増えたり減ったりの繰り返し、ダイエットはうまくいきません。体重は、減らないのに筋力が落ちて、転けやすいし、疲れやすいです。
と、いう方へ
それはたぶん、サルコペニア肥満予備軍ですね。
そのままいくと若いのに介護が必要になりますよ。危険です。
今回は、サルコペニア肥満の話です。
■もくじ
- ダイエットの繰り返しで筋力低下【サルコペニア肥満は、若年化が進んでいる】
- サルコペニア肥満を解消する【おすすめ食事と運動方法】
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
ダイエットの繰り返しで筋力低下【サルコペニア肥満は、若年化が進んでいる】
サルコペニアとは
サルコペニアとは、全身の[筋力低下や身体機能の低下]をいいます
歳を取るにしたがって、私たちの身体の筋肉量は減っていきます。また、病気などにかかると長患いでも筋肉の量は減っていきます。そして、、、
- 歩くスピードは、遅くなり
- 杖や手すりが必要
このような[筋力低下にともなう身体機能の低下]がサルコペニアです。
サルコペニアという用語は造語で、ギリシャ語で筋肉を表す「sarx (sarco:サルコ)」と喪失を表す「penia(ぺニア)」を合わせた言葉です。
サルコペニアの分類
サルコペニアは、だいたい65歳あたりからと考える人が多いようです。しかし、筋肉の量が減少していく老化現象は、25~30歳頃から始まっています。運動を特にしない人などは、だいぶ早い時期から進行するようです。
そして、このサルコペニアには2パターンあります。
- 単純に加齢によるもの、一次性サルコペニア
- 加齢以外によって起こる、二次性サルコペニア
一次性サルコペニア | |
加齢性サルコペニア | 加齢以外に明らかな原因がないもの |
二次性サルコペニア | |
活動に関連するサルコペニア | 寝たきり、不活発なスタイル、(生活)失調や無重力状態が原因となり得るもの |
疾患に関連するサルコペニア | 重症臓器不全(心臓・肺・肝臓・腎臓・脳)、炎症性疾患、悪性腫瘍や内分泌疾患に付随するもの |
栄養に関係するサルコペニア | 吸収不良、消化管疾患、および食欲不振を起こす薬剤使用などに伴う、摂取エネルギーおよび/またはタンパク質の摂取量不足に起因するもの |
サルコペニアになると、2型糖尿病や高血圧などのリスクが上昇します
2型糖尿病とは、「インスリンの作用不足」で起きる生活習慣病です
厚生労働省:2型糖尿病
2型はインスリン非依存型と呼ばれ、遺伝的要因に過食や運動不足などの生活習慣が重なって発症します。
その他の特定の疾患や機序(メカニズム)によるものや妊娠糖尿病がありますが、多くは2型であり、日本ではその疑いがある人(可能性を否定できない人を含む)は成人の6人に1人、約1870万人にのぼっています。
→ 厚生労働省:糖尿病から抜粋
2型糖尿病や高血圧などのリスクが上昇するサルコペニアですが、それに加え、、、
- 歩く速度が低下する
- 転倒・骨折のリスクが増加する
- 着替えや入浴などの日常動作が困難になる
- 死亡率が上昇する
などなど、放っておけない怖い症状が【サルコペニア】です。
少し太めでもじつは肥満【サルコペニア肥満とは】
日頃仕事と自宅の往復だけで何もしないというような人は、運動不足で筋肉を使わないでいると、みるみるうちに筋肉は衰えて、細く細くなっていきます。そればかりではなく何かが起こると【寝たきりの原因】にもなってしまいます。
サルコペニアに肥満が加われば【サルコペニア肥満】
サルコペニア(筋肉の量が減って体の機能が低下した状態)プラス肥満が【サルコペニア肥満】呼ばれます。
サルコペニア肥満は、新しいタイプの肥満です
多くのサルコペニア肥満の人は、65歳以上の高齢者が多いのですが、、、
- 40代の若年齢にも【サルコペニア肥満】が多くなっています
理由としては、、、
- デスクワーク
- 階段を使わない
- バスやタクシー、車を頻繁に使う
- 運動不足
- 生活習慣の乱れ
などがあげられます。
食事制限ダイエットをくり返して、【サルコペニア肥満】に
たとえば、一見すると、そんなに太っていない人ですが、じつは何度も何度も食事制限ダイエットをくり返している人などは要注意です。
以前の記事【間違いだらけの筋トレダイエット】で書いた、このダイエットの悪循環、、、
- カロリー制限で、3キロ落としたのに、リバウンドしてまた3キロ戻っちゃった人は、筋肉が3キロ落ちて、脂肪が3キロついた・・・【隠れ肥満】
この隠れ肥満は、そのまま【サルコペニア肥満】といって良い状態です。
- 筋肉が減ったところに脂肪がついての繰り返しで痩せる
このような筋肉がなくて、脂肪がついている状態だと、若くても[隠れ肥満]で【サルコペニア肥満予備軍】といえます。以下のような症状はないですか・・・
- 転びやすい
- モノがもてない
- 集中力がない
- ストレスが解消されない
じつは、肥満の人よりも怖い【サルコペニア肥満】
べつに脅しているわけではないですが、、、
- 【サルコペニア肥満】の人は、単なる肥満の人やサルコペニアの人より
- 生活機能の低下や転倒、骨折、のリスクが高く、死亡をきたしやすい
というデータがあります。
日本老年医学会が昨年12月に公表した「高齢者肥満症診療ガイドライン2018」では、【サルコペニア肥満】の人は、、、
- 要介護のリスクが、男性→8.7倍、女性→12.0倍に上昇
- 転倒のリスクは、男性→3.3倍、女性→2.1倍に上昇
- 大腿骨近位部の骨折を2.8倍起こしやすい
サルコペニアのところでも書きましたが、、、
- 【サルコペニア肥満】は、2型糖尿病や高血圧などのリスクが上昇します
ですから、、、
- 【サルコペニア肥満】だと、筋肉に脂肪が蓄積し、インスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性が亢進します
さらに、、、
- 炎症性サイトカインも増え
- ビタミンDの低下などにより筋肉量や筋力の減少をもたらす
- 身体機能の低下をもたらすという悪循環に陥りやすい
放っておくと、取り返しがつかないことになります。要注意です。
サルコペニア肥満を解消する【おすすめ食事と運動方法】
私たちの筋肉は、20歳をピークに減少します。20代男子の筋肉の割合は40%、女性が35%。
70代になると、ピーク時の3分の2程度になり、26%〜23%まで減少し。
筋肉の減少は、平均すると一年に約1%ずつ減少します
サルコペニア肥満を解消する食事【タンパク質が有効的】
筋肉を効率的に増やす食事は何かというと、やはり筋肉に必要なものは【タンパク質】です。
タンパク質をしっかり摂ろう
筋肉はタンパク質でできていますので、タンパク質を摂ることが肝要です。先の「高齢者肥満症診療ガイドライン2018」では、、、
- サルコペニアやフレイルの予防のためには、タンパク質の摂取は少なくとも1.0g/kg
- 体重60kgなら1日に72〜90グラムのタンパク質をとる必要がある
ただし、、、
- 重度の腎障害では注意する
と、あります。
食事全体のエネルギー摂取量は、ドクターの判断を仰ぐことが必要で、指示をしっかり守ることが大切です。とくに、腎臓が悪い場合は、ドクターに相談の上、タンパク質を上手にとってください。
サルコペニア肥満を解消する運動【筋トレが有効的】
サルコペニア肥満を解消するには、筋トレは外せません。
- 筋肉の腸を増やし、維持することが必要です
まずは、歩くこと、、、
1日に6,000~8,000歩を歩く習慣をつける
そして、なれてくれば筋力トレーニングを増やしていく。筋肉は、高齢になってもつけられるので、安心してトレーニングしてください。
要介護の高齢者を対象に1時間の運動を週3回行った調査では、、、
・1年間で筋肉が5.5%増加した
サルコペニア肥満を解消する、効率的なトレーニング方法
トレーニング継続して行うことが大切。NEAT(ニート)の記事を参照してください。日々の生活の中でもトレーニングは可能です。
- 下半身を中心に筋トレを行うと、効率的に筋力アップができます
- トレーニングは、3日に1回がベスト
- 数を数えながら行うと自然に呼吸ができ血圧が上がりにくくなります
- 運動の後のコップ1杯の豆乳も効果的
以上。今から早速日常生活に摂り入れて良い運動習慣をつけてください。
参考サイト:厚生労働省:e-ヘルスネット > サルコぺニア
参考サイト:健康長寿ネット:サルコペニアの原因
参考サイト:高齢者肥満症:診療ガイドライン 2018
参考サイト:日本生活習慣予防協会:肥満より怖い「サルコペニア肥満」
また、次回。
Thank you very much for providing photos and illustrations.
- pakutaso
- irasutoya
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- Photo by Daniil Kuželev on Unsplash