女性の更年期障害とうつの関係【女性ホルモン減少と精神的ストレス】

うつ病と生活習慣病

女性に生まれてからには、更年期障害は逃れられない道。しっかりと勉強しなきゃ、不安で怖いだけど。

と、いう方へ。

更年期障害は、10年ほどで還暦を迎える頃にはなくなります。
が、心的ストレスからうつ病を発症することも。
知っておいた方が、良いことが多いですよ。



今回は、[女性の更年期障害]についての話です。

■もくじ

  1. 女性の更年期障害とうつの関係
  2. 女性の更年期とうつを乗り切るために

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

女性の更年期障害とうつの関係

憂うつな感じは、更年期障害?もしかしてうつ病?

憂うつな感じは、更年期障害?もしかしてうつ病?

女性の更年期は、閉経をはさんで前後の10年間のことをいいます。

それは、、、

卵巣の機能が衰退し始めて、消失する時期

女性の閉経の平均年齢は、だいたい50歳といわれていますので、おおよそ45歳〜55歳あたりを更年期ということになります。でも、閉経には、個人差が大きいので40歳前半で更年期に入る人もいます。

更年期障害は、エストロゲンの分泌が急激に減少することからはじまる

女性は、産まれてから大きな身体の変化をその人生で経験します。

初経、妊娠・出産、そして閉経と大きな分岐点を経験します。

それは、、、

女性の身体の働きを支配している卵巣から分泌される女性ホルモンの働き

とくに、エストロゲン(卵胞ホルモン)の存在です。

  • 更年期障害は、このエストロゲン(卵胞ホルモン)が、急激に減少することによって起こります

エストロゲンは、40歳の頃から低下しはじめ、そして更年期になって急激に減少します。このことは、脳の視床下部にある自律神経の中枢に影響をおよぼして、自律神経失調症を引き起こします。

女性ホルモン:エストロゲンの変化
更年期は、身の回りの変化も大きい

女性の45歳〜55歳あたりといえば、、、

  • 子育てが終わり
  • 母としての役目も終わる
  • 親の介護
  • 老後の心配

など、寂しさと喪失感が女性のうつ病へと陥ることがあります。

このことを、、、

寂しさと喪失感が女性を襲うことを【空き巣症候群】と、よばれます

こころとカラダのバランスが崩れてしまい、この時期に起こるうつ病のことを『更年期うつ病』といいます。この『更年期うつ病』は、更年期障害と見分けがつかないことが多く、、、

少しでも「おかしいな?」と感じたら婦人科や精神科に相談することが大切です。

女性のうつ病に関しては、この記事で詳しく解説しています。

女性は、男性の1.6倍うつ病にかかりやすい【女性の一生は大変だ】

女性のうつ病は、男性に比べて2倍もあるといわれています。その原因は、まだ解明されていないようです。しかし、女性は、身体の構造上、不安やイライラなど、落ち込みやすいです。

更年期のうつ病

更年期のうつ病は、更年期障害と見分けがつかないですが、うつ病を合併していることもあって長期間「うつ病」と分からずに放っておかれる場合もあります。

以下にあげたのは、そんな症例です。

更年期のうつ病の症例

54歳のAさんの場合

閉経が終わって1年後、不眠症になり、あれやこれやの不安が積もり、精神科を受診して抗うつ薬を服用していました。
しかし、不眠症も不安障害も改善せず、ほかの病院で診察を受けたところうつ病を診断されました。
Aさんのうつ病の背景は、幼児体験として父親の暴力、そして同居していた叔母さんが精神分裂病だったことなどがあげられます。
Aさんの心理テストでは、神経症の傾向と情緒不安定な面がでており、何ごとにも過剰に反応して不安を感じており、幼児体験などが複雑にからまっていたようです

49歳のBさんの場合

49歳のBさんは、ちょうど閉経期にあたる頃、不安がつのり、抑うつ反応もあり、疲労感も取れないので専門医に診てもらいました。
Bさんは、過去に胃潰瘍を患い、また、不安神経症も患い心療内科で抗不安剤を服用していた時期もありました。でも、改善には至らなかったようです。
心理社会的背景としては、愛娘が学校で顔にケガを受けたのを契機に、ストレス状態に陥り、喘息の発作がでるようになりました。
さらに、伴侶が16歳年下でBさんへ母親のように依存すること、また、愛娘の育児の不安、そして、Bさん自信への老化の強い恐れからうつ病を発症しました。

46歳のCさんの場合

Cさんは、46歳。閉経後1年経っています。うつの症状は、主にめまい、イライラすること。Cさんの育った背景は、17歳の時に両親が離婚。その後、お母さんは、卵巣がんで死亡。ちょうどその頃に、不安神経症に罹り、対面恐怖もあり外出も困難な状態でした。

以上のように、更年期でうつ病を発症するには、育ってきた背景や病気の経歴(既往歴)、家族構成、家族の関係などが複雑に絡んでいるようです。

 





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女性の更年期とうつを乗り切るために

女性の更年期の上手な過ごし方

女性の更年期障害は、60歳の頃には終わりになります。60歳を超えても症状が治まらない場合もありますが、だいたいがこの年齢の頃に治まるといいます。

更年期は誰でも迎える通過点

人生を長く生きる上で、更年期は避けて通れない通過地点です。この更年期をうまく乗り切るためにもこころの準備をしておきましょう。

以下にあげるイラストは、漢方で使われる呼び方。大きく3つに分けられます。

実証と中間証が同じ数なら、やや実証。虚証と中間証が同じ数の場合は、やや虚証となります。また、実証と虚証が同数であれば、中間証となります。

女性の更年期には、QOL向上を

どの病気予防でも同じことがいえますが、生活習慣の改善が女性の更年期障害を上手に乗り越えられる手段です。

それは、、、

  • バランスのよい食生活
  • 質のよい睡眠
  • 適度な運動

【食事であれば】

更年期には骨粗鬆症を防ぐカルシウム・ビタミンD、血行を良くするビタミンE、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンなどを積極的に取り入れましょう

【質のよい睡眠に関して】

以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

女性に多い慢性不眠症などの睡眠障害は【危ない生活習慣病の予備軍】

入眠困難や中途覚醒・早朝覚醒など不眠症状のある人では、よく睡眠をとっている人と比較して糖尿病になるリスクが1.5~2倍になることが知られています。

眠りのコツに関しては、、、

  • 就寝・起床時間を一定にしてリズムを作る
  • 睡眠時間にこだわらない
  • 陽を浴びること

そして、、、

ストレスをためないことは、快眠につながりますので、読書や喫茶店、カフェなどを利用するのもよいです

また、お風呂もリラックスでき、体温も上昇しますので上質な睡眠を作ります。

さらに、、、

  • 今までできなかったことにチャレンジする
  • 新しい趣味を持つ
  • 軽い運動を習慣づける

そして、、、

新しい生きがいを探すことで更年期を豊かに過ごすことが大切です

 





以上。

 













また、次回。

Thank you very much for providing photos and illustrations.