素直な疑問|中性脂肪(TG)が高い低いには、どんな問題があるのか

トリグリセライド(中性脂肪)

健診で、「中性脂肪を下げましょう」といわれましたが、そんなに太っているわけじゃないんだけど。と、思ったけど。確かにお腹はブヨブヨだわ。

と、いう方へ。

その中性脂肪は下げた方がよいですね。
かくれ肥満かもしれません。
くり返すダイエットのせいで
太ったり痩せたりをくり返すと
かくれ肥満になるのです。
体にかなりの負担があって、
将来病気になるリスクが高いですよ。




今回は、「中性脂肪が高い低いには、どんな問題があるのか」の話です。

■もくじ

  1. 中性脂肪(TG)が高い低いには、どんな問題があるのか
  2. 中性脂肪(TG)をコントロールしよう

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

中性脂肪(TG)が高い低いには、どんな問題があるのか

中性脂肪(TG)が高い低いには、どんな問題があるのか

おさらい。「いったい中性脂肪(TG)」って何だろう?



こんにちは。コータローです。

先日、こんなツイートをしました。

トリグリセライド(中性脂肪)の値が低すぎるのも問題です。
中性脂肪の値が低すぎると疲れやすくなるからです。
理由としては、中性脂肪は、【私たちのエネルギーの源】であり、体温を一定に保つ役割や内臓などを守っているからです。
さらに中性脂肪の値が、極端に低いと生命維持が危うくなります。



健康診断で、中性脂肪(TG)が高いといわれた・・・

まず、、、

中性脂肪(TG)とは、『私たち人間が活動するための重要なエネルギー源』です。

中性脂肪(TG)とは
食事で摂った脂肪や糖質などの栄養素は、血液中に入っていき、これらを素材として肝臓で『中性脂肪』が合成されます。中性脂肪(TG)は、血流に乗って体全身に運ばれて大切なエネルギー源となるのです。

ですから、、、

むやみに「中性脂肪」と聞いて悪者にするのは間違いです。

ただ問題なのは、、、

エネルギーとして使われなかった中性脂肪は、血液中に皮下脂肪として蓄積されてしまうのです。
これが、肥満やメタボリックシンドロームなどの原因になるのです。



世の中に流れている広告やテレビコマーシャルなどでは、

「中性脂肪が気になる方へ」

とか

「悪玉コレステロールを減らしましょう」

などと、謳っています。

しかし、今、説明したように、中性脂肪は、大切なエネルギー源なので悪者ではないのです。


中性脂肪(TG)を詳しく説明します

中性脂肪(TG)は、英語では「トリグリセライド(Triglyceride)」もしくは「トリグリセリド」といわれています。一般的には、中性脂肪(TG)とか、TAGなどと略号を使います。

中性脂肪(TG)には2通りある

中性脂肪(TG)には2通りあって、

  • 1つ目は、食事によって取り込まれたら、腸で吸収されて血液中に取り入れられた「外因性トリグリセライド」
  • 2つ目は、肝臓に取り込まれた脂肪が、また再び血液中に分泌される「内因性トリグリセライド」

血液中には、中性脂肪(TG)のほかに3つの脂肪が存在します。

それは、、、

「コレステロール」「リン脂質」「遊離脂肪酸」


この3つの中で、よく耳にする「コレステロール」と中性脂肪が、心筋梗塞や脳梗塞などの「動脈硬化」の原因になっていきます。

中性脂肪(TG)は、重要なエネルギー源
中性脂肪(TG)は、重要なエネルギー源


中性脂肪(TG)は、重要なエネルギー源と書きましたが、
中性脂肪(TG)がブドウ糖に利用されるからです。

それは、ブドウ糖を中性脂肪(TG)が補う形で利用されています。

中性脂肪(TG)が高いとどうなるの?

中性脂肪(TG)は、重要なエネルギー源ですが、、、

  • 肝臓で、中性脂肪(TG)が増えすぎると【脂肪肝】
  • 皮下組織で、中性脂肪(TG)が増えすぎると【肥満】

になります。

さらに、、、

血液中の中性脂肪(TG)が多く状態が続くと【動脈硬化】になりやすい。

血液中の中性脂肪(TG)が多く状態が続くと【動脈硬化】になりやすい
血液中の中性脂肪(TG)が多く状態が続くと【動脈硬化】になりやすい



また、、、

血液中の中性脂肪(TG)が多く状態が続くと、さまざまな疾病が襲ってきます。「脂質異常症」「糖尿病」「ネフローゼ症候群」「膵炎」「甲状腺機能低下症」など。

血液中の中性脂肪(TG)が多く状態が続くと、さまざまな疾病が襲ってきます
血液中の中性脂肪(TG)が多く状態が続くと、さまざまな疾病が襲ってきます



けっして中性脂肪(TG)値が高いからといって肥満ではない

中性脂肪(TG)値が高いと「肥満」だと思っていませんか?

決してそんなことはありません。

たとえば、、、

「結構痩せている方なのに中性脂肪(TG)値が高い」と、
言われた人は、体質かもしれません。
こういうタイプの人は、
「食事で摂った脂肪が血液中に溜まりやすい」ことが多いです。

これはいわゆる、、、

『血液がドロドロ』の状態です。

『血液がドロドロ』がドロドロということは、血流がよくないということなので、毛細血管の体の隅々まで新鮮な酸素や栄養を運べない状況にあると言うことになります。



すると、、、

中性脂肪(TG)値が高いおかげで、栄養は行き足らず、老廃物は溜まってしまい、お肌はくすんできて、健康的ではなくなります。

さらに、、、

ストレスなどが追い打ちをかけて、中性脂肪(TG)値を引き上げるのです。

ストレスなどが追い打ちをかけて、中性脂肪(TG)値を引き上げるのです。
ストレスなどが追い打ちをかけて、中性脂肪(TG)値を引き上げるのです。


中性脂肪(TG)が低いとどうなるの?

中性脂肪(TG)は、重要なエネルギー源なので、中性脂肪(TG)が低いということは、身体にエネルギーがないということです。いわゆる車でいうと「ガス欠」です。


すると、、、

中性脂肪(TG)が低いと「疲れやすい」「寝ても休まらない」「休日を取っても元気にならない」などの症状が起こります。

中性脂肪(TG)が低いと「疲れやすい」
中性脂肪(TG)が低いと「疲れやすい」



中性脂肪(TG)が低いと「冷え性」や「低体温」を引き起こす

重要なエネルギー源がない。中性脂肪(TG)が低いということは、熱が出ないということなので『低体温を引き起こす』ことになります。


また、、、

体の末端が冷える「冷え性」が起こります。

すると、、、

中性脂肪(TG)が低いことが原因で[免疫力の低下][抜け毛][肌荒れ]などの不調が起こってきます。

どうして中性脂肪(TG)の低下が起こるのか

考えられる中性脂肪(TG)の低下は、、、

  • 極端なダイエット食事制限ダイエット
  • やり過ぎな運動やスポーツ
  • 何らかの病気が関係している
  • 個性的な遺伝や体質かも

この、、、

『何らかの病気が関係している』は、注意が必要です。

たとえば、肝機能に問題があるときには、中性脂肪(TG)を合成したり、貯蔵できなくなっているために中性脂肪(TG)値が下がります。

肝機能に問題があるときには、中性脂肪(TG)を合成したり、貯蔵できなくなっている
肝機能に問題があるときには、中性脂肪(TG)を合成したり、貯蔵できなくなっている


また、、、

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の場合は、とても新陳代謝が活発になるために、中性脂肪(TG)の消費が激しく、中性脂肪(TG)値が下がります。



遺伝や体質が原因で、中性脂肪(TG)値が低い人は、意識して脂質をたくさん摂るようにしましょう。

中性脂肪(TG)値が低い人は、意識して脂質をたくさん摂るように
中性脂肪(TG)値が低い人は、意識して脂質をたくさん摂るように


では、中性脂肪(TG)値は、どれくらいの値がよいのか

調べてみました。

脂質異常症と診断される基準は、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版」では、以下の表の通りです。

脂質異常症診断基準
高LDLコレステロール血症140mg/dl以上
高トリグリセライド(中性脂肪)血症150mg/dl以上
低HDLコレステロール血症40mg/dl未満
境界域高LDLコレステロール血症120~139mg/dl

健康長寿ネット:脂質異常症と認知症予防より


また、

中性脂肪の基準値は、空腹時30~149mg/dlとされています。中性脂肪値が150mg/dl以上の場合、さまざまな病気が疑われるようになります。日本動脈硬化学会による脂質脂肪症の診断基準のひとつにも、150mg/dl以上という中性脂肪値が挙げられています。

健康年齢:中性脂肪の役割と基準値は?より

 





 





中性脂肪(TG)をコントロールしよう

中性脂肪(TG)をコントロールしよう

食事と運動による中性脂肪(TG)コントロール

中性脂肪(TG)をセルフケアでコントロールするには、食事と運動が必要です。

食事による中性脂肪(TG)コントロール

食事による中性脂肪(TG)コントロールは
炭水化物と糖分を摂り過ぎないことが大切です。

中性脂肪(TG)値を上げ下げするのは、『脂肪分の摂り過ぎ』だけではなく、じつは『炭水化物の摂り過ぎ』のほうが問題です。

『脂肪分の摂り過ぎ』だけではなく、じつは『炭水化物の摂り過ぎ』のほうが問題
『脂肪分の摂り過ぎ』だけではなく、じつは『炭水化物の摂り過ぎ』のほうが問題


と、いうのは、、、

炭水化物は、体の中で最終的にはブドウ糖になります。ブドウ糖は、エネルギー源として使われ、使われず余ってしまったものが中性脂肪(TG)になります。

ですから、、、

中性脂肪(TG)をコントロールするためには、『炭水化物の摂り方』が重要です。

カロリー調節で中性脂肪(TG)をコントロール

『炭水化物の摂り過ぎ』を改めて、『炭水化物を控えた』としても、『脂質(脂肪分)を摂り過ぎ』たら大変です。脂質(脂肪分)は、1gあたり9kcalもあり炭水化物やタンパク質などの2倍以上のカロリーがあります。

なので、、、

『脂質(脂肪分)を摂り過ぎ』は、太りやすくなるので、中性脂肪(TG)をコントロールには注意が必要です。

さらに、、、

『脂質(脂肪分)を摂り過ぎ』は、インスリンの働きも悪くなるので、悪玉コレステロールがふえて生活習慣病の代表的な『糖尿病』の方などは、注意が必要です。

『脂質(脂肪分)を摂り過ぎ』は、太りやすくなるので、中性脂肪(TG)をコントロールには注意が必要
『脂質(脂肪分)を摂り過ぎ』は、太りやすくなるので、中性脂肪(TG)をコントロールには注意が必要

若年化する「糖尿病」については、この記事で確認してください。

若い年代に増えている虚血性心疾患の原因は、乱れた生活習慣と食習慣

その他の中性脂肪(TG)をコントロールとは

大きな二つの中性脂肪(TG)コントロールを紹介しました。

その他の点に関しては、常識的な範疇のものです。

たとえば、、、

  • お菓子やジュース・アルコールを控えること
  • 揚げものはなるべく食べないようにする
  • 果物を多く摂らない
  • 食物繊維を多く摂るようにする

上記の4つの中でとくに説明したいのは、[果物を多く摂らない][食物繊維を多く摂るようにする]2点です。

というのは、、、

果物は、別名『水菓子』といわれるほど『糖分』を多く含んでいます。中性脂肪(TG)をコントロールためには、野菜を多く摂ることをお勧めしますが、果物は野菜の代わりにはならないので、摂り過ぎに注意してください。

果物は、別名『水菓子』といわれるほど『糖分』を多く含んでいます
果物は、別名『水菓子』といわれるほど『糖分』を多く含んでいます



また、、、

食物繊維のこと
食物繊維は、消化の吸収とスピードを抑えてくれます。すると、食後の血糖や中性脂肪(TG)の上昇を抑えてくれたり、コレステロール値を下げてくれる役目があります。

ですから、[食物繊維を多く摂るようにする]ことは、中性脂肪(TG)コントロールするにはとても適した食材です。


運動による中性脂肪(TG)コントロール

中性脂肪(TG)をコントロールするには、運動することは最適なもものになります。

それは、、、

運動によって体脂肪が燃焼されますし、摂り過ぎた中性脂肪(TG)を減らすこともできます。

また、、、

インスリンの働きを高めて中性脂肪(TG)を下げたり、善玉コレステロールを増やすことができるのも運動です。運動は、中性脂肪(TG)をコントロールするすぐれた方法です。

インスリンの働きを高めて中性脂肪(TG)を下げたり、善玉コレステロールを増やすことができる
インスリンの働きを高めて中性脂肪(TG)を下げたり、善玉コレステロールを増やすことができる

 





以上。

 



















また、次回。