健診で、血圧高めですといわれ「カリウムを摂るように」と教わったんだけど、良く分からないんだよね。でも、不安。
と、いう方へ。
カリウムは、電解質(ミネラル)の一つ。
細胞の中では最大量を誇ります。
このカリウムは、
血圧と深い関係があるのです。
詳しく解説しています。
今回は、『高血圧とカリウムの関係』の話です。
■もくじ
- 高血圧とカリウムの関係とは
- 高血圧を下げるカリウムが豊富な食材は
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
高血圧とカリウムの関係とは
高血圧を左右するカリウムの話
カリウムは、体内に存在するミネラル(電解質)のひとつで、ナトリウム、、カルシウム、マグネシウム、リンなどと同様に多量ミネラルに属します。
そして、、、
カリウムは、細胞内で最も多い多量ミネラルです。そして、カリウムは、ナトリウムと共同して働くことが多く、カリウムとナトリウムは、『ブラザーイオン』と呼ばれています。
さらに、、、
カリウムは、体重のおよそ0.2パーセントを占めているといわれており、成人の体内に120g〜200g存在しています。このうち98%が細胞内に存在し、残りの2%は細胞外に存在しています。
カリウムの働き
食物から摂取されたカリウムは、小腸で吸収されてその量は、血中の濃度がしっかりと調整されており、3.6~5.0mEq/Lに保たれています。
この、、、
カリウム(kalium)は、心臓をはじめとした全身の筋肉が働くときに重要な役割をしています。
また、、、
ナトリウムと共同して働くことが多く、カリウムは細胞の浸透圧を維持したり、酸・塩基均衡の維持、神経伝達、心臓機能や筋肉の機能の調節、そして、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。
そして、、、
カリウムは、塩分の摂りすぎを調節する役割も担っています。それは、腎臓でナトリウムが再吸収されるのを防いで、排泄を促してくれています。
高血圧とカリウムの関係性は
カリウムは、ナトリウム(塩分)を尿などによって体外へ排泄する作用があるために、『塩分の摂り過ぎ』が原因となる高血圧の予防に役立っています。
カリウムをたくさん摂ることによって、脳卒中のリスクが24%も低下する
それは、、、
カリウムをたくさん摂ることによって、脳卒中のリスクが24%も低下するともいわれています。*ケアネット:カリウム摂取増で高血圧患者の血圧が低下:WHO調査/BMJ
この記事では、、、
カリウム摂取量を増やすことで成人高血圧患者の血圧が低下するとともに、血中脂質濃度やカテコラミン値、腎機能には有害な影響はないことを示す質の高いエビデンスが得られたとする研究結果を、世界保健機関(WHO)のNancy J Aburto氏らの研究グループが、BMJ誌オンライン版2013年4月5日号で報告した。脳卒中のリスクも24%低下したという。
と、あります。
さらに、、、
カリウム摂取量が少ないと血圧上昇、高血圧、脳卒中のリスクが増加し、多ければこれらの疾患は予防される可能性が指摘されている。
と、報告されています。
高血圧を下げるカリウムの1日の摂取目標
日本人の食事摂取基準(2020 年版)では、[男性 2,500 mg/日、女性 2,000 mg/日]が、体内のカリウム平衡を維持するための量だと設定されてあります。*日本人の食事摂取基準(2020 年版) – 厚生労働省
WHOでのガイドラインでは、男女とも3,510mg(2012年)
カリウムは、大量摂取しても大丈夫か?
カリウムは、腎臓の機能が正常であれば、大量に摂取しても体内にある調節機能が働くので、カリウムが過剰になることはありません。
カリウムが低下することで発症する『低カリウム血症』
『低カリウム血症』とは、風邪などのさまざまな原因によって、下痢や嘔吐などで血液中のカリウムの濃度が低くなってしまう病気のこと。
それは、、、
カリウムは、細胞内の浸透圧の調整や筋肉の収縮、神経の興奮などの関わっていますが、血液中のカリウムの濃度が不足してくると、筋肉の動きや神経の働きに異常が起こります。そして身体に、悪心や嘔吐、便秘や痙攣などのさまざまな症状を引き起こします。
考えられる原因は、、、
『低カリウム血症』になる原因としては、過度なダイエットによる食事制限や偏食、拒食症または食欲不振。嘔吐や下痢などによる大量のカリウムの排泄。血液中から細胞内へのカリウムの移動などが原因として考えられます。さらに、漢方薬の甘草も原因となります。
また、、、
『低カリウム血症』と、生活習慣病や腎臓病、糖尿病、心臓病、高血圧は深い関係があります。とくに、糖尿病を持っている方には注意が必要です。糖尿病では、インスリンの注射を行いますが、インスリンは血液から細胞内にあるカリウムの移動を起こさせ『低カリウム血症』を起こします。
低カリウム血症に関しては、この記事でも詳しく解説しています。
高血圧を下げるカリウムが豊富な食材は
高血圧を下げるカリウムを多く含む食品
私たちが食べる食品には、多くの塩が含まれています。味噌や醤油、漬物や干し物といったものたちですが、この塩と高血圧には密接な関係があります。
そして、、、
高血圧の人の中には、塩を食べると血圧が上がり塩を減らすと血圧が下がる人がいる一方で、塩の量を増減しても血圧があまり変わらない人がいます。
- 血圧が変わる人を[塩分感受性がある]といい
- 血圧が変わらない人を[塩分感受性がない]といいます
日本では、[塩分感受性がある]人が4割[塩分感受性がない]人が6割いるといわれています。そして、この塩分感受性は、加齢や肥満、糖尿病や腎疾患などでもおおきく影響します。
[塩分感受性がある]人の弊害
[塩分感受性がない]人は、多少塩を摂りすぎても腎臓からその摂りすぎた分を排泄します。
が、、、
[塩分感受性がある]人は、塩の排泄が上手くできません。すると、血液中のナトリウム濃度が上がっていき体液が増えて、結果的に血圧が上昇します。これは、[塩分感受性がある]人は、塩を摂りすぎると血圧の薬が効きにくいことを指します。
そして、、、
心臓や血管、脳や腎臓に障害をきたすことが多くなりますので、塩分の制限と積極的な薬による治療が必要になっています。なので、治療によってもなかなか血圧が下がらない人は、[塩分感受性がある]人かもしれません。
これは、、、
塩分感受性には、人種差があるといわれています。感受性のある人は黒人で約80%、白人は約30%、黄色人種はその中間といわれています。
カリウムを多く含む食品
カリウムは、新鮮な野菜や果物、魚、赤身肉に多く含まれます。
食品 | ほうれん草 お浸し |
牛ひれ 赤身肉 |
鮭水煮缶 | キウイ フルーツ |
納豆 |
1食当たり 使用量 |
生、60g分 | 100g (生) |
100g (固形物) |
中1個 | 1パック (40g) |
含有量 | 414mg | 340mg | 290mg | 290mg | 264mg |
生活習慣でカリウム不足をチェック
こんな生活パターンは、カリウム不足かも
- 新鮮な野菜や果物を毎日は食べていない
- 塩分の多い食事をよく食べる
- 加工食品やファーストフードをよく食べる
- アルコールを多く飲む
- 汗をよくかく
- 成長期である
こんな症状は、カリウム不足かもしれません。
- よく下痢・嘔吐をする
- 寝ているときに足をよくつる
- 利尿剤・下剤・ステロイド剤を服用している
- 高血圧気味である
- 糖尿病家系である
- ストレスを多く感じる
最後に、、、
カリウムは、生野菜サラダとか生の果物を摂ることで効率よく摂ることができます。なぜなら、カリウムは水溶性なので、煮たり茹でたりすると水に溶け出してしまうからです。
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > カリウム
- 健康長寿ネット:カリウムの働きと1日の摂取量
- ドクターズファイル:低カリウム血症
- EPARK:メディカルルック:無理なダイエットしてない?カリウム不足による低カリウム血症に注意
- 栄養素から見た腎臓 〜腎由来のさまざまな血液中の成分の異常
- 血圧とカリウムの関係とは~役割とカリウムが含まれる食材~
あなたを守る「濃縮ミネラル」ミネラルくん
また、次回。
- Thank you very much for providing photos and illustrations.
- pakutaso
- irasutoya
- Photo by Manny Moreno on Unsplash