立ち仕事なので、家に帰ると足がむくんでいます。なんか、足に青い筋が浮き出てきて、かなり心配なこの頃
と、いう方へ。
足のあたりにボコボコした瘤があったり、
青い筋がくっきり出たりしたら、
下肢静脈瘤になっている
可能性が高いです。
また、
むくみは重篤な病気のケースもあります。
注意が必要です。
今回は、足のむくみと気になる病気の関係の話です。
■もくじ
- 足のむくみと気になる病気の関係
- 足のむくみにならないケア方法
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
足のむくみと気になる病気の関係
足のむくみの原因は
調理師や美容師、販売員などの立ち仕事をしていると、どうしても足がむくみやすいです。これは、私たち人間が、二本足で立っているので高いところにある心臓から、地面まで離れている足まで遠いのが原因です。また、重力によって水分がどうしても下に下がってしまうので、足に水分が溜まりやすくなります。
足に水分が溜まりむくみやすいのは、立ち仕事の人ばかりではなくデスクワークの人にもじつはよくみられます。
これは、、、
立ち仕事の人もデスクワークの人も長時間同じ姿勢でいるのが原因です。同じ姿勢で長い時間過ごしていると、足の筋肉をほぼ使わない状態が生まれます。足に下った血液は、下半身の筋肉やふくらはぎの筋肉を使って心臓に戻るような仕組みになっています。
ですから、、、
長い時間、下半身の筋肉を動かさないでいると、上手に血液が静脈を通って心臓に帰っていけなくなっているのです。すると、下肢に水分が溜まってむくむことになるのです。
足がむくむメカニズム
心臓は、一定のリズムで新鮮な血液を動脈を使って全身に送り込んでいます。身体の細部まで送り込まなければならないので、その勢いは結構なものです。
動脈から出た血液は、毎秒50cmともいわれているので相当速いスピードで送り出されています。なので、その勢いに負けないように動脈の血管は分厚くできています。34兆個もあるといわれる全身の細胞に送るのですから、それぐらいの勢いは必要なのでしょう。
毛細血管の仕組み
勢いよく心臓から飛び出た血液は、末端の毛細血管まで運ばれます。毛細といわれるぐらいこの血管は細くできています。赤血球が1列になってようやく通れるぐらいの細さになっています。
毛細血管の動脈側では、新鮮な酸素や栄養素が運ばれて「小孔」という孔から、毛細血管の外に排出されます。赤血球は、大きいので「小孔」から出ることはできません。
そして、、、
静脈側の毛細血管では、細胞から出たゴミや二酸化炭素を取り込んで心臓にまで静脈を使って帰っていきます。
なぜ、、、
動脈側では栄養を毛細血管から出せて、静脈側ではゴミなどを回収できるかというと、正常な血管内の圧力は、どこでも25mmHg(ミリメートルエイチジー)を保っています。これが、動脈側の毛細血管では、圧力が毛細血管の外側よりも5mmHgほど高くなっており、浸透圧を均衡にするために毛細血管側から噴き出すのです。
また、帰りですが、、、
静脈側の毛細血管内の圧力は、-10mmHgほど低くなっています。ですから、浸透圧を均衡にするために毛細血管側へ間質の方から取り込むのです。
このようにして、血液の運搬によって栄養やゴミのやり取りを行っています。
浸透圧を調節しているアルブミンの働き
血管内の浸透圧を上手に操作しているのが、「アルブミン」といわれるタンパク質になります。血漿のタンパク質の中では60%を占める最も多いタンパク質です。
この、、、
「アルブミン」は、間質の中にも血管の中にも存在しますが、血管内に40%。血管外に60%。そして、このアルブミンの特徴は、比較的大きいので「小孔」を通過することはできません。アルブミンが存在することで、浸透圧がバランスを保つことができています。これを「膠質浸透圧」といいます。
また、、、
アルブミンの素晴らしい働きは、良いものや悪いものと結合する働きがあることです。
たとえば、、、
身体に必須なカルシウムなどの微量元素や酸素、ホルモン、脂肪酸などと結合して身体の細部まで運んでくれています。帰りには、毒などを運んでくれたり中和することで毒の効力を無くす働きもあります。
以上が、正常な毛細血管での働きになります。
足のむくみから気になる病気とは
足のむくみは、加齢とともに増加します。これは、年を取ることによって足の筋力がどうしても失われていくからです。
また、、、
立ち仕事などで、仕事帰りに足がパンパンに腫れてしまっていても翌日には元通りになるのであれば、一過性のものですから病気とはいえません。ですから、心配することはありません。
足のむくみで気になる病気とは
アルブミンは、血液の浸透圧を調整している貴重な働きをしています。
この、、、
アルブミンが減少することで膠質浸透圧のバランスが崩れ、細胞と細胞の隙間の細胞間質にある水分を血管に取り込む圧力が低下します。すると、水分が停滞するようになります。
アルブミンはなぜ減少したのでしょうか。
それは、、、
アルブミンを作っているのは肝臓でタンパク質として合成されており、腎臓で濾過されます。ここでアルブミンが減少するということは、【肝臓や腎臓に問題が発生した】ということになり、むくんできます。これは、肝臓や腎臓に問題が起きている警報になります。
一過性のむくみではなく、数日間もむくみが取れないときは、【肝臓や腎臓に問題発生】ということも考える必要があります。
このようなときは、近くの診療所へ行き診察を受けてください。
そのむくみの原因は、肝硬変か腎臓障害かも
肝硬変は、肝臓の障害ですが、足だけではなくて全身にもむくみが出てくることがあります。
また、、、
腎臓に障害が起きたときには、まぶたや顔にもむくみが発生します。このような症状が出たら病院へいって診察を受けることをお勧めします。
そのむくみの原因は、心不全かもしれない
心臓が、血液を送るときの圧力が弱くなると、心臓から遠い脚では血行が悪くなります。その結果、脚のむくみなどの症状を起こします。この心臓が、しっかりとしたポンプの役割を正常に果たせなくなった状態を『心不全』といいます。この『心不全』は、むくみの他にも階段を上ったりすると息切れしたり、動悸が起こったりします。
『心不全』の原因となる動脈硬化や狭心症・心筋梗塞などの重篤な病気が見つかるケースもあり、足のむくみはその徴候となるので、油断はできません。
下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は、静脈にある逆流を防いでくれている弁に障害が起こり、逆流したり、血液が流動しないために溜まってしまったりする病気こと。下肢静脈瘤になっている人の下肢は、足の静脈が瘤のようにボコボコと盛り上がっていたり、青い筋ができていたりします。
下肢静脈瘤になると、足がむくんで(専門用語で浮腫)おり、そのために疲れやすくなり、夜中寝ているときに「足がつる」こともしばしば起こります。
下肢静脈瘤のコブが恥ずかしくて
下肢静脈瘤は、ただちに命に関わるような病気ではありませんが、デコボコしているのでスカートなどは恥ずかしくてはきたくなくなりますし、プールなどの足を晒すところへも足が遠のくことになります。
弾性ストッキングを活用しよう
初期の下肢静脈瘤ならば、『弾性ストッキング』が有効的です。この『弾性ストッキング』は、近年美容師や調理師の人々から大絶賛を受けたストッキングです。
浮腫が、気になる人にはおすすめです。
足のむくみにならないケア方法
足のむくみを解消しよう
足のむくみが取れないからといって、放置してはいけません。セルフケアで改善できるのでぜひやってみてください。
座ったままでできるストレッチ
足首まわりの運動は、『むくみ』予防には効果的です。このストレッチは、仕事中でもできます。
- 椅子に浅く座ります。
- 両足のかかとを床から離して上げ、一度戻して足の裏をつけましょう。
- 次は両足のつま先を上げて、また戻します。
この運動は、エコノミー症候群予防にも効果的な動作です。座ったままできるので、気がついたときに行うようにしてください。
血のめぐりをよくするマッサージ
簡単に椅子に座りながらできるマッサージです。
- 椅子に座ったまま、右足を左ももにのせます。
- のせた右足を持って、足首を時計回りに20回、反時計回りに20回、大きく回しましょう。
- 右足すねの内側の骨を、足首から心臓へ向かってなで上げるようにさすります。外側の骨も同様にさすりましょう。
- 左足も同様に、1~3の順番でマッサージをします。
足のむくみの予防は運動すること
どうして『足がむくむ』のかみてきました。その点から考えると、何よりもポンプの役割をしているふくらはぎの筋肉を動かすことが先決です。
そのためには、、、、
積極的にふくらはぎの筋肉を動かすような運動をすることです。そうすることで、静脈弁に負担がかからず、血液が滞留することなくスムーズな血流が生まれます。
タンパク質を取って、アルブミン不足を解消する
アルブミンという名前は、ラテン語のalbumen(卵白の意味)に由来しています。
日本人の食事摂取基準によると、一日の蛋白質摂取の推奨量は、成人男性は一日60g、成人女性は一日50gです。卵1個(50g)には約7gの蛋白質が含まれるため、卵1.5個で蛋白質10gとなります。
現代人は、飢餓で栄養失調になるケースはまれで、過度なダイエットによる拒食、極端な偏食などで低栄養になっています。さらに、一人暮らしの老人が増えたので栄養の足らない人が増えてきました。それは、「孤食」の影響です。
タンパク質含有量の多い食品とは
肉類(100Gあたりタンパク質含有量)
生ハム(24.0g)、鶏ささみ(23.0g)、ローストビーフ(21.7g)、牛もも肉(21.2g)、豚ロース(19.3g)、鶏砂肝(18.3g)、ロースハム(16.5g)、ウインナー(13.2g)となっています。
魚介類(100Gあたりタンパク質含有量)
イワシ丸干し(32.8g)、いくら(32.6g)、焼きたらこ(28.3g)、するめ(69.2g)、かにかまぼこ(12.1g)、魚肉ソーセージ(11.5g)などがあります。
卵類(100Gあたりタンパク質含有量)
卵黄(16.5g)、ピータン(13.7g)、ゆで卵(12.9g)、ウズラ卵生(12.6g)、生卵(12.3g)、ポーチドエッグ(12.3g)、卵白(11.3g)、ウズラ卵水煮缶(11.0g)です。
大豆製品(100Gあたりタンパク質含有量)
きな粉(35.5g)、油揚げ(18.6g)、納豆(16.5g)、がんもどき(15.3g)、厚揚げ(10.7g)、こしあん(9.8g)、豆腐(6.6g)、豆乳(3.6g)となっています。
上手な栄養摂取は
- 3食のバランスをよくとり、欠食は絶対さける
- 動物性たんぱく質を十分に摂取する
- 魚と肉の摂取は1:1程度の割合にする
- 肉は、さまざまな種類を摂取し、偏らないようにする
- 油脂類の摂取が不足にならないように注意する
- 野菜は、緑黄色野菜、根野菜など豊富な種類を毎日食べ、火を通して摂取量を確保する
- 食欲がないときはとくにおかずを先に食べごはんを残す
- 食材の調理法や保存法を習熟する
- 酢、香辛料、香り野菜を十分に取り入れる
- 味見してから調味料を使う
- 和風、中華、洋風とさまざまな料理を取り入れる
- 会食の機会を豊富につくる
- かむ力を維持するため義歯は定期的に点検を受ける
- 健康情報を積極的に取り入れる
健康長寿ネット:低栄養を予防し老化を遅らせるための食生活指針
以上。
また、次回。