久しぶりに連絡せずに実家に帰ったら、母がコンビニの惣菜を買って食べていて驚いた。ご飯を作るのがめんどうらしい、栄養大丈夫かな・・・
と、いう方へ
高齢になって食が細くなるのは、
食べたくないだけじゃなくて、
独り暮らしのさみしさもあるんですよ。
今回は、高齢者の栄養問題の話です。
■もくじ
- サルコペニアの予防には、筋肉を豊かにする効率的な栄養の摂取が大切
- サルコペニアの予防の食事には、ロイシンと必須アミノ酸が含まれる食物がよい
この記事を書いているの僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
サルコペニアの予防には、筋肉を豊かにする効率的な栄養の摂取が大切
虚弱(フレイル)には、3つの要因が関わっている
超高齢社会です。
- 超高齢社会とは、65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占めている社会をいいます
日本では、医療や福祉の問題が山積みです。できるものなら、親の介護は身近いほうがよいです。親の方も「元気で活発な日々を送りたい」と考えているはず。
「元気なうちは、子どもの世話になりたくない」と言っている親御さんも多い
そして、、、
独り暮らしを続けている
しかし、高齢になれば身体機能や認知機能が低下していきます。これは避けられないこと。自然の摂理に従って虚弱になっていきます。これを【フレイル】といいます。
フレイルは、要介護の[予備軍]です
歳を重ねることに抗うことはできませんが、いつまでも「元気で健康でいたい」ので、その努力は必要です。
フレイルの要因は3つ「身体要素」「精神要素」「社会要素」
東京大学高齢社会総合研究機構・飯島勝矢(監修)によると、フレイルを構成しているのは、以下の3つ。
フレイルの要因は3つ | |
身体的要素 | 動作が遅くなったり転倒しやすくなったりする |
精神的要素 | 認知機能の障害やうつ病などの精神や心理的な問題を含む |
社会的要素 | 独り住まいや経済的な困窮など |
フレイル予防のポイントは『運動』『栄養』『社会参加』
高齢になると、虚弱(フレイル)になります。身体的な[筋力の虚弱]をはじめ、筋力が衰えてしまうので、外に出て人と話す機会がなくなる[社会性の虚弱]、そして[心の虚弱]
こういった虚弱にならないためには、日頃からシッカリした食事が必要になります。
サルコペニアの予防には、タンパク質の摂取が重要
サルコペニアとは、運動器の低下をいいます。カラダの筋力などの衰えです。高齢になると、身体全身の筋力が衰えてきます。
たとえば、、、
ご飯を食べる口まわりの筋力の低下
口まわりの筋力が低下すると、「硬いものが食べられない」とか「うまく飲み込めない」といった障害が出でて、【低栄養】状態に陥ります。
すると、身体を維持するのに必要なエネルギーが不足し、筋肉や皮膚・内臓などをつくるタンパク質が不足します。
この記事でも、口腔の機能の低下の問題を取り上げています。
→ そろそろ親の介護を考える4、フレイルの治療【親の食事と低栄養】
老齢になると、タンパク質の量が不足します
タンパク質の摂取量が低下が顕著に
↓下のグラフを見るとわかりますが、ここ10年の調査では、タンパク質の摂取量が低下しています。この低下は、老人に限ったことではなく、全世代にいえることです。
タンパク質を摂る食習慣を身につけないと、若年層であっても中年層であっても、将来的にサルコペニア予備軍になってしまいます。
また、ダイエット目的で摂取しないことをくり返すと、深刻な【サルコペニア肥満】になるので要注意です。
サルコペニアとは、全身の[筋力低下や身体機能の低下]をいいます。歳を取るにしたがって、私たちの身体の筋肉量は減っていきます。また、病気などにかかると長患いでも筋肉の量は減っていきます。そして、歩くスピードは、遅くなり、杖や手すりが必要このような[筋力低下にともなう身体機能の低下]がサルコペニアです。
タンパク質を摂らないと生存率に影響する
タンパク質と生存率には一定の関係性があります。
血清アルブミン(タンパク質)値を調査すると、、、
- 血清アルブミン値が高いと生存率が高く
- 血清アルブミン値が低いと生存率は低い
- タンパク質の栄養状態が良い人は、老化速度が遅くなり、疾病リスクも低い
- タンパク質の栄養状態が悪いと、老化を早め骨格や筋肉量が減少し、ロコモやサルコペニアとなる可能性が高くなる
タンパク質をしっかり摂取すれば、老化を遅くできる
血清アルブミン
血漿中に含まれるアルブミン。血漿タンパク質の中では最も量が多くタンパク質量の指標としやすい。
水に最も溶けやすく、脂肪酸・胆汁色素・薬剤・イオンなど種々の物質の運搬や血液コロイド浸透圧の維持などの役割をもつ。
サルコペニアの予防の食事には、ロイシンと必須アミノ酸が含まれる食物がよい
タンパク質の働きと吸収
タンパク質を摂ることの重要性をご理解いただけたと思います。
タンパク質は、そのままでは体内で吸収できず、消化酵素の働きにより約3~4時間かけてアミノ酸に分解された後、腸で吸収されて、タンパク質に再合成されます。
タンパク質は身体に数万種類あります。どれも、生きていくためには欠かすことのできないものです。
- 酵素やホルモンとして代謝や体の機能を調節するもの
- ヘモグロビンやトランスフェリンなど物質の輸送に関与するもの
- γ-グロブリンなど免疫に関与するもの
- アクチンやミオシンなど体を構成するもの など
また、アミノ酸は、、、
- たんぱく質を構成するだけではなく、神経伝達物質やビタミンなどに変わる前のものとして必要です
たんぱく質の1日の摂取基準は
タンパク質を1日に摂る理想の量は、食べる量の13〜20%とされています。
推奨量は、、、
- 成人男性は一日60g
- 成人女性は一日50g
良質なたんぱく質を含む食材は
十分なタンパク質を合成するためには、それに必要なアミノ酸がそろっていなければなりません。
特に、【必須アミノ酸】は、体内で合成できません。必要な分の【必須アミノ酸】を食座から摂取する必要があります。【必須アミノ酸】がバランスよく含まれている食材が、良質なタンパク質を含むことになります。
筋肉を作るために効果的なタンパク質が豊富に含まれている食材は、、、
- 魚、大豆、卵、肉
筋肉を動かすエネルギーになる食材は、、、
- 炭水化物
タンパク質を助ける働きがあるのは、、、
- ビタミンB6(マグロの赤身・レバー・鰹、鶏のささみ、キウイ、バナナ)
ロイシンと必須アミノ酸
ロイシンは、アミノ酸の一種です。
タンパク質を形成している20種類のアミノ酸のうち、、、
- 体内で合成することができない9種類のアミノ酸のことを、必須アミノ酸といいます
その中でも、ロイシン・バリン・イソロイシンの3種類は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれ、筋肉組織の主成分です。
筋タンパク質の合成を促進して、分解を抑制する働きがあります。
ロイシンの働き
ロイシンはたんぱく質の合成を促すことで筋肉量を増加させ、筋肉の委縮を改善することが期待できます。そのため、筋肉を維持し、サルコペニアを予防するうえで食事が重要となります。
- 膵臓からのインスリン分泌を促進し
- インスリンによる筋たんぱく質合成作用を増大させ
- ブドウ糖を筋肉の細胞に取り込むのを助け
- 運動の時の持久力を高めたり
- 運動後の筋肉を修復・補強したり
- 肝臓の機能を高めるといった働きがあります
筋肉量を増やすために必要な栄養素「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」とは
BCAAとは、運動の時の筋肉でエネルギー源となる[ヒトが体内で作ることができない必須アミノ酸]のことで、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称をいいます。
このアミノ酸3つは、BCAA(Branched Chain Amino Acid)とよばれています。
BCAAは、筋肉の分解を抑制して、筋肉のエネルギー源となります。
BCAAはおもに、まぐろの赤身、かつお、鶏肉、牛肉、卵、牛乳などに多く含まれています。
※COPD(慢性閉塞性肺疾患)の人は、呼吸筋を激しく使うため呼吸筋の損傷を防ぐ意味でもBCAAは欠かせない栄養素。
ロイシンを含む必須アミノ酸は、いつ摂るべきか
タンパク質を有効的に取る情報は、この記事でも紹介しました。
筋トレダイエットで美ボディになる近道の必須な栄養素を教えます。美ボディになる効果的な筋肉を作るBCAAを知ろう。美ボディになるには、まず【筋肉のクオリティを高める】ことが重要で、そのためにはムダな筋トレをくそまじにめやるよりも【脳から筋肉への神経の経路を鍛えること】ことが、何よりも大切です。
再掲します。
筋トレ後には、タンパク質を摂ることが重要です。その時間も厳密に10以内と憶えておきましょう。このことをなおざりにすると効果がありません。
2時間も経ってからタンパク質を摂っても全く効果がないことが研究で分かっています
この筋トレでタンパク質を摂る目的は、、、
- 筋肉の材料となるタンパク質を摂ることで功利的に増やすことができる
摂るタンパク質は、
- プロテインのようなサプリメントでも豆乳でもかまいません
- 量はそれ程たくさん摂る必要ありません
筋トレ前に必須アミノ酸BCAA、筋トレ後にタンパク質と憶えましょう。
筋肉が増えると、体温が恒常的に上昇し美肌効果がアップします。また疲れ知らずのエネルギッシュな身体になりますからおすすめです。
以上。
また、次回。