震災や地震、洪水などの自然災害や火事、事故など強烈なショックな体験をするとこころのダメージになって、[トラウマ]になります。
また、、、
- 犯罪に巻き込まれる
- 暴力にあう
- 性暴力にあう
- 事故に巻き込まれる
などの強い精神的ストレスが、長い時間を過ぎても頭をよぎることがあり、汗をかいたり、ドキドキしたりする経験が誰しもあると思います。
芸能人でもファンに襲われたり、交際相手から暴力をけたり、夫のからの暴力でPTSDになったケースもあり、この「心的外傷後ストレス障害」は、比較的有名な病気になりました。
また、秋葉原無差別殺傷事件などで、実際に危害を加えられた人、危害はなかったけれどあの渦中に巻き込まれた人、危害にあった家族など想像を絶するストレスは、大きなこころのトラウマになります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状は[男性より女性が2倍なりやすい]
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状は、以下の3つ
- 精神的不安定による不安、不眠などの過覚醒症状。
- トラウマの原因になった障害、関連する事物に対しての回避傾向。
- 事故・事件・犯罪の目撃体験等の一部や、全体に関わる追体験(フラッシュバック)
*ウィキペディア:心的外傷後ストレス障害
これらの症状が、きっかけになるストレス・恐怖体験から6ヶ月以内に発症し、さらにその症状が1ヶ月以上持続するとPTSD(心的外傷後ストレス障害)といわれ、1ヶ月未満の場合には、急性ストレス障害(ASD)といわれます。
PTSDの発症率は、体験の種類によっても影響を受ける
強烈な体験といってもさまざまです。それがトラウマになるのは、その度合いによっても変わります。
また、同じ体験をしてもPTSDになる人とならない人がいて、それがなぜなのかは解明されていません。
- 自然災害では、被災者の3%程度
- 戦闘では、50%
- レイプでは、60%程度
に、なります。
理由としては、、、
自然災害 | 被災の度合いが違い、軽い被災者がいることや被害を人にいいやすく援助を受けやすいこと |
戦闘 | 全員がある程度以上の被害を受けていること |
レイプ | 全員がある程度以上の被害を受けていること、被害を人に言うことが難しく、必要な支援を受けにくいこと |
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の原因と発症の要因は
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショックな体験といいますから、それは生死にかかわるような危険な体験や目撃から発症します。
- 過去に精神的な病気があったこと
- 過去に虐待などのトラウマがあったこと
同じ被害を受けても、女性の方がPTSDを発症しやすいのは圧倒的に弱者だからと思われます。
PTSDは、怖い体験の記憶が何度も思い出されて、恐怖を感じ続ける
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、こころの弱い人がなるのではありません。誰でもかかる障害です。おじ事故でもPTSDにならない人もいれば、なる人もいます。
トラウマは、誰もありPTSDは、自然なこころの反応ともいえます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が出てもほとんどの場合、1〜2ヶ月のうちに自然に治っていきます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状は
突然、つらい記憶が甦る
つらい事件や事故のことなどすっかり忘れていたつもりでも、、、
ふとしたときに、あの時のつらいときに味わった感情や光景がありありと浮かんできます
また、、、
つらい体験を思い出せるきっかけに触れたときに急に思い出したり、精神が不安定になったりします
これを[再体験症状]といいます。その時のよみがえりの感情は、、、
恐怖
苦痛
怒り
哀しみ
無力感
などのいろいろな感情が交じった記憶。
その時居合わせたまわりの人からみると、どうなったのか分からず理解できないので、不思議に思われることも少なくありません。
さらに、常にトラウマの記憶が思い出されることを恐れているので、、、
緊張が続き
取り乱したり
注意が散漫になったり
- つらい記憶を忘れるために
- 急にぼんやりとしたり
- 自分の体の感覚がなくなっていったり
PTSD(心的外傷後ストレス障害)になると、まわりの人も理解できないので信頼を失ってしまいます。
そして、、、
- 将来を思い描くことができず
- 自分には将来があるのだろうか
- 寿命が短くなったのではないか
と、感じることもあります。
性被害や虐待、DVなどのPTSDは、自分を責めがち
自然災害の場合は、多くの人も災害に遭い、周囲からの援助もあり理解が得られやすいものもあります。
しかし、性被害や虐待、DVなどは、、、
- 被害自体人に知られたくない
- 知られることが恥ずかしい
- 自分に落ち度があったのではないか
など、自分を責めてしまいがちです。
また、、、
- 心ない人たちからからかわれたり
- 家族や親などから逆に責められたり
こういうことで、「否定的な認知」におよぶことがあり、、、
- ますます自信をなくし
- 自分には何もできないとか
- 誰にも理解してもらえないとか
- どこに行ってもいつまた被害にあうかも知れないとか
などといった考えになりがちです。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療法は
自然の回復を促すPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療
PTSDは、こころの状態を自然に回復できるように促すことが大切です。
そのためには、、、
トラウマに焦点を当てた認知行動療法が十分な効果があります
※持続エクスポージャー療法(prolonged exposure therapy;PE)は、米国学術会議の報告書で「薬物を含めたあらゆる治療法の中で唯一、十分な効果がある」と認められました。
以下、、、
厚生労働省:みんなのメンタルヘルスより抜粋
PTSD(心的外傷後ストレス障害)非薬物療法
持続エクスポージャー療法は、安全な治療の中でトラウマへの記憶を思い出させ、トラウマの恐怖に慣れるとともに、思い出しても危険はないことや、言葉にすることによってトラウマを乗り越えられることを学習する治療法です。
日本でも専門家による治療研究が進められており、米国とほぼ同じく、70~80%程度の回復がみられています。治療者の訓練、指導が難しいことと、時間と労力を要するために実施できる施設が限られているという困難はありますが、少しずつ広まってきている治療法です。
この治療の副作用は、一時的にせよ、トラウマを思い出すことによって不安が強まり、症状が悪化する場合があることです。しかし、一人きりでトラウマを思い出して不安になっていた場合とは違い、治療の中で生じた不安は、それを乗り越えていくための手がかりになることが多いのです。
患者さんの不安を治療の手がかりにするためには治療者の熟練が必要となりますので、講習会や、その後の指導を受けた治療者が行うべき治療法です。
一般的なカウンセリングでも治る場合があります。トラウマというデリケートな問題を扱う場合、特定の治療法よりは、治療者の能力や、相性に左右される部分が多いと思われます。したがって患者さんは、特殊な技法を求めるよりもまず、自分の話をよく聞いてくれる、信頼のできる医師やカウンセラーをみつけることが先決です。
なお、犯罪被害の場合には、警察を通じて、犯罪被害者支援センターの紹介などの心理的支援が受けられます。また犯罪被害給付金制度によって、保健医療の費用の補助を受けることもできます。
その他の治療としては、、、
- 考え方やこだわりを見直して別の視点で物事を考えるように導く認知療法
- 眼球を動かしながらトラウマとなった経験を思い出す「眼球運動脱感作療法」
- PTSDの人が数名で自分の悩みを語るグループ療法
など、様々な方法があります。
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:みんなのメンタルヘルス:PTSDとは害
- 厚生労働省:みんなのメンタルヘルス:PTSD
- NewsSee:PTSDの芸能人/有名人27人~恐怖体験やトラウマで心に傷【2020最新版】
- 杉浦こころのクリニック:PTSD(心的外傷後ストレス障害)
また、次回。