脳卒中とか動脈硬化って、マジ怖い。コレステロール値が高いとかいわれると、、、不安で。
と、いう方へ。
過剰に心配するのは、
精神的に良くないですが、
コレステロール値に注意を払って
QOLをよくすることは大切ですよね。
今回は、コレステロールの話です。
■もくじ
- 摂取基準が撤廃されたコレステロール
- LDLコレステロールの酸化を抑制するには、どうすればいいのか
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
摂取基準が撤廃されたコレステロール
コレステロールを抑えるために卵は1日に1個は、昔の話
その昔、「卵は1日に1個」といわれた時代がありました。そうしないとコレステロール値があがる身体ダメだという理由です。その理由は、コレステロールの摂取基準を男性が750mgで女性が600mgと厚生労働省が設けていたからです。
が、、、
2015年には、この「日本人の食事摂取基準」が改定されて、なんと、コレステロールの摂取基準の上限が消えたのです。
その理由は、、、
- コレステロールを多く含む食品を食べても、血液中のコレステロール値に影響がない
という研究結果からでした。ようは、「卵は1日に1個」というのは科学的な根拠がないというわけです。
毎日の卵の消費は心血管疾患を減らすかもしれない
中国の北京大学医学部が行った研究では、、、
「卵は1日に1個」食べると、心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクが12%低くなった
という研究結果が出ました。
毎日1個程度の卵を食べる人は、脳卒中のリスクを26%減らすことができる
虚血性心疾患(CVD)は、世界的にみても死因のトップランクです。
「中国 カドーリ バイオバンク(CKB)」研究は、イギリスとの共同研究として実施されているゲノムコホート研究で、中国の10の地域から30~79歳の成人51万2,891人が参加しました。
この研究チームは、51万2,891人のうち、『癌、心血管疾患(CVD)および糖尿病のない』416,213人の参加者を対象に追跡調査。
脳卒中や心臓発作の発生状況を9年近く追跡調査してみると、、、
- 13.1%は卵を1日に平均0.76個食べて
- 9.1%は卵を1日平均0.29個食べて
いました。
その結果、、、
毎日1個程度の卵を食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、出血性の脳卒中を起こす確率が26%低いことが分かったのです
また、、、
- 出血性脳卒中で死亡するリスクも28%低く
さらに、、、
- 卵を週に5.32個食べている人は、週に2.03個食べている人に比べ、心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクが12%低くなっていたいたのです
卵をたくさん食べるとコレステロールが増えるのではなく、なんと出血性脳卒中で死亡するリスクを下げることが分かったのです。
→ Daily egg consumption may reduce cardiovascular disease(ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2018年5月21日)
食事でのコレステロール摂取量は、血液中のコレステロール値には反映されない
私たちの身体の脂肪分(脂質)は、コレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸と4つあります。血液は、水分なので脂質とは水と油で反発しあいます。
そこで、リポたんぱく質という風船のような船に乗せて血液中を巡ることができるようにしています。
この話は、以下の記事で詳しく解説しています。
この脂質(コレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸)は、いわゆる油ですから水(血液)とは混ざり合うことができません。そこで、「リポたんぱく質」という丸い風船のような船で運びます。
体内で合成されるコレステロールは70~80%
コレステロールは、食事でも摂れますが、体内でも合成できる脂質。
たとえば、、、
- 体重50kgの人で1日600~650mgがおもに肝臓で作られます
→ 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)
食事でのコレステロール摂取量は、、、
- 男性297mg
- 女性263mg
※いずれも中央値、30歳〜49歳:1日あたり(平成22年、23年国民健康・栄養調査:厚生労働省)
このコレステロール摂取量のうち、40%〜60%が吸収されます。
この量は、、、
- 体内で作られるコレステロールの3分の1から7分の1ぐらい
ですから、、、
- 体内で作られるコレステロールは70%〜80%
圧倒的に体内で作られるコレステロールが多いんですね。
コレステロールは、体内で一定になるように調整されている
食事で、たくさんのコレステロールを食べたら、肝臓で作られるコレステロールの合成は、減少します。また、逆に食事から摂取するコレステロールが少ないと体内でのコレステロールの合成は増加します。
これは、、、
コレステロールは、体内で一定になるように調整されているのです
このフィードバック効果が働き、まんべんなく身体中にコレステロールが行き渡るようになっています。
コレステロールの役割
コレステロールは、身体にはなくてはならないものです。
- コレステロールは、リン脂質とともに細胞膜の材料になる
- コレステロールは、ガン細胞を退治する免疫細胞の膜になる
- コレステロールは、さまざまなホルモンの材料になる
- コレステロールは、陽に浴びてビタミンDの材料になる
- コレステロールは、消化液の一種、胆汁酸の材料になる
と、コレステロールと聞くと、悪いイメージが付きまとっていますが、見てきたようになくてはならないものです。
男性ホルモン、女性ホルモンもコレステロールから作られるし、コルチゾールなどの副腎皮質ホルモンの材料にもなるし、カルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の健康を保ってくれるビタミンDの材料などなど、本当は、素晴らしいものです。
なぜ、コレステロールには悪玉と善玉いるのか
素晴らしいコレステロールですが、イメージを悪くしているのは、LDLコレステロールといわれる悪玉コレステロール。
善玉のほうは、HDLコレステロールです。
リポたんぱく質の種類
リポたんぱく質の種類 | |
種類 | 体内動態 |
キロミクロン | 小腸から外因性(食事)脂質の輸送、中性脂肪の割合が多い |
VLDL | 肝臓から内因性(生合成)脂質の輸送、中性脂肪の割合が多い |
LDL | 末梢神経へコレステロールの輸送、VLDLから合成 |
HDL | 末梢神経から肝臓へコレステロールの輸送 |
肝臓で作られたコレステロールは、中性脂肪と一緒に[リポたんぱく質]に乗って全身の血液中をめぐりながら、細胞に届けられます。
まず、、、
- 中性脂肪が先に多く使われます
- [リポたんぱく質]内には、コレステロールが多く残り密度が低くなります
これを、、、
- LDL(低密度リポたんぱく。LDはLow Density、Lはリポたんぱく)
といいます。また、、、
- 中性脂肪が減る前の段階は、LDLよりさらに密度が低いためにVLDLとよばれます(VはVeryの頭文字)
さらに、、、
HDLは、全身の細胞から余っているコレステロールを肝臓に持ち帰ります。このときタンパク成分が多いので密度は高いので(高密度リポたんぱく:HDはHigh Density、Lはリポたんぱく)とよばれています
回収されたコレステロールは、リサイクルされる
HDLが持ち帰ったコレステロール肝臓でリサイクルされます。
また、1部は胆汁酸の材料にもなります。
- LDLの中にあるコレステロールが、LDLコレステロール
- HDLの中にあるのが、HDLコレステロール
動脈硬化を進行させる原因とは
LDLは、身体中のすみずみまでコレステロールを運んでいます。
しかし、、、
血管壁に蓄積されてしまうケースがあり、これが動脈硬化を進行させる原因となり、だから、LDLは悪玉とよばれます
一方、、、
HDLは、血管壁に余っているコレステロールを回収してくれるので善玉とよばれるのです
これは、、、
LDLとHDLの働きの違いによるものですね。
動脈硬化を進行させてしまうのは酸化LDLコレステロール
体内の活性酸素とLDLコレステロールが結びつくと酸化されてしまいます。こうなると血管壁に吸収されやすくなります。
- 酸化した[酸化LDLコレステロール]は、動脈硬化を進行させてしまいます
超悪玉と呼ばれる小型LDLコレステロールは、さらに怖い
コレステロールは、細胞膜や筋肉を作るホルモンの材料になったりと生命維持に重要なものですが、悪玉が増えてくると、血管内にたまり、血管壁が厚くなってしまいます。
じつは、悪玉の中には血管内皮細胞の1000分の1ほどといわれる【小型LDLコレステロール】がいます。悪玉は、大きさが同じではなくたくさんの大きさがあるようで、まだ解明されていないものが多いのです。
しかし、、、
- 小型LDLコレステロールは、小型なので酸化されやすく、血管壁に入り込みやすいサイズなのでより動脈硬化を進行させています
その小ささだと、肝臓にも吸収されにくいので長く血液中にとどまって酸化しやすい点もあります。
悪さをする主な要因は、小型の悪玉『超悪玉(small dense LDL)』に乗っているコレステロールだったのです
動脈硬化で特に注意してほしいタイプの人は
じつは、善玉(HDL)コレステロールが少ない人も、超悪玉(小型LDL)コレステロールが多い傾向があるようです。
一般的には、小型LDLコレステロールは以下のような人に多いとされています。
- 狭心症や心筋梗塞を起こしたことがある人
- 中性脂肪値が高い人
- 血糖値が高い人
- 血圧が高い人
- 肥満(とくに内臓脂肪型肥満)の人
超悪玉[小型LDLコレステロール]が多いかを調べるには、血液検査で分かります。保険も適用される簡単な検査法もあります。
一度、調べてみるのも良いでしょう。
以上。
また、次回。
Thank you very much for providing photos and illustrations.
- pakutaso
- irasutoya
- Trung Nguyễn XuânによるPixabayからの画像
- RitaEによるPixabayからの画像
- Alexas_FotosによるPixabayからの画像