お酒の好きな女性は糖尿病のリスクが58%低下する【ただし適量】

糖尿病

糖尿病の予備軍といわれたので、もう甘いものもお酒もダメなんだ。何の楽しみもない。

と、いう方へ

血糖値をコントロールしながらならば、
甘いものもお酒も大丈夫です。
とくに適量のお酒は、糖尿病のリスクを下げます。



今回は、糖尿病の予備軍とお酒の話です。

■もくじ

  1. お酒の好きな女性は糖尿病のリスクが58%も低下する
  2. アルコールの摂り過ぎは、糖尿病の予備軍には逆効果

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

お酒の好きな女性は糖尿病のリスクが58%も低下する

適量(純アルコール20g)を飲めば、糖尿病リスクが男性で43%、女性で58%低下する

まず最初にこの記事は、糖尿病の予備軍のための記事です。
すでに糖尿病を発症している人は参考にしないでください。理由としては、すでに糖尿病に罹患している方は、主治医の指示に従うべきだからです。

たとえば、、、

少量のアルコールを飲む習慣がある糖尿病罹患者は、神経障害や網膜症、腎症などの生命をおびやかす慢性合併症を引き起こす可能性があるからです。ですから、糖尿病罹患者は、主治医の指示に従ってください。

週に3〜4回飲酒する人は、飲酒しない人よりも2型糖尿病のリスクが低い

デンマークの研究者グループは、2007〜2008年のデンマーク健康調査に参加した成人男女7万6,484人を対象にして、飲酒の習慣や健康の状態を調査しました。そしてその後2012年まで追跡調査をして糖尿病の発症の関連性を調べてみたところ、、、

  • 追跡期間中に糖尿病の【2型糖尿】を発症したのが、
    男性:859人
    女性:887人

この結果を解析したら、男女ともアルコール摂取量と糖尿病のリスクには、[U字型]の関係がみられました。

南デンマーク大学国立公衆衛生研究所のヤネ トルストロプ教授らの研究

アルコール摂取量と糖尿病のリスクの[U字型]とは

お酒を飲むことでの健康被害について、病気を発症するパターンがあります。

飲酒量と健康のリスク
構成労働量:飲酒量と健康のリスク
  1. 正比例:高血圧、脳出血、高脂血症(中性脂肪)など
  2. J字型:肝硬変、飲酒量の低いうちはリスクの上昇がほとんどなく、飲酒量が多くなると急激にリスクが高まる
  3. U字型:虚血性心疾患、脳梗塞、2型糖尿病など。非飲酒者に比べて少量飲酒者のリスクがむしろ低く、さらに飲酒量が増えれば今度はリスクが非飲酒者のそれより高くなる

2型糖尿病リスクは、週に純アルコール換算で108g飲んでいる女性は、58%低下した

お酒をまったく飲む習慣のない人と比べて、お酒を飲む習慣のある人の糖尿病(2型糖尿病)のリスクは、低下するようです。

 純アルコール換算割合
男性168g43%
女性108g58%
厚生労働省は、1日のアルコール摂取量は20g程度が適切としています
純アルコール20gの量
お酒の種類(アルコール度数)酒の量だいたいの目安
ビール・発泡酒(5%)500ml中瓶・ロング缶1本
酎ハイ(7%)380mlコップ1杯または350ml缶1本
焼酎(25%)100mlコップ1杯または350ml缶1本
日本酒(15%)160ml1合
ウヰスキー・ジンなど(40%)60mlシングル2杯
ワイン(12%)200mlワイングラス2杯弱

(中見出し)
ワインならグラス2杯ぐらいが糖尿病のリスクを下げる

U字型の結果を見ると、アルコールを飲み過ぎなければ、糖尿病のリスクは下がることが分かりました。

お酒を飲む習慣が[週に1日未満]の人と比べて[週に3〜4日]の人では2型糖尿病のリスクが、低下しています。

割合は、、、

[週に3〜4日]お酒を飲む習慣
男性27%低下
女性32%低下

赤ワインは血糖値の管理に役立つ

糖尿病の予備軍のアルコールはどれでも良いというわけでないようです。

なかでも、、、

ワインが糖尿病の低減効果がリスクが一番高かった

また、ビールに関しては、女性では有益性は認められなかったですが、、、

  • 男性では、1週間に1〜6杯飲む人は、1杯未満の人と比べて21%も2型糖尿病のリスクが低かった

この飲酒による2型糖尿病の有益性は、ワインとビールに限られています。

ウイスキーやブランデーなどの蒸留酒については、、、

  • 男性では飲酒による糖尿病のリスクの低減効果は認められず
  • 女性では、逆にリスクが著しく高まった

アルコールの適量を守ることが糖尿病リスク低下の条件

当然といえば、当然ですが、、、

お酒の飲み過ぎは、肥満、心臓病、肝臓病、そして癌などの深刻な原因にもなります

U字型の結果が示すとおり、飲みすぎると急激なリスクが高まりますから、お酒の量はほどほどがよろしいようです。

さらに、オックスフォード大学とロンドン大学の研究では、以下のように示しました。

お酒を適度に飲む人であっても、長年飲みつづけていると【能の海馬の萎縮リスクが上昇】して認知機能に悪影響をおよぼす

アルコールの摂り過ぎは、糖尿病の予備軍には逆効果

アルコールの摂り過ぎは、糖尿病に悪影響を与える

日本人と欧米人のアルコールに対する許容も違うので一概にいえませんが、イギリスの医療サービス(NHS)のガイドラインでは、、、

  • 1週間のアルコール摂取量は、男女とも112g以下
  • 休館日を作ること

と、しています。

アルコール摂取量、112g以下といえば、、、

  • ビールなら2.8リットル(350ml缶なら8本)
  • ワインなら少グラスで11杯














以下は、厚生労働省のホームページから、、、

アルコールと糖尿病

アルコールはアルコールそのもの作用やアルコールの代謝に伴って血糖値に影響を与えます。適度な飲酒は糖尿病の発病に抑制的に働く可能性が推定されています。

しかし多量飲酒は発病の危険性を高め、特に肝障害や膵障害が加わるとコントロールが難しい糖尿病になるため、糖尿病患者さんは多量飲酒は避けるべきです。

血糖コントロールが良好で合併症がない場合は、酒肴(つまみ)や飲酒量に注意した適度の飲酒であれば良いと考えられています。

原因は明らかではありませんが、適度な飲酒は糖尿病の発症を抑制し、多量飲酒は発症を促進する可能性が、20の大規模なコホート研究のメタ解析で報告されています。

血中に含まれるブドウ糖が空腹時126mg/dl以上、もしくは75gOGTT2時間値200mg/dl以上、もしくは随時血糖値200mg/dl以上が2回以上確認されるか、または1回だけの確認に加えて口渇・多飲・多尿・体重減少などの存在があるか、血液検査でHbA1cが6.5%以上もしくは糖尿病網膜症が存在すると糖尿病と診断されます。

血糖コントロール不良が続くと眼や末梢神経・腎臓などに障害を起こし、脳血管障害・虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患も引き起こします。

通常身体に取り込まれた糖質は、ブドウ糖に分解されて吸収され肝臓に運ばれます。そして血液を介して全身に運ばれてエネルギー源となり、余ったブドウ糖は再び肝臓に運ばれてグリコーゲンとして肝臓に貯蔵されます。

この糖代謝に重要な役割を担うのが膵臓から分泌されるインスリンです。インスリン分泌が不足すると、ブドウ糖がエネルギー源として利用したり肝臓に貯蔵しにくくなり、血液内にブドウ糖が基準値以上の高濃度で流れることになります。このような状態が糖尿病予備軍の耐糖能異常や糖尿病です。

厚生労働省:e-ヘルスネット > アルコールと糖尿病





以上。

糖尿病フットケア:まるわかりガイド












また、次回。

Thank you very much for providing photos and illustrations.