1日1700リットルの血液を濾過する腎臓。とてつもない実力に脱帽

慢性腎臓病

最近むくみが酷いし、疲れやすいので受診したら、「腎臓が弱っています」といわれてビックリ。やっぱり生活が乱れているからかしら。

と、いう方へ。

腎臓の機能が弱くなると
さまざまな問題が発生します。
放っておくと、、、
重篤な病気になります。
今のうちのしっかりと
対処するべきです。
腎臓のことを詳しくみてみましょう。


今回は、「腎臓」のお話しです。

■もくじ

  1. 1日に2リットルペットボトル280分の血液を濾過する腎臓とは
  2. 腎臓の働きを知っておこう

この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。

1日に2リットルペットボトル280分の血液を濾過する腎臓とは

とうてい人類には作り出すことのできないスーパーメカの[腎臓]



こんにちは。コータローです。


僕は先日、こんなツイートをしました。




腎臓の凄さとは。 腎臓の濾過機能は、とうてい人類は作り出せない。
腎臓では、血液が1日に300回以上循環して、2リットルペットボトル850本相当の血液が流れ込む(約1700リットル)。
濾過され排泄される尿は、約180リットル。99%は、再回収される。
だから、尿の回数が多いことは健康の証しなのだ。


腎臓とはどんな臓器か?

腎臓のことをググってみると、、、

腎臓とは
腎臓は、血液を濾過して、体内で不要になった水分や物質を、尿として排出する臓器です。大きさは握りこぶし大ほど(約150g)で、そらまめのような形をし、背中側の腰骨の少し上に左右1個ずつあります。

腎臓は、尿をつくる以外にも、体調を調節するうえで必要なホルモンをつくったり、骨を健康に保つなど、人間が生きる上で必要な仕事をいくつも担っています。
ファイザー製薬:腎臓の仕組みと働き


と、あります。

腎臓では、血液が1日に300回以上循環して、2リットルペットボトル850本相当の血液が流れ込む(約1700リットル)
腎臓の主な働きは
  1. 血液中にたまった老廃物を尿として外に出す
  2. 余分な水分を排出して、水分のバランスを整える
  3. からだに必要な電解質を調節する
  4. 血圧を調整したり赤血球を増やすホルモンを産生する
  5. ビタミンDの働きを活発にして骨を健康に保つ



そして、、、

生物学者の福岡伸一さんは、著書:「動的平衡2」の中で、腎臓についてこう語っています。

腎臓には一日に約1700リットルもの血液が流れ込む。
これは全身の血液が一日に300回以上循環する計算となる。
ここからまず捨てられるのが原尿を呼ばれる部分で、およそ180リットル。
しかし、このうちの99パーセントが再回収される。残りの1〜2リットルが尿となる。腎臓はまさに大量の水の流れのうちにある。
尿の量や回数が多いことは健康である証しと言っていい。

動的平衡2:223頁




腎臓は、人の拳ぐらいの大きさでありながら、1日に300回以上も血液が循環するなんて、相当な働きです。

この腎臓の位置は、背中側にあって、腰より上にあります。ちょうど背骨をはさんで左右にある形になります。

腎臓の構造は・・・

腎臓の内部の構造は、、、

  • 外側:皮質
  • 内側:髄質
腎臓の構造

ネフロンと呼ばれる組織が、老廃物を濾過している

腎臓は、カラダの体液のバランスを一定に保つために、血液を濾過しています。そして、不用なものは尿として排泄しています。

それ以外のものは、、、

心臓から出てきた血液の一部は、腎動脈を通って腎臓内に運ばれて、いったん濾過された後に腎静脈から再び心臓に戻ります。

腎臓の濾過の仕組み

ネフロンと呼ばれる組織が、血液中の不要な老廃物を排泄する尿に生成しています。

ネフロンの構造と血液濾過の仕組み

この、、、

ネフロンは、腎臓の左右にそれぞれ100万個以上存在しています。

ネフロンの構成は、糸球体(しきゅうたい)という毛細血管の固まりとそれを包んでいるボウマン嚢、そこに繋がる尿細管という管で成り立っています。

 





 







腎臓の働きを知っておこう

腎臓の働き

腎臓は、体内の水分量と電解質(ミネラル)量のバランスを保っている

およそ人のカラダには、60%ぐらいの水分が占めています。

およそ人のカラダには、60%ぐらいの水分が占めています



夏場や運動をしたときに大量の汗をかきますが、そうなるとカラダには水分が不足することになります。腎臓はそんな時に、尿の量を減らすことで体内の水分量を一定に他もってっくれています。


また、逆に、、、

水分をたくさん摂ってしまったりして、体内の水分量が増加した場合は、尿の量を増やすことで余分な水分を体外に排出することで水分量をコントロールしています。



腎臓は、電解質のバランスを一定に保つことでむくみや高血圧を防いでいる

電解質とは、いわゆる5大栄養素のミネラルのことです。

たとえば、血液や体液に含まれるナトリウム、クロール(塩素)、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのこと。

この「電解質(イオン)」は、[神経の伝達]や[筋肉の運動]に深く関わっていますが、腎臓がこの電解質の量を一定に保つことで、生命の維持に努めているのです。

たとえば、、、

電解質(イオン)のバランスが崩れると、高血圧になったり、心不全などの重篤な病気を引き起こしたり、むくんできたりします。この様にミネラルバランスが崩れると、最悪の場合、命の危険にさらされてしまいます。

糸球体で濾過している

腎臓の糸球体では、血液を濾過して原尿(尿の元)となる液体が作られます。
また、余分な水分や電解質、そして老廃物は排泄されます。


腎臓は、絶妙なph7.4程度の弱アルカリ性を保っている

人のカラダにある体液は、ph7.4程度にしっかりと保たれています。この数値以上でも以下でも病気の心配が出てきます。腎臓は、この数値を絶妙に保つように働いているのです。


それは、、、

私たちは、食事を摂ることでタンパク質や糖質、脂質などの栄養を摂り代謝しています。すると、1日あたり20,000mEq(ミリグラム当量)の酸が作られます。


これは、、、

酸が上手に処理されないと、途端に免疫力が低下してさまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。


ですから、、、

腎臓は、余分な酸を尿として排泄したり、肺から二酸化炭素として排泄しています


さらに、、、

腎臓は、残った酸を重炭酸イオンと呼ばれる物質によって吸収し、炭酸になることでアルカリ性に傾けて酸度を下げるようにしています。

腎臓の働きが弱くなると「アシドーシス」に

腎臓の働きが弱くなってくると、この酸の排泄が上手に運ばれなくなります。これは「アシドーシス」と呼ばれるもので、体が酸性に傾いた状態になるのです。

すると、、、

腎臓機能の低下によって、疲れやすくなったり、脱力感を感じるようになり重篤な病気は発生させるリスクが高まります。



腎臓は、アルカリ性物質を放出することでバランスを取っている

体が酸性に傾くと、、、

腎臓は、危険を察知して重炭酸イオン=アルカリ性物質を放出します。

腎臓は、中和させるために同量の重炭酸イオンを放出するのです。これは、糸球体で濾過された後に尿細管で再吸収して、補充しています。

なので、、、

腎臓の機能が低下すると、重炭酸イオンが減少するので、カラダは酸性に傾きます。

逆に重炭酸イオンが増えると・・・

今度は、重炭酸イオンが増えた場合は、カラダはアルカリ性に傾きます。

カラダがアルカリ性に傾くと、けいれん・吐き気・しびれなどの体調不良が現れてきます。

このようにカラダが、酸性になったりアルカリ性になったりすることで、たくさんの病気のリスクを貯めるのですが、腎臓の働きによってこのバランスを絶妙に保っているのです。



腎臓は、血圧を調整したり赤血球を増やすホルモンを作っている

1)血圧を調整する「レニン」などのホルモンを生成する腎臓

腎臓は、人が生命活動を維持するためのホルモンを作っています。

たとえば、、、

血圧を調整する「レニン」というホルモン

血圧が低下すると、腎臓の濾過の働きが低下してしまいます。

正常であれば、糸球体での血圧は一定に保たれているのですが、機能が低下するとこのバランスが崩れます。

そこで、、、

腎臓は、血圧が下がると、血液を供給する血管の『輸入細動脈』という場所で[血圧を調整する「レニン」というホルモン]を作り出して対処します。

どういうことかというと、、、

レニンというホルモンが、血管を収縮させる作用をもつ「アンジオテンシンII」というホルモンに働きかけ、血圧を上昇させるのです。

こうすることで、腎臓は低下した血圧を上昇させて一定に保つようにしているのです。

2)エリスロポイエチンというホルモンを作っている腎臓

腎臓には、血液中の酸素の状態を感知するセンサーがあります。

このセンサーは、「酸素が足りない」と判断すると、尿細管の周囲からエリスロポイエチンと呼ばれる血液(赤血球)を作るホルモンを作り出します。

血液中に酸素が足らなくなると、腎臓は、このエリスロポイエチンを作り出して、骨の中にある「骨髄」と呼ばれる血液を製造する組織に作用して、血液をつくる指示をさせるのです。


なので、、、

腎臓の機能が低下すると、エリスロポイエチンの量も減少します。すると、カラダに必要な血液の量も作られなくなり、貧血を起こしやすくなるのです。


3)骨を丈夫にする「活性型ビタミンD」を腎臓は作っています

ビタミンDは、食品に含まれる栄養素。

このビタミンDは、そのままの形で働くことはありません。

というのは、、、

肝臓と、腎臓の尿細管で体内で化学変化を起こすタンパク質である酵素の働きを受けて、『活性型ビタミンD』に変化します。

変化した『活性型ビタミンD』は、腸からのカルシウムの吸収を促すことで【骨を丈夫にする】働きがあるのです。

腎臓は、このようにホルモンを生成することで、私たちの体を健康な状態に保ってくれています。

 





以上。

 





 





また、次回。