女性は、男性に比べて1.6倍もうつ病になりやすいと知ってビックリこいた。確かに女の人生は、とかく悩みが多いよね。
と、いう方へ。
一説には、女性のうつ病は、男性に比べて2倍ともいわれます。
確かに女性は、初潮、出産、閉経とたくさん経験するので、大変です。
今回は、女性のうつ病の話です。
■もくじ
- 女性の一生は、うつ病になりやすいことばかり
- 女性のうつ病:思春期
- 女性のうつ病:妊娠・出産・子育て中
- 女性のうつ病:更年期
- 女性のうつ病:高齢者
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
女性の一生は、うつ病になりやすいことばかり
女性のうつ病とは
女性のうつ病は、男性に比べて2倍もあるといわれています。その原因は、まだ解明されていないようです。
しかし、女性は、身体の構造上、不安やイライラなど、落ち込みやすいです。
女性ホルモンの影響を受けて、、、
- 月経前症候群(PMS)
- 月経前不快気分障害(PMDD)
- 出産
- 更年期障害
など、多くの問題を抱えながら生活しています。
さらに、社会進出にともなって、、、
- 人間関係
- 会社組織との関係
- 近所づきあい
などのコミュニケーションによるストレスを感じる機会が増えています。
また、、、
女性が社会的に担う役割も増えました
このようなことが絡み合って、その原因も複雑になっています。
そして、、、
女性の晩婚化が進んで、生涯の生理の回数は【300回以上増えている】
と、いわれています。
女性のうつ病だけでなく、さまざまな婦人科の疾患も増加しています。
女性のうつ病:思春期
思春期は、女性らしい身体に変化する時期です。
女性ホルモン(エストロゲン)の変化
思春期は、情緒が不安定になりやすい年代です。
初潮とともにエストロゲンとよばれる女性ホルモンの分泌量が急激に増加します
まだ卵巣は、ホルモンを分泌するには未成熟なので、ホルモンバランスを崩しやすいことが女性の思春期におけるうつ病の一因と考えられています。
思春期における女性のうつ病は、激しい感情が乱高下する
思春期の女性のうつ病は、単に気分が落ち込んだり、意欲が低下するなどの症状だけではなく、他の時期には見られないこの時期特有の症状が出ます。
たとえば、、、
- 怒りっぽくなったり
- 反抗的になったり
- 暴力的になったり
- 自傷行為に走ったり
これが、、、
- 不登校の原因にもなったり
- 引きこもりになったり
など、注意が必要な時期です。
月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)
成長するにともない女性ホルモンの影響がでます。
月経前症候群(PMS)は、月経が始まると次第に治まるものです。
月経前症候群(PMS) | |
身体症状 | 月経の10日~数日前から腰痛や腹痛、乳房痛、むくみ、便秘、下痢、吐き気など |
精神症状 | うつ状態、イライラ感、不安感、過眠など |
日常生活には大きな支障をきたすことがないので、病気とはいえません。
が、、、
月経前不快気分障害(PMDD)は、病気とされています。
これは、、、
月経前不快気分障害(PMDD) |
1年以上、月経周期ごとに強い精神症状が起きて仕事や生活に影響がある場合 |
10代~20代に発症することが多く、月経前症候群(PMS)と同様の身体症状が現れ、社会生活に支障をきたすほどの強い精神症状が特徴 |
閉経すると起こらなくなるので、性ホルモンの異常が関連している可能性がある 2013年5月に発表されたアメリカ精神医学会の「精神疾患の分類と診断の手引 改訂第5版」(DSM-5)では、PMDDは「うつ病性障害」(depressive disorders)に含まれています。 |
女性のうつ病:妊娠・出産・子育て中
妊娠、出産は、女性にとって大きな出来事です。身体の変化、環境の変化が大きいので、精神的にも不安定になりがちです。
妊娠中から出産後(産褥後)にかけて約2割がうつ病を発症するといわれています
妊娠したはじめの頃に多くみられる女性のうつ病は、心理社会的要因が関わっています。
- 社会的なサポートが不十分である
- 予期せぬ妊娠
- パートナーとの関係性など
妊娠初期のうつ病は、産後のうつ病の危険因子に
妊娠期のうつ病の有病率は、6.5~12.9%*
*Gavin, N.I. et al. : Obstet Gynecol. 106, 1071-1083, 2005
と、いわれています。
これから大事な出産を控えているのですから、心当たりがないかチェックしてみましょう。
自分でチェックしましょう | |
□ | 毎日の生活に充実感がない |
□ | これまで楽しんでやれていたことが、楽しめなくなった |
□ | 以前は楽にできたことが、今ではおっくうに感じられる |
□ | 自分が役に立つ人間だと思えない |
□ | わけもなく疲れたような感じがする |
マタニティ・ブルー
マタニティ・ブルーとは、出産後にホルモンのバランスが崩れておこるうつの症状です。以下の症状が複数あらわれます。
- 理由もなく気分が落ち込む
- 漠然とした不安感
- 急に涙が出たり泣き出したりしてしまう
- ささいなことでイライラする
- 小さなことでも怒ってしまう
- 倦怠感がある
- すぐに疲れてしまう
- なかなか寝付けない
- 眠りが浅くなった
- 出産や育児に自信がもてない
- 出産や育児が不安でたまらない
- 食欲が出ない
マタニティ・ブルーは、普通の場合、3週間以内で治まります。
マタニティ・ブルーとうつ病の違い
マタニティ・ブルーは、次第に2〜3週間程度で治まるのですが、出産後(産褥後)のうつ病は、これ以上続いてしまう場合を指します。
出産後、3週間以上続くうつ状態は、[産後うつ]といいます
因みに、出産前なら[産前うつ]とよばれます。
この[産後うつ]は、マタニティ・ブルーが重かったり、以前にこころの病気を経験していたりするとそのままうつ病に移行してしまうこともあり、入院が必要になるケースも多いです。
[産後うつ]は、出産後3~6カ月以内に10~20%のお母さんに発症します
[産後うつ]は、ホルモンバランスの大変動が原因
妊娠中は、生物学的要因として、エストロゲンやプロゲステロンというホルモンが増加します。
そして、、、
分娩によって、エストロゲンやプロゲステロンというホルモン量は、急激に低下
このようなホルモンバランスの大変動が、お母さんの身体で起こっているのです。
また、、、
乳汁の分泌を促進するホルモンであるプロラクチンも、出産直後に一旦減少しますが、その後、授乳によって急激に上昇します
このように、産後の性ホルモンの変動がうつ病と関連していると考えられています。
[産後うつ]、心理社会的要因は
出産すると、すぐに女性は「母親」になります。そして「待ったなしの育児」がやってきます。その大きな変化が、心理的に重くのしかかってきます。
- 新たな役割への戸惑いや不安
- 夫やその他の家族との関係
- 経済状況
または、、、
望まれていた出産だったのか?などのストレス
そして、うつ病で一番恐れることは自殺です。以下のようなことが心配されます。
- 子どもへの虐待
- 子どもを道連れにした母子心中
このような極限の状態にならないためにも、早期発見と早期治療の開始が必要です。
とくに注意すべきなのは、過去にうつ病になったことがある場合、、、
産後うつ病になったことがあると、発症リスクが高ます
こういった場合は、、、
産婦人科の主治医にもそのことを伝えることが大切です
女性のうつ病:更年期
女性には、大きな4つのステージがあります。
- 思春期
- 性成熟期
- 更年期
- 高齢期
更年期とは、一般的に45〜55歳頃の閉経をはさんだ前後10年間を指します
年齢を重ねるごとに卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することでホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調があらわれます。
そして、、、
更年期は、エストロゲンの減少だけでなく、仕事や家庭環境など(心理的な要因)も複雑に関与し、個人差が激しく、全身のあらゆる箇所にあらわれるのが特徴です
更年期の障害としては、、、
- ほてりやのぼせ
- めまいや動悸
- トイレが近い
- 手足の冷え など
また、、、
しびれ、頭痛、肩こり、腰痛、倦怠感、耳鳴り、目のかすみ、息切れ、食欲不振、腹痛
などの身体的な症状がおこり、
精神的にも、、、
不眠、イライラ感、不安、気分の落ち込み、意欲・集中力の低下
などが、あらわれます。
更年期の女性を取り巻く環境の変化
45〜55歳頃の女性といえば、、、
- 子どもの結婚や就職、進学
- 子どもの巣立ち
- 夫婦関係
- 親の介護の問題
それは、、、
- 母親としての役目の終焉
これによる、、、
寂しさと喪失感が女性のうつ病へと陥ることがあります
このことは、【空き巣症候群】とよばれています。
そして、、、
- 老後生活の不安
- 心身のバランスの崩れ
このような更年期に起こる女性のうつ病を【更年期うつ病】とよびますが、[更年期障害]と見分けがつかないので、こころの変調を感じたら、気軽に婦人科や精神科に相談することが大切です。
女性のうつ病:高齢者
高齢になると、精神的なダメージが多くなります。
たとえば、、、
- 親しい人たちの死別
- 一人暮らしの孤独感 など
そして、自らの、、、
- 気力や体力の衰え
- 健康への不安
こういったことが重なり、うつ病になるケースが多いのが特徴です。
認知症と間違われる、高齢者のうつ病
高齢者のうつ病は、身体的衰えが顕著なので[うつ病である]ということに気づかないことが多いです。
また、、、
高齢者のうつ病は、認知症と間違われやすく見逃しやすい
という特徴があり、注意が必要です。
高齢の女性のうつ病は、男性に比べて特に多い
高齢者のうつ病は、認知症と並んでよくみられる病気の1つです。
高齢者のうつ病の有病率は、13.5%といわれています
そして、、、
高齢の女性のうつ病は、30歳代~70歳代まで高い水準になっています
このグラフで分かるのは、女性のうつ病は、30歳代から96%と高く、40歳代でピークを迎えます。
男性が、40歳代をピークに低下するのに比べ、高齢の女性のうつ病は、70歳代まで下がらず、50年も90%台という高い数値になっています
それは、、、
若い世代のうつ病と比べてさまざまな喪失体験がきっかけとなりやすいことが知られています
- 老化による身体・知的機能の低下
- 配偶者や知人・友人との死別
- 定年退職による社会的役割の喪失 など
高齢者のうつ病は、年だからしょうがないでは済まされません
高齢者のうつ病では、「年だからしょうがない」と考えて受診せずに放っておいてはいけません。
高齢者は、主治医に対して、ついつい身体の痛みや不調などの身体症状を訴えて、こころの問題を話しません。
だから、、、
気がつかないうちに、高齢者のうつ病は、重症化してしまうことがあります
このことは、、、
高齢者は身体疾患を合併している場合が多く、それらの背景にうつ病が隠れてしまいやすいのです
こういったケースは、高齢者のうつ病の特徴といえますが、家族やまわりの人、そして自分自身も注意を払うことが大切です。
以上。
また、次回。
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- pakutaso
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