何だか最近、ガスコンロの火の消し忘れで火事になるんじゃないか。カギをかけるのを忘れて泥棒が入るんじゃないかとか。不安で不安で、おちおち仕事にも行けない。
と、いう方へ。
確かにそう云った不安はあるものですよね。
そんな不安を感じるのは人として当然です。
でも、その不安は、一時的なもの。
もしも、長く続くようなら、
心療内科で診てもらうことをおすすめします。
今回は、不安障害の話です。
■もくじ
- そもそも不安障害とは何か
- 不安障害の治療法とは
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
そもそも不安障害とは何か
不安な思いが度を過ぎて、日常生活に支障をきたすと不安障害になる
人は誰でも、不安を抱えて生きています。
- 大地震がくるのではないか
- 台風で家の屋根が飛ばされるのではないか
- 火の不始末で火事になるのではないか
など、日常生活の中でつねに不安と向き合っています。それは、人として当然のことであって、異常なことではありません。
その不安のために、、、
- 汗をかいたり
- ドキドキしたり
身体や心に変化が起こるのは、本能的に人間に備わった生き延びていく術なので、大切な機能だといえます。
でも、、、
不安な思いが度を過ぎて、日常生活に支障をきたすのであれば、不安障害とよびます
不安障害は、不安をおもな症状とする疾患群の名称
パニック障害とかPTSD(心的外傷後ストレス障害)、強迫性障害などの病名は、よくテレビや新聞で見られるようになりました。
分類的には、こういったパニック障害とかPTSD(心的外傷後ストレス障害)、強迫性障害などの疾患群を【不安障害】といいます。
不安障害 | パニック障害 |
恐怖症 | |
強迫性障害 | |
PTSD(心的外傷後ストレス障害) | |
急性ストレス障害 | |
全般性不安障害 | |
一般身体疾患による不安障害 | |
物質誘発性不安障害 | |
特定不能の不安障害 |
※米国精神医学会のDSM-IV-TR
不安障害の発症の要因と原因とは
パニック障害は、セロトニンの働き影響を受けているともいわれていますが、不安障害も含めて、まだ解明されていないのが現実です。
ただ、、、
不安障害の発病もこころの問題がトリガーになっていることは間違いありません
突然、理由なく発作が起こるパニック障害も過去に何らかのトリガーがあったことは確かです。
パニック障害に関しては、この記事で詳しく解説しています。
パニック障害の発作は、耐えがたいほどツラいもの。このままでは、「このまま死んでしまうのでは・・・」「このまま発狂するかも」と思われるぐらいツラいものです。
不安障害は、日本人特有の文化も作用していました
日本の特有の[恥をかく]というのを嫌う文化があります。これが、対人恐怖を多く生みました。恥をかきたくないので、人目を気にする文化。
しかし、、、
近年では、恥をかくという文化も薄れているようで、対人恐怖も減っているといわれています。
不安障害の症状とは
不安障害のおもな症状は、字のごとく[不安]です。
不安になるというのは漠然とした[恐れ]の感情です。それは、誰でも経験するもの。
ただし、、、
- 不安の理由があったとしても、不釣り合いに怖がったり
- 不安の理由がとくにないのに、度が過ぎた感じで不安がったり
- その不安が、いつまでも続いたり
- 繰り返し、繰り返し不安が続いたり
などのことを、【病的な不安】といいます。
不安障害の中でも、一番有名な[パニック障害]を例に取ると、、、、
- パニック発作
- 予期不安
- 広場恐怖
不安障害 → パニック障害:パニック発作
パニック発作とは、予期しない発作のこと。原因やきっかけが不明なのに発作が起こります。動悸や息苦しさ、呼吸困難や吐き気、汗や目眩を引きおこします。さらに、汗が噴き出し、寒さや暑さを感じます。
不安障害 → パニック障害:予期不安
激しいパニック発作が、「いつまた起こるのではないか」という心配が続きます。「ツラい、死んでしまうのではないか」というほどの発作がまた起こるのではという不安。この不安が、1ヶ月以上続いていることを【予期不安】といいます。
不安障害 → パニック障害:広場恐怖
パニック障害の広場恐怖は、有名スポーツ選手や芸能人がなったこともあり、比較的有名な症状です。
パニック障害の広場恐怖症とは、、、
以前発作がでた場所に行くと、あの強くて鋭い発作を思い出してしまい恐れてしまい、その場所や状況を避けることを指します
たとえば、タレントの長嶋一茂さんは、情報番組で、以下のように告白しています。
「ぼくの場合、呼吸が苦しくなった。地球上の空気が全部なくなったかのような感覚に襲われて。最近もロケバスが首都高のトンネルに入った時にそうなった。なかなかサラリーマンの人って上司に言いづらいし、周りの人ってなかなか理解できないんですよ。なんでこういう状況になんのって。気の持ちようでしょとかって言われちゃうんだけど、そういうことでは全然ない。仕事にも支障をきたすので、しっかり治療した方がいい」
不安障害の治療法とは
不安障害の治療として精神療法があります
不安障害の治療には、[薬物療法]と[精神療法]があります。
強迫障害(OCD)には、認知行動療法が効く
強迫障害(OCD)とは、度が過ぎる不安なこと。
たとえば、、、
- 手が不潔に思えて過剰に手を洗ってしまう
- 戸締りなどを何度も確認せずにはいられない
- 人を傷つけてしまうのではないかと心配でたまらない
と、いった過剰な不安が長く続くこと。この強迫障害(OCD)には、行動療法士による[行動療法]で回復することが多いです。
強迫障害(OCD)に関しては、この記事で詳しく解説しています。
欧米では、精神科に通う人々のうち9%は、強迫性障害だといわれていますが、日本ではどのくらいの割合でいるのかは明らかになっていません。データでは、精神科で診てもらった人々のうち4%が強迫性障害だという報告があるようです。
曝露療法は、広場恐怖にもっとも効果を発揮する
パニック障害の広場恐怖に対しては、[曝露療法]が効果を発揮します。
これは、広場恐怖の対象を、、、
- 不安の度合いによって0から100までに段階づけし
- 容易な段階から挑戦して
- できたらその上を目指す
というやり方で行動練習を行います。
たとえば、、、
- たとえば一人で電車に乗れない場合は、はじめは家族同伴で乗ってみる
- 次は家族に別の車両に乗ってもらい、その次は一人で一駅だけ乗ってみる
- できたら二駅三駅と距離と時間をのばしていく
といった具合で、無理せずに成功体験を少しずつ積み上げることによって自信をつけていく。
不安障害の経過
不安障害の下位にあるパニック障害:広場恐怖は17歳前後の発作が多いといわれています。また、パニック障害は、男性より女性が3倍多いというデータもあります。
不安障害は、ほかの精神疾患を併発する場合が多々あります。
- うつ病(大うつ病や気分変調性障害)
- アルコール・薬物依存
- パーソナリティ障害 など
併発すると、症状も悪化して経過が長引くことが多いです。
糖尿病などの生活習慣病にかかり、不安になったり、苦悩したりすることで発症することがあります。
こうなってくると、、、
能力障害や機能障害が、仕事や日常生活へ与える影響が大きくなり、QOL(生活の質)の低下を招きます
ですから、悪化を招かないためにも、、、、
ソーシャルサポートを充実させることが大切です
- 家族や周囲の人々の理解・協力
- 社会的な支援体制を整備(会社や組織の理解とサポート)
不安障害だということを自分で理解する
日本人は、我慢の文化があり、不安障害があったとしても、、、
- 気のせい
- 気にしすぎ
- 性格的なこと
と、して処理しがちです。また、、、
不安障害だと本人自身も気づいていないことも多く
この症状は、不安障害という精神疾患であり、治療可能な病気だということをよく理解することが大切です。
さらに、、、
日本人の特徴として、[精神科に診てもらう]ことへのためらいも大きい
これに関しては、まわりの配偶者や家族、友人などの不安障害に対しての正しい理解が重要です。
不安障害を克服するためにもQOLをあげる
規則正しい生活と適度な運動は、健康の基本です。規則正しい生活とリズムを刻むことで、体内リズムを整え、自律神経の内分泌系を安定させて、免疫力を向上させましょう。
以上。
また、次回。