ちゃんとカロリー計算しているんだけど、思うように痩せないのは、なぜ?ワケわからない。
と、いう方へ。
ダイエットしてもその努力が報われないのは、カロリーが原因では無く、現代人の食習慣が悪いようです。
詳しく解説します。
今回は、カロリー制限ではなく食習慣が大切という話です。
■もくじ
- カロリー制限ではなく、その食習慣だから痩せません
- 同じカロリーでも脂質を減らせば賢く痩せられる
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
カロリー制限ではなく、その食習慣だから痩せません
72年前と同じ摂取カロリーなのにメタボが多いのはなぜ?
体重を減らしていくのは、大変です。それも上手に減らすことは、もっと難しい。ダイエットすることは、どの年代の人でも同じ悩みを抱えていると思います。
そこで、今回は『なぜ痩せられないのか?』という問いの核心を突きたいと思います。
まず、最初に結論から書きます。
脂質を摂らなければ、痩せます
人の食生活には、1方向だけではなく、いろいろな問題が複雑に絡み合っているのです。
たとえば、、、
- カロリーを減らすことも大切
- 食生活を変えることも大切
- 食習慣を変えることはもっと大切
- 白い生成された炭水化物を摂ってはいけない、茶色の主食にかえる など。
答えはいろいろとありますが、現代社会で生きている私たち日本人にとって、『痩せる』という1点につき、結論づけるなら、[脂質を摂らなければ、痩せます]となります。
そして、日本人には日本人の特質を考慮すべきです。
日本人の特質とは、肉食や乳製品が身体にあわないということ。牛乳や乳製品を摂らずに、脂質を抑えたほうがよいのです。
それは、なぜなのかを見ていきましょう。
72年前の摂取カロリーと同じなのにメタボが多い現代社会
いろんな統計があるので、どれに焦点を当てて良いのかわかりませんが、厚生労働省がまとめたデータをみると、、、
Protein:蛋白(P)、Fat:脂質(F)、Carbohydrate:炭水化物(C)
- 1946年の摂取カロリー1903kcal
- 2005年の摂取カロリー1904kcal
には、ほとんど差がありません。
1946年といえば、太平洋戦争が終わり日本が戦争に負けた翌年です。テレビドラマなどでよく見るように、食糧難の時代でした。一方2005年は、いわゆる飽食の時代でものが余っている状態で、メタボリックシンドロームとう言葉が定着した時代です。
太平洋戦争直後の脂質の割合は、たったの7%
このグラフを見てわかるのは、敗戦直後の食糧事情は、炭水化物が80.6%なのに対して、脂質の割合は、7%しかありません。
抜粋して比較すると良くわかります。
年 度 | タンパク | 脂 質 | 炭水化物 |
1946年 | 12.4% | 7.0% | 80.6% |
1985年 | 15.1% | 24.5% | 60.4% |
2005年 | 14.7% | 24.9% | 60.4% |
1985年から、タンパク質、脂質と炭水化物の摂取量はほぼ横ばいです。1985年といえば、高度経済成長が終わった頃になります。それから、変化がありません。
72年前よりもふくれ上がった脂質の量
同じカロリーなのに、痩せとデブが【60年間に何があったのか】
下のグラフも国民健康・栄養調査結果の抜粋されたものです。
2019年の脂質摂取量は、【30%】になっていますので、2005年から約5%も増加していることがわかります。
近年、痩せるためにといって【炭水化物ダイエット】が流行っていますが、、、
- 1946年当時、80%以上も摂っていた日本人には、メタボはほぼいません
炭水化物がメタボリックシンドロームの犯人ではないことが判ります。
厚生労働省のデータからわかるのは、明らかに脂質(Fat)の摂取量の増加です。
なぜなら、、、
- 脂質は、72年前ふくれ上がり、炭水化物は30%近くも低下
しているからです。
脂を過剰に摂っている時代といえます
太平洋戦争後、急激に食習慣が欧米化に
なぜもこんなに脂質を摂るようになったかといえば、単純に食文化が欧米化してきたからです。
下のグラフは、厚生労働省の国民健康・栄養調査を参照にダイヤモンド・オンラインさんが作成したグラフです。
このグラフを見てわかることは、敗戦後から急激に摂取カロリーが、1850kcalあたりからわずか5年で2100kcalを超えます。この上昇傾向は、1960年代の岩戸景気から、東京オリンピックを経て、1970年代半ばまで続いています。
その後は、緩やかな減少傾向になっています。
そして、現在では、敗戦直後の摂取カロリーとほぼ同じになったのです。それでメタボが多いのですから、その原因には、食習慣と食文化の変化にあります。
この食文化の変化に関しては、【乳ガンと牛乳】の記事でも紹介しています。
日本人の食生活が、牛乳やパンなどを中心とした欧米化が進んでからは、乳ガンや大腸ガン、前立腺ガンや糖尿病が増えてきています。
ちょうど、上記に示したグラフの脂質の割合が増えるのと同様に変化しているのです。
驚くべきことは、2000年の3万7389人と2010年の7万6041人を比べると3万8652人増加。
これは、、、
2000年〜2010年のこの10年で2倍に増えています
- 2000年の乳ガンの患者数は、3万7389人
- 2010年の乳ガンの患者数は、7万6041人
- 2019年の乳ガンの患者数は、9万2200人
2000年〜2010年のこの10年で2倍に増えています
じつは、太平洋戦争の終結の翌年と比べて1995年の乳・乳製品の摂取量は、、、
1995年の摂取量は1946年の実に47倍
日本人の栄養・健康状態の変遷
下の表は、厚生労働省の「日本人の栄養・健康状態の変遷について」改変したものです。
1950年と2010年を見比べると、タンパク質はほとんど変わっておらず、主食の炭水化物が61.7%ほど減っています。
驚くのは、脂質です。
1950年には、18gだったのが、2010年には、54gに増えています。
60年で3倍
摂取カロリーは、1950年が、2098kcalで、2010年が、1849kcalですから、60年前より下がっているにもかかわらず、、、
60年後の私たちには、メタボが多いのです
生活習慣からくるメタボは、さまざまな疾病を発症させます。
同じカロリーでも脂質を減らせば賢く痩せられる
低カロリーではなく、食べ物の質を大切に
太平洋戦争が終わって(1945年)から2020年まで75年。ずいぶん長い年月が過ぎました。4分の3世紀。
日本人の食事にとって変わったのは、脂質の量だということが分かりました。
その原因は、食習慣の欧米化です。乳ガンの記事でも紹介しましたが、乳ガンや糖尿病はデータでみるかぎり欧米文化の風土病だと思われていましたが、日本に食の欧米化がやってくるにつれて、日本人の乳ガンと糖尿病、前立腺ガンや高血圧といったいわゆる生活習慣病が猛威を振るうようになりました。
明らかに炭水化物で太るのではないことはハッキリしたようです。
食の質が問題でることは明らかです。
たとえば、、、
同じカロリーでも脂質はこんなに違う
サラダを例に取ります。(某ファミレス:シーザーサラダ)
- エネルギー:149kcal
- たんぱく質:4.8g
- 脂 質:11.5g
- 炭水化物 :6.2g
エネルギーの算出は、それぞれ違います。
3大栄養素1gあたりのkcal | |
タンパク質 | 4kcal |
炭水化物 | 4kcal |
脂 質 | 9kcal |
- タンパク質:4.8g×4kcal=19.2kcal
- 脂 質:11.5g×9kcal=103.5kcal
- 炭水化物 :6.2g×4kcal=24.8kcal
総エネルギーの割合は、、、
例:19.2kcal÷149kcal×100=12.8%
このように計算していくと、、、
- タンパク質:12.8%
- 脂 質:69.5%
- 炭水化物 :16.7%
「太るのもイヤだから、サラダにしよう」と頼んでも、脂質は【69.5%】でカロリーの約7割になります。以外と、サラダには脂質が多いことが分かります。
さらに、これに加えて、ドレッシング(油:脂)をかけるので、その脂質の量は、かなりの量になっているはずです。
理想的な栄養素のバランスとは、、、
- タンパク質13~20%
- 脂質20~30%
- 炭水化物50~65%
ですから、、、
カロリーだけにとらわれると、とんでもないことになります
爆発的に増えている油の消費量
下のグラフは、砂糖、小麦・シリアル、脂肪の推移です。
世界的にみても油脂の摂取量が急激に増加しているのがわかります。
また、下のグラフは、日本植物油協会の2002年から2017年にかけての植物油の消費量です。
ひと目でわかりますが、倍に増えているのです。
菜種油、サフラワー油、コーン油、綿実油、ごま油、米油、オリーブオイル、サラダ油、キャノーラ油、亜麻仁油、えごま油など
油の危険性に関しては、この記事で詳しく解説しています。
とくに【トランス脂肪酸】の危険性は、ニュースなどでもご覧になっているかと思います。
脂質を摂らない、食事に変えよう
同じカロリーでも脂質が多く、ダイエットしても痩せられないことがわかりました。
脂肪1kgを減らすのは大変なことです。
9kcal × 1000g × 80% = 約7200kcal
目標として、毎日240kcalを消費していくには、脂質を摂らない方が早道です。
約7200kcal ÷ 30 = 240kcal
※ 掲載式の詳細は、この記事を参照してください。
肝臓や筋肉に蓄積されたグリコーゲンや体脂肪などを分解することによってエネルギーを作り出しています。
運動やウォーキングで減らしていくのは、大切なことです。
これに加えて、食べるものをかえるとより効果がでます。
たとえば、、、、
同じカロリーでも[サバ定食」と[ハンバーガーとコーラ]では、考えただけでもどちらが正解かわかります。
みんなで賢くダイエットしましょう。
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:日本人の栄養・健康状態の変遷について
- ダイヤモンド・オンライン: 同じカロリーでもこんな違う!太る食事、痩せる食事
- 日本ローカーボ食研究会:日本人の総カロリー、蛋白、脂質、炭水化物比の60年間の変化
また、次回。
Thank you very much for providing photos and illustrations.
- pakutaso
- irasutoya
- Photo by Ksenia Varapaeva on Unsplash