血圧が高いっていわれたんだけど、高血圧の人はうつ病にもなりやすいってアドバイスもらった。かなり不安・・・
と、いう方へ。
高血圧患者の30%がうつ状態だ
というデータがあります。
また、高血圧の人はうつ病に
なりやすいようですよ。
今回は、「高血圧の人はうつになりやすい」という話です。
■もくじ
- 高血圧だとうつ病になりやすい
- うつをコントロールすれば、血圧は安定する
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
高血圧だとうつ病になりやすい
こころとからだのストレスが、高血圧とうつ病に
生活習慣病といえば、高血圧。と、すぐ思い浮かぶように、高血圧はとても多い病気です。高血圧を放っておくと、心臓病や脳卒中を引き起こすトリガーになります。
そして、、、
高血圧の人は、うつ病にもなりやすいことが分かってきたようです
香川県にある病院の循環器外来を受診した147名のうつ状態を測定した調査では、なんと33.3%の人に【うつ状態】が認められたようです。
※中津高明他: Prog Med 26(2): 527-530, 2006
高血圧がうつ病の原因になるワケは
高血圧の状態というのは、診断基準があって、、、
高血圧の診断基準:収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上
と、いわれています。
この高血圧が、長い期間続くと、、、
血管に大きな負担をかけて、血管が硬くなり劣化するなどして、脳卒中や心臓病などの重篤な病気のリスクを高めます
高血圧治療に使われる降圧薬も原因の一つ
降圧薬という高血圧の治療に使われる薬が、うつ状態を引き起こす副作用があるといわれます。
- 意欲低下
- 不眠
- 倦怠感
- 憂うつ気分
薬の影響で起こる
薬の影響でうつ症状やうつ状態、ひいてはうつ病を生じることがあります。
薬によるうつ症状の出やすさは年齢、性別、体質、薬の種類、投与量、服用期間にもよりますが、早期に適切な対応が必要です。
そこで、うつ症状やうつ状態をきたしやすいとされる薬剤を紹介します。
まず、血圧を下げる薬の「レセルピン」はうつ症状になりやすいことで古くからよく知られています。この薬は脳の中にある「モノアミン」という神経伝達物質を減少させることで降圧効果をもたらしますが、この物質がうつと深くかかわっていると言われています。
その他、α遮断薬、β遮断薬、カルシウム拮抗(きっこう)薬と呼ばれる降圧薬でもうつ症状を引き起こすことがあります。また、肝炎やがんの治療で使われるインターフェロンもうつ症状を引き起こしやすく、インターフェロンの治療を受けた人で0・1~5%程度生じ、5%を超えるという報告もあります。
アレルギーや炎症を抑制する副腎皮質ステロイドによりうつ状態になることもあります。その他、アスピリンなどの解熱鎮痛薬、強心薬、抗ヒスタミン薬、抗がん剤、経口避妊薬、抗パーキンソン薬なども対象です。
薬剤の影響でうつになっている場合、通常は原因薬剤を減量するか、中止すれば比較的短期間に症状が改善します。症状が重かったり、持続する場合は抗うつ薬が必要になります。
→ (大阪市立大大学院医学研究科講師・神経精神医学、橋本博史)
毎日新聞 2008年6月28日 大阪朝刊
不安や緊張のストレスで高血圧、そしてうつ病に
高血圧が要因となって起こる心筋梗塞の発症理由を調べると、ストレスやうつがかかわっていることが明らかになっています。
過剰なストレスが、交感神経を過緊張にさせる
人は、大きなストレスが加わると、脳がストレスをキャッチします。このストレスに対応するために、[交感神経が過緊張]の状態になり、活発になります。
すると、、、
交感神経は、心拍数を上昇させて、末梢の血管を収縮させたりして血圧が上がります
たとえば、こんな特徴を持つ人に心筋梗塞が多いと報告されています。
- ⽬標達成感が少なく常に完全性を切望したり
- いつも認められることを望み
- 多くのことにかかわり時間に追われるように加速度的に思考したりや⾏動する
- 精神的・⾝体的にてきぱきとした行動をする
※厚生労働省:心筋梗塞発症の危険因子:抑うつとストレス
血圧を上昇させる[白衣高血圧]
誰でも、お医者さんの前に座ると緊張します。そして、血圧を測ってみると、自宅で測ったときは普通だったのに、高血圧の数値になっている。これが、[白衣高血圧]といわれるものです。
なぜ、[白衣高血圧]になるかというと、、、
- ただでさえ病院に行くと緊張する
- 病院内に入って、具合の悪い人たちをみて自分もそうなるのではないか
- 病院内で待ち時間が長くてイライラする
- 待合室での他に人の会話を聞いて緊張した
- 医者から重篤な病気をいわれるのではないか
などの、緊張とストレスによって、血圧が上昇します。
お医者さんの白衣から付けられた名前です。
うつをコントロールすれば、血圧は安定する
高血圧でうつ病を併発すると、そうでない人に比べて2.5倍も心不全になる
うつ病になると眠れない状態になりやすいのですが、これは血圧も不安定になっていきます。そうなると高血圧の治療をしても効果が得られにくくなります。
また、、、
高血圧でうつ病を併発している人は、うつ病になっていない人に比べた場合、[2.5倍]も心不全の発症率が高まるといわれています
さらに、、、
- うつ病によって高血圧の治療をしたいという意欲が低下し
- 高血圧治療の薬の服用が疎かになったり
- 食生活が乱れたり
などの高血圧の治療の妨げになります。
以上のように、高血圧とうつ病の関係は深いので、効率よく高血圧を治療するには、うつ病を治療することが大切になります。
うつ状態を軽減するために、ストレスをためない生活とは
ストレスは、うつ病を悪化させる大きな要因になります。ですから、日常生活ではストレスをためないようにすることが大切です。
たとえば、、、
- 朝食をしっかり摂る
- 睡眠時間を十分確保する
- 体重のコントロール
さらに、こころとカラダを休める時間を作る
- 好きな趣味をやって過ごす
- 好きな音楽を聴く
- 銭湯に行ってノンビリ湯船に浸かる
- 緑の下をゆっくり散歩する
そして、食生活や生活習慣も肝心です。
- 塩分を多く摂り過ぎないようにする
- 喫煙をやめる、もしくは控える
- アルコールを過剰摂取しない
- 偏った食生活を見直して、バランスのよい食生活にする
などは、高血圧の改善にもつながってきます。
うつ病予防には、週1時間の運動が気分を明るくする
現代人は、デスクワークが多く、座った時間が長いのが特徴です。この生活スタイルは、、、
うつ病になる発症率を高めています
ですから、、、
生活スタイルを見直して、少しでも運動する時間を取ることが、気分を明るくする秘訣
であると考えます。また、、、
座ったままで運動をしないことは、肥満や体重増加になり、2型糖尿病などの生活習慣病やがんなどを引き起こしやすい
座ったままの生活では、、、
- 血流が悪くなる
- 代謝に障害が起こる
- 体脂肪をエネルギーに変える働きが弱くなる
- 筋肉や骨が弱くなる
などの障害が出てきます。
運動をすると思考は、ポジティブになりやすい
座ったままの仕事では、思考がふさぎがちになります。そこで、少しの時間でもよいので身体を動かすことが大切です。
少しの時間とは、1〜2分で大丈夫
これは、、、
座ったまま過ごすことの多い人は、1日に20分間の運動をするだけで、寿命を延ばし、2型糖尿病などのリスクを低減できる
と、いうデータもあります。
- 運動することは、リフレッシュする効果もあり
- 運動することで、交感神経が活性化され心拍数が上昇します
- 交感神経が優位になれば、意欲的になりポジティブになります
運動することでセロトニンを活性化させ、エンドルフィンの分泌を高めよう
一定のリズムを刻む運動は、脳の情報伝達物質のバランスを整える神経物質の一つである「セロトニン」が活性化されます。
一定のリズムを刻む運動とは、ウォーキングやサイクリングおよびジョギングなど
脳内の「セロトニン」の量が増えると、、、
こころが落ち着いて爽やかな気分になり、集中力が高まります
さらに、、、
不安や抗うつ感などが改善され、元気が出てポジティブな気分になります
そして、、、
運動することは、【エンドルフィン】の分泌も高めます
脳内で働く神経伝達物質の一つであるエンドルフィンは、鎮痛効果や気分の高揚、幸福感などを得られます。
エンドルフィンは、脳内麻薬ともいわれています
ですから、、、
少しの時間でもよいから、リズムのよい運動をすることは、ストレス耐性やうつの予防にも効果があります
ぜひ、今からトライしてみてください。
高血圧の症状だけで、うつ病と気づきにくいので早めに専門医に相談しよう。
高血圧の原因とうつ病を発症させる原因は共通しています。うつ病を併発すると高血圧の治療の妨げになるので、、、
もしやうつ病では?と思ったら早めに専門医に相談することが大切です。高血圧治療をやっていても効果がみられない場合は、心療内科や精神科を受診してみてはいかがでしょう。
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > 心筋梗塞発症の危険因子:抑うつとストレス
- 一般社団法人日本うつ病センター:高血圧とうつ
- うつアカデミー:高血圧の人はうつ病になりやすい!?その理由と対処法、注意すべき生活習慣
また、次回。