健康な身体を目指して、食生活を改善しようと思っていますが、今の野菜にはミネラルが不足していると聞いたんですが、教えてください。
と、いう方へ
そうなんです。
たとえば、
ニンジンだと60年前に比べると、
81%も鉄分が不足しているんです。
今回は、野菜のミネラル不足のお話しです。
■もくじ
- 地球規模で進行している農地のミネラル不足しています
- ミネラルが不足したら、ビタミンやエンザイム(酵素)も働けない
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康飲料水の濃縮ミネラル水を販売して15年ほど。
地球規模で進行している農地のミネラル不足
まず、論より証拠なので、文部科学省が出している「食品標準成分表」をみてください。
野 菜 | 栄養素 | 1951年 | 2010年 | 含有量 |
ピーマン | ビタミンC | 200mg/100g | 76mg/100g | 62%減少 |
ほうれん草 | ビタミンC | 100mg/100g | 35mg/100g | 65%減少 |
トマト | ビタミンC | 80mg/100g | 15mg/100g | 81%減少 |
ニンジン | 鉄分 | 2.1mg/100g | 0.4mg/100g | 81%減少 |
ほうれん草 | 鉄分 | 13.0mg/100g | 2.0mg/100g | 85%減少 |
ダイコン | 鉄分 | 1mg/100g | 0.2mg/100g | 80%減少 |
リンゴ | 鉄分 | 2.0mg/100g | 0mg/100g | 含有量ゼロ |
資料:文部科学省「日本食品標準成分表2010」より
野菜のミネラル不足が激しく進行している
60年前に比べて、、、
- ほうれん草の鉄分が、85%減少
- ダイコンが、80%減少
- リンゴは、なんと!ゼロに!
また、ビタミンCも軒並み減少しています。
- トマトなんて、81%も不足しています
私たちが、食生活を改善しようと思っても、それ以前に食べる野菜にミネラルが不足していたら、いくら食べても栄養を補うことができません。
これは、野菜に限ったことではなくて、果物、牛乳、チーズ、牛肉、鶏肉など、身近な食品の素材そのものからミネラルやビタミンCが不足しています。
農地の土壌からミネラルが不足している原因は、化学肥料
この食物の素材からミネラル不足がおこっている原因は、農地の土壌からミネラルが減少していることにあります。
近代農業は、化学肥料の使用してミネラルを土壌から追い払った
窒素、リン、カリウムという化学肥料を近代農業は、さかんに土壌に投入していきました。そのため、この[窒素、リン、カリウム]は、たくさん土壌にありますが、それ以外のミネラルはすべて減少しています。
それは、、、
60年前より10%から40%減少しいるといわれています
こんな土壌から、育った野菜や果物にはミネラルが減少しているのは当然です。また、牛やブタ、ニワトリなども野菜を食べて大きくなるのでミネラル不足になってしまっています。
消費者や売り手の要望が、さらにミネラル不足に拍車をかけている
この野菜や果物のミネラル不足に拍車をかけているのが、じつは、私たち消費者とスーパーやコンビニなどです。大量生産して、質よりも量や見た目を優先させるからです。
もはや、、、
- 昔のような栄養豊富な野菜や果物は手に入れることはできないのです
ミネラル不足の解決の糸口さえ見えない
世界的におこっている土壌のミネラル不足ですが、世界の各国は何か対策を講じているのかといえば、何もしていないのが現状です。
地球温暖化の対策や環境汚染の対策などは、目に見えるカタチなので努力はしていますが、失われた土壌のミネラルを取り戻す働きは、何もしていません。
もし、できるとしたら、、、
- 世界の農家が、1年〜2年作物を作らずに農地を休ませてあげたら、ある程度のミネラルは戻ってくるかもしれません
しかし、それももとのミネラルの量にはなりません。植物の成長に必要な土壌の深さは地面から2.4メートルまでですが、もとのミネラルの量に戻るには、再び[地球が氷河期]を迎えるしかないようです。
ミネラルが不足するカラクリは、化学肥料を使用すると、バクテリアが死滅するから
土壌の中の有益なバクテリアは、植物が土の中にあるミネラルを吸収するのを助けてくれています。
が、、、
- 化学肥料を使用すると、この有益なバクテリアは死滅してしまいます
さらに、それだけではなくて、[窒素、リン、カリウム]を大量に使うことで、、、
- 植物の根が、栄養素で飽和状態になるためその他のミネラルを吸収できなくなるのです
ミネラルが不足したら、ビタミンやエンザイム(酵素)も働けない
人間は、動植物を食べてミネラル不足を補ってきた
私たち人間は、土から成長した植物を食べることでミネラルを摂取しています。または、ミネラルを摂取していた牛やブタ、ニワトリを食べることで土壌の中にあったミネラルを補給していました。
100年前は当たり前にように豊富だったミネラル
私たちの身体に取りこまれたミネラルは、健康のためにはなくてはならないものなのですが、ミネラルの働きについては、顧みられることがありません。
それは、、、
- 100年前には土壌のミネラルは豊富すぎて注目されなかったのです
ビタミンやエンザイム(酵素)の働きについてはよく健康本などで知られていますが、じつは、、、
- ミネラルが十分になければ、ビタミンもエンザイム(酵素)もうまく作用しないのです
- 私たちの体内で行われている生化学的な反応もミネラルなしではうまく作用しません
そもそも地球上で営まれている生命の活動には、ミネラルが必要不可欠なのです
私たちの身体を構成する元素のたった4%は70種類以上のミネラルで構成されている
この世界を構成する元素が、100種類以上あることはわかっていますが、私たちの身体の96%は、酸素、水素、炭素と窒素の4種類の元素で構成されています。
- 残りの4%は、70種類以上のミネラルで構成されています
ミネラル不足を補うには、1日に野菜を350g食べること
1日に必要なミネラルは、【主要ミネラル】と【微量ミネラル】に分かれています。
主要ミネラルは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、硫黄、ナトリウム、塩素の7種類です。
では、、、
- 微量ミネラルは、ごくわずかで体重の0.01%より少ない量
だと、いわれています。
- 私たちの健康な生活を考えると、体内に存在する70種類以上のミネラルが総合的に作用することが大切です
以下は、厚生労働省のホームページから[抜粋]、、、
野菜、食べていますか?
食事は野菜だけでなく、ごはんや肉・魚など様々な食品を組み合わせて食べる、つまり主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることにより、必要な栄養素をまんべんなく摂ることが必要です。「野菜を350g食べれば、あとは自由に食べて良い」という目標ではなく、野菜と一緒に食べる食品からの栄養素摂取のバランスも加味された目標です。野菜を食べるということは、食生活全般を見直すことにつながるのです。
野菜を多く食べるメリット
野菜は、ビタミンやミネラル・食物繊維を多く含んでいます。多くの研究で、野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が出ています。
野菜に含まれるビタミンは、ごはんなどに含まれる炭水化物が体内でエネルギーに変わる手助けをしてくれます。摂取した栄養素が体内で利用されるためには、ビタミン類(特にB群)を不足なくとることが必要になります。
ミネラルは、身体機能の維持・調整に不可欠で、特に野菜に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウム(食塩)を体外に排泄するのを手助けしてくれ、高血圧の予防にもなります。
しかし腎臓を患っている人はカリウムの排泄が十分にできないことがあり、注意が必要です。また特に色の濃い野菜(カボチャ・水菜など)には、カルシウムも多く含まれています。
野菜は低脂肪、低エネルギーでありながら「かさ」が多いことから、満腹感を与えてくれます。反対にかさが多いと食べにくいということがあるかもしれません。例えばキャベツなど葉物を食べるときは、熱を加える(例えば電子レンジにかける、ゆでるなど)と、かさは小さくなって食べやすくなります。
→ e-ヘルスネット:野菜、食べていますか?
以上。
では、また次回。
Thank you very much for providing photos and illustrations.
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