[心房細動]によりできる大きな血栓は、前触なく脳梗塞を引き起こす

心房細動

不整脈ですね。といわれてドキッとしたんだけど、確かに最近、息切れやめまいが多いな。ちょっと心配

と、いうかたへ。

不整脈だからといって
過剰に心配することはないですが
でも、高齢になると用心が必要です。
脳梗塞の15~20%がこの心原性脳梗塞といわれています。
1度、専門医に診てもらうことをおすすめします。



今回は、心房内に流れる電気信号の乱れによって起きる[心房細動]の話です。

■もくじ

  1. 心房内に流れる電気信号の乱れによって起きる[心房細動]とは
  2. 心房細動を起こして怖いのは【塞栓症】

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

心房内に流れる電気信号の乱れによって起きる[心房細動]とは

心臓は電気で動いていますが、[心房細動]は電気信号の乱れで発生します

まず、、、

心房細動とは、心房が痙攣(けいれん)したように細かく震え、血液をうまく全身に送り出せなくなる病気

のことです。

では、心臓はどうなっているかを観てみましょう。

心臓には、4つの部屋があります。上の2つを心房。下の2つを心室と呼んでいます。

そして、、、

  • 左右の心室は、心臓は全身や肺に血液を送り出すポンプの役割
  • 左右の心房は、肺や全身の静脈からの血液を溜めて心室に送り込む役割

発電所の洞結節の電気で心臓は動いている

心臓は、その一生の間リズムよく動いていますが、なぜ動くのかというと、洞結節という「電気を作る発電所」から流れる電気によって動いています。

心房細動

発電所の洞結節は、右心房の上の方にあります。ここで、心臓全体に伝わる電気が作られてますが、心室には、房室結節だけを通って伝わるようになっています。

というのは、、、

房室結節は、[変電所]の役割をしていて、洞結節が通常のゆっくりした電気を作るときはそのまま通しますが、電気の量が頻繁に流れてきた場合は制御しています

[心房細動]の原因は、発電所が増えるから

[心房細動]は、心房が痙攣して細かく動きます。

これはなぜ起きるかというと、、、

人は、胎児として母の胎内にいるときは、洞結節以外にも心臓内にいろいろな場所で「発電所」をもっていました。しかし、生まれる前に、洞結節以外の発電所は閉鎖されて「蓋」をかけられました

ですから、、、

  • 心臓内の発電所は、洞結節だけとなったのです

しかし、、、

高齢になったりすると、この「蓋」がとれてしまい、洞結節以外の場所でも電気を流すようになります

「蓋」がもっとも取れやすい場所は、左心房に直結する肺静脈の付け根にある箇所です。

心房細動

胎児の頃は、とても心拍が早かったですが、それは発電所が、とても高い頻度で電気を流していたからで、[心房細動]になると同じことが起こり始めます。

[心房細動]は、主に加齢によって引き起こされる

さらに、困ったことに、、、

電気を通す電線の役割をしていた、心房の筋肉が年齢を重ねる内に変質して、電気を伝えにくくします

そうなると、、、

心臓を取り巻いていた網の目のような電線の回路が、断線したりショートを起こしたりします

このように、肺静脈から高い頻度で出てくる電気だけでも心房は早く動きますが、それに加えて、回路の断線やショートによってさらに心房が忙しく興奮し、細かく動きます。

心房細動

心房細動ではこれらの電気的な異常興奮によって、心房が1分間に300~500回もけいれんするように動き、電気が渦を巻くようになります。

このように、心房細動は、加齢によって起こることが分かります。

ですから、心房細動は、誰にでも起こる病気だということ。4人に1人は、心房細動になるといわれています。

房室結節が、伝わる電気の量を調節している

発電する洞結節以外でも発電し、心臓の動きは、どんどん速くなるかというと、そんなに早く動いたら、ひとたまりもありません。

そこで、、、

変電所の役割をしている房室結節が、伝わる電気の量を調節しています

たとえば、心房が毎分500回動いたとしても、変電所の房室結節が、毎分60回〜100回ぐらいに間引いてくれています。ですから、動悸などの症状は出にくくなります。

しかし、、、

その房室結節の調節がしにくくなると、心拍数は植えてしまいますので、動悸や息苦しさが起こりますし、そうなると、心臓が送り出す血液量が減ってしまうので、血圧が下がります

すると、、、

脳に運ばれる血液が少なくなるので、ふらついたり、意識を失ったりする場合もあります

 





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心房細動を起こして怖いのは【塞栓症】

心房細動が引き起こす脳梗塞とは

心房細動の患者数は、日本人の1~2%(100~200万人)といわれています。

それも、、、

80歳以上の男性では10%以上が、[心房細動]を患っています。

Feinberg WM, Blackshear JL, Laupacis A, et al. Prevalence, Age Distribution, and Gender of Patients With Atrial Fibrillation. Analysis and Implications.Arch Intern Med 1995;155(5):469-473.

さらに、、、

心房細動を起こす人の割合も年々増加しており、1968~70年に比べて1987~89年では男性で約3倍に増加に

Wolf PA, Benjamin EJ, Belanger AJ, et al. Secular trends in the prevalence of atrial fibrillation: The Framingham Study. Am Heart J 1996; 131: 790-795.

[心房細動]になりやすい人は

[心房細動]は、加齢によって多くなり、高齢者で多くみられるますが、、、

その他では、、、

  • 心臓弁膜症・心筋症・虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)などの心臓病
  • 高血圧
  • 甲状腺機能亢進症

などの持病を持っていると[心房細動]を引き起こしやすくなります。

また、生活習慣病の、、、

  • 糖尿病
  • 肥満や脂質異常症
  • メタボリックシンドローム
  • 慢性腎臓病
  • 飲酒や喫煙

なども[心房細動]を引き起こす要因になっています。

[心房細動]が起こると血栓ができやすくなる

[心房細動]が起こると、心臓が規則正しく収縮できなくなります。そのため、血液を全身に送り出すパワーが弱くなるのです。

そうなると、、、

心房内の血液がよどんできて、[血栓]ができやすくなります

心房細動

この血栓は、心房内で壁に張り付いて少しずつ大きくなりますが、これが何かのきっかけで剥がれてしまうと、、、

【血栓が飛ぶ】状況を生じます

すると、、、

血流に乗って脳や全身の臓器や組織に運ばれていき血管を詰まらせます

[心房細動]による塞栓症で怖いのは【脳梗塞】

[心房細動]によってできた血栓は、比較的大きいのが特徴です。この大きな血栓が飛んだときが非常に恐ろしいことを引き起こします。

心房細動:脳梗塞

なぜなら、、、

血栓が大きいので、大きくて太い血管を広い範囲で詰まらせて梗塞を起こすからです

とくに、、、

脳の血管の太い部分を詰まらせると、脳の広い範囲に影響がおよびます。そのため、症状も重いのです。それも、突然前触れもなく襲ってきます

  • [死亡]する危険性も高く
  • 運良く生き延びたとしても[重い後遺症]に悩まされます
心房細動による脳梗塞に注意が必要な人とは

以下の項目に1つでも当てはまるならば、主治医と相談する必要があります。

  • 心不全の人
  • 高血圧の人
  • 高齢者(75歳以上)の人
  • 糖尿病の人
  • 脳梗塞になったことがある人

心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)-日本循環器学会より

 





以上。

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また、次回。