知れば知るほど怖い【いずれ訪れる合併症】腎不全による透析療法とは

慢性腎臓病

腎臓が悪かった母は、透析療法を行っていましたが、高血圧から慢性心不全の合併症を起こしました。心配です。

と、いう方へ。

透析治療には、いろいろな合併症が起きます。
心不全と感染症が有名です。

透析治療初期には、激しい頭痛も起きます。

命ある限り続けなければならない透析治療。
まわりの家族の助けが大切です。


今回は、腎不全での『透析治療による合併症』の話です。

■もくじ

  1. 透析初期に起こる透析不均衡症候群とは
  2. 長期透析療法でいずれ訪れる心不全などの合併症

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

透析治療では、合併症が心配です。

透析治療では、合併症が心配です。

世界的でも増加の一途をたどる『末期腎不全患者』



こんいちは。コータローです。

僕は先日、こんなツイートをしました。

 

日本の透析患者数は、33万4,505人で世界第3位です。
1位アメリカ49.6万人。2位中国46.5万人。
末期腎不全の患者は世界的に、年に5〜6%ずつ上昇しています。
とくに台湾の有病率は、世界一。二位は、日本。

日本で透析にかかる医療費は、年間1兆6000億円に上ると推計され、総医療費の4%を占めるます。

 

日本は、『末期腎不全』における透析治療では、世界的に多い国だということを知っていますか?

透析の患者数では、33万4,505人で世界第3位です。

さらに、、、

有病率(100万人あたりの患者数)は、台湾に次いで世界第2位。

 

 

私たちの国日本は、いつのまにか【透析大国】になってしまいました!

そして、透析に至った原因の推移を見ると・・・

『糖尿病性腎症』が第1位。慢性糸球体腎炎が、2位。腎硬化症が、3位。

 

世界で一番の長寿国になっている我が国「日本」ですが、【380人に1人】という割合で透析を受けていることになります。

 

腎臓がその役割を終えて、人工透析治療へ

透析治療への移行は、腎臓がその働きをとうとう10%以下になるときに判断されます。

なぜなら、、、

腎臓機能が10%以下になると、自分のカラダを浄化できなくなるからです。
浄化できないと、老廃物がカラダに蓄積されますので、さまざまな変調が体に表れてきます。
倦怠感、食欲低下、悪心、嘔吐、頭痛、そして尿毒症など。

腎臓がその役割を終えて、人工透析治療へ
腎臓がその役割を終えて、人工透析治療へ


また、、、

腎臓の濾過機能が10%以下になると、体液のバランスがとれなくなります。
すると、「心不全」や「肺水腫」を起こしますし、放っておけば即、命が奪われるリスクが高まります。


ですから、、、

冷静に考えて、『生まれもった腎臓の機能が役割を終えた』ということを受け入れて、命をつなぐためにも透析治療で血液を浄化する必要があります。

腎臓の濾過機能が10%以下になると、体液のバランスがとれなくなります
腎臓の濾過機能が10%以下になると、体液のバランスがとれなくなります

 

透析治療をおこなえば、あるていどの普通の生活は営むことができます。
今までどおりというわけにはいきませんし、昔の腎臓が元気だったときのような生活には程遠いかもしれません。

が、現代の医学では、最良の治療方法になります。


透析治療は、1度はじめると生命が続くまで、持続しなければならない治療法です。

今までとは違うので、どうしても合併症が発症する可能性を秘めています。

その透析治療における合併症をみてみましょう。

透析治療における合併症とは

透析治療をおこなうと、どうしても合併症が起きてしまいます。

その透析治療の合併症も大きく分けて、2つです。

短期的合併症:透析初期で、カラダがまだ透析になれていないときに起こる
長期的合併症:透析を長く続けていくことで発症する

 

 





 











透析初期に起こる短期的合併症:透析不均衡症候群とは

透析初期に起こる短期的合併症:透析不均衡症候群とは

透析不均衡症候群は、透析治療初期に発症する

透析不均衡症候群とは
透析不均衡症候群とは、透析治療の初期に起こるものです。カラダがまだ透析治療になれていないために発症します。頭痛や吐き気、嘔吐などの症状が現れます。

 

透析不均衡症候群の症状は・・・

不均衡症候群は、透析治療の最中から透析終了後の12時間以内に[あらゆる症状が発生]します。
そして、個人差はありますが、【血液透析を数回経験し、透析治療になれてくると】この症状は治まってくるようです。

  • 血圧の変動
  • 筋けいれん
  • こむらがえり
  • 身体のだるさ
  • 脱力感
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 不安感
  • 焦燥感

 

血液透析は、身体の中に溜まった老廃物や水分を腎臓の代わりに排泄し、体内の電解質・水分バランスを整える治療法です。
血液透析は、身体の中に溜まった老廃物や水分を腎臓の代わりに排泄し、体内の電解質・水分バランスを整える治療法です。

血液透析の仕組み

腎臓の機能が低下すると身体の中の老廃物や水分が排泄できず、身体に溜まっていきます。血液透析は、身体の中に溜まった老廃物や水分を腎臓の代わりに排泄し、体内の電解質・水分バランスを整える治療法です。

血液透析では、血液の通り道であるシャントを介して、いったん血液を外に取り出します。取り出した血液はダイアライザーという透析器を通り、身体に不要な老廃物や余分な水を除去します。最終的には電解質・水のバランスも調節し、再び身体に血液を戻します。

血液を透析器に通す前と、通してから再び体内に戻した後では、不要なものが取り除かれ、電解質や水のバランスが変わり、身体の中の環境が大きく変化することになります。
→ 東京新橋透析クリニック:透析導入期は要注意!不均衡症候群について知ろう

 

細胞内外で老廃物・電解質の不均衡が起こる

透析前には、細胞内液と細胞外液の老廃物はほとんど均等に存在していますが、透析中には老廃物が除去されて細胞外液の浸透圧が低くなり、細胞内液と細胞外液との間で浸透圧の差が生じます。

特に、脳の組織では老廃物が除去されにくく、細胞外液と細胞内液との間で老廃物や電解質の不均衡が大きくみられることとなります。

浸透圧が高いままの脳組織は細胞外液とのバランスをとろうとして、一時的に水をため込んで濃度を薄めようとします。そうして水をため込んだ脳組織はむくみを生じ、脳圧が高くなって頭痛や吐き気などの症状が起こると考えられています。
→ 東京新橋透析クリニック:透析導入期は要注意!不均衡症候群について知ろう

 





 





長期透析療法でいずれ訪れる心不全などの合併症

長期透析療法でいずれ訪れる心不全などの合併症

透析治療の長期的合併症とは

透析治療を長期間受けた人の死因をみると、、、

  • 1位:心不全(26.0%)
  • 2位:感染症(22.0%)
  • 3位:悪性腫瘍(9.3%)

と、なります。心不全と感染症だけで約半分を占めます。

透析治療を受けていない一般人では、癌(悪性腫瘍)が1位なのに比べて、【透析治療の死因1は心不全】なので、透析治療を受けている人は、【心臓や血管病】そして【感染症】に注意が必要です。

 

長期透析治療で脳卒中・心筋梗塞などの合併症

透析治療をはじめると、尿が出ないために水分や塩分がどうしても体に溜まります。


すると、、、

透析治療によって体に溜まった水分や塩分を循環させるために、『心臓』には大きな負荷がかかります。『心臓』は疲労困憊状態になります。


そして、、、

透析治療によって働き過ぎになった『心臓』は、やがて心臓機能の低下を生み、最後は心不全に陥るのです。
なので、透析治療を受けている人の死因の1位は、『心不全』なのです。

透析治療によって体に溜まった水分や塩分を循環させるために、『心臓』には大きな負荷がかかります。
透析治療によって体に溜まった水分や塩分を循環させるために、『心臓』には大きな負荷がかかります。

 

透析治療の人は動脈硬化がおこりやすい

透析治療を受けている人は、「高血圧」や「糖尿病」を患っている人が多いのが特徴です。

すると、、、

「高血圧」や「糖尿病」の人は、血液中にリンやカルシウム濃度に以上が出ているので、どうしても動脈硬化になりやすいのです。すると、透析治療を長期にわたって受けていると『脳卒中』や『心筋梗塞』などの合併症になりやすいのです。

 

透析治療での脳卒中や心筋梗塞の予防は

透析治療での脳卒中や心筋梗塞の予防は、食事療法と合併症の服薬が肝心です。

高血圧や糖尿病、脂質異常症などを合併症のある人は、その疾患の薬をちゃんと服用することが大切です。

また、当然のことですが、、、

「食事療法での水分と塩分の過剰摂取を控えること」と「心臓に負担がかかるようなことをしないこと」が大切。

ドライウエイトをしっかり保つことも重要になります。

 

長期透析療法による免疫力低下と感染症

長期透析治療の人の死因第2位は、感染症でした。


これは、、、

長期透析治療を行っていると、体内に老廃物が溜まりやすいのです。それらの尿毒素などが作用し、貧血などが起こりやすくなり、免疫力が低下します。
免疫力低下は、感染症にかかりやすくなることです。また、治りにくいのです。

これが、透析治療患者の死因2位の原因です。

透析治療患者が感染症を予防するには

感染症予防は、一般人と同様に「手洗い・うがい」が基本。帰宅後にこの様なケアをしっかり行うことが肝心です。また、免疫力が低下しているので、ケガなどにも注意する必要があります。

透析治療患者の死因2位の原因です。
透析治療患者の死因2位の原因です。

 

長期透析治療患者の「高リン血症」と骨の異常など

腎不全になると、リンが腎臓から排泄されなくなってしまいます。血液中にリンが溜まると「高リン血症」を起こします。

リンが上昇すると腸でのカルシウムの吸収が悪くなります。すると、血液中のカルシウム濃度は下がってしまい、そのためにカルシウム濃度を上げようとして『副甲状腺ホルモン(PTH)』が副甲状腺から分泌されるのです。


じつは、、、

『副甲状腺ホルモン』は、血液中の下がってしまったカルシウム濃度を上げようとして、骨を溶かしてカルシウム濃度を上げようと働きます

なので、、、

結果的に長期透析治療をおこなっている人は、骨や関節が壊されて、骨がもろくなって【骨折しやすく】なります。

長期透析治療をおこなっている人は、骨や関節が壊されて、骨がもろくなって【骨折しやすく】なります
長期透析治療をおこなっている人は、骨や関節が壊されて、骨がもろくなって【骨折しやすく】なります

 

高リン血症によって長期透析治療患者は、動脈硬化が進行する

「高リン血症」になると、リンはカルシウムと結合することで血管壁や心臓の弁などに張り付いて石灰化します。石灰化とは、文字どおり石のように硬くなること。

すると、、、

長期透析治療によって、血管壁や心臓の弁が石灰化し『動脈硬化』や『心臓弁脈症』を起こしてしまいます。

 

長期透析治療患者は貧血になりやすい

末期腎不全になると、造血ホルモンの分泌が低下して貧血になります。

それは、造血ホルモンが腎臓で作られていたから、腎不全になれば仕方ありません。

さらに、、、

  • 尿毒素の増加によって出血しやすくなります
  • 赤血球の寿命が短くなります

この様な状況になると、「疲れやすくなり」「手足がだるい」「階段の上り下りが苦痛」、そして「動悸」「息切れ」が起こります。

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長期透析治療患者のアミロイド骨関節症

透析治療を長期にわたって行っているとどうしても、尿毒素が溜まっていきます。その中でもβ2-ミクログロブリンは、アミロイドという物質を作ります。

この、、、

アミロイドが、骨や関節、そして腱に蓄積することでさまざまな障害を起こします。骨や関節の痛み、肩や首などの痛み、そして、手の付け根の痺れや麻痺など。

 

透析治療は痒みが起こりやすい

透析治療を行うと汗腺が萎縮して汗が出にくくなります。そのために皮膚が乾燥してしまい、外からの刺激に対して敏感になり、『痒み』が起こりやすくなります。

この『しつこい痒み』によって、いつもイライラしたりと落ち着きません。

また、『しつこい痒み』によって睡眠が妨げられます。

痒みによってかくことで、さらにこれが刺激となって痒くなるという悪循環を生んでしまいます。

対策としては、スキンケアや保湿など。薬の服用に関しては、主治医の指示に従ってください。

透析治療は痒みが起こりやすい
透析治療は痒みが起こりやすい

 





長期透析治療での合併症のまとめ

一旦、始まると一生涯つづく『透析治療』です。

末期腎不全によって、血液の濾過ができなくなることでさまざまな場外が起こってしまうのは仕方ないことだと思われます。

しかし、命をつなぐためには『長期透析治療』は受け入れるべき療法です。

主治医や管理栄養士などの医療スタッフの指示や指導に従うことが大切です。

主治医や管理栄養士などの医療スタッフの指示や指導に従うことが大切
主治医や管理栄養士などの医療スタッフの指示や指導に従うことが大切

 





以上。

 


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また、次回。