母が、脳卒中からうつ病っぽくなってしまい、ちゃんと病院で診てもらったらアパシーだといわれた。何が違うの?
と、いう方へ。
病後やる気がない意欲がない
一日中ぼーっとしている
それは、無気力症候群(アパシーシンドローム)ですね。
だから、うつ病と違い治療法が変わります。
今回は、無気力症候群(アパシーシンドローム)の話です。
■もくじ
- 何もやる気がしない意欲がない。無気力症候群(アパシーシンドローム)とは
- アパシーシンドローム(無気力症候群)治療法
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
何もやる気がしない意欲がない。無気力症候群(アパシーシンドローム)とは
無気力症候群(アパシーシンドローム)とは
アパシーシンドロームは、最近よく耳にする症候群の名前です。一般的には、スチューデントアパシーシンドロームの方が有名。
それは、、、
一生懸命に受験勉強をして大学に合格したものの、大学入学を果たした途端に勉強などへの熱意がなくなり、日がな一日ボーとして過ごしている。人生における目標を見失ってしまったことが原因
とか、、、
家事や子育てに追われていた、主婦が、それらのことに興味も意欲もなくなる。子育てが終わって自分のためだけの時間ができた時、趣味などもなく、何をしていいか分からない
など、心のよりどころがなくなったり、見つけられなくなったりしたときにアパシー(無気力・無関心)は、発症します。
アパシーとは、興味や関心が湧かない状態
アパシー(apathy)の[ a ]はないという意味の接頭語。pathosは、ギリシャ語で[ passion ]の意味で、パッションがない状態のこと。
- 日常生活の中で意欲がなくなり
- 自分から何かをすることがなくなり
- 身の回りとかへの関心が薄れ
- 顔を洗うとか着替えるなどの気力がなくなる
このような状態をアパシー(無気力・無関心)といいます。
アパシー(無気力・無関心)と似て非なるうつ病との違いは
無気力症候群(アパシーシンドローム)は、20代、30代の女性に多いといわれています。
決して「怠けている」わけではない無気力症候群(アパシーシンドローム)
何か特定のことだけ、やる気が起きないアパシー(無気力・無関心)は、「怠けているの?」と思われがちですが、決してそうではありません。
アパシー(無気力・無関心)とうつ病の違いのあれこれ
意欲がない、やる気がないというとうつ病かもしれないと思います。が、アパシー(無気力・無関心)とうつ病は、違いがあります。
アパシー(無気力・無関心)とうつ病の違いのあれこれ | |
うつ病 | 気持ちが暗く沈みがち |
アパシー | 意欲的でもなく気分が落ち込むこともない |
うつ病 | 自分がうつ状態であることを認識している |
アパシー | 自覚症状が乏しく、改善しようという意欲さえない |
うつ病 | 自殺などの自傷行為に走ることがある |
アパシー | 自傷行為に走ることが少なく、他人に対しても暴力的になることもない |
うつ病 | 抗うつ薬などの薬が効くこともある |
アパシー | 有効的な薬がない |
脳卒中後にアパシーやうつ病になる人も
厚生労働省のホームページにある「脳卒中後のうつ病とアパシー」という記事では、脳卒中にかかった後、アパシーやうつ病になる人が多いというレポートがあります。
うつ病になることを、脳卒中後うつ病(post-stroke depression:PSD)とよびます。
このレポートでは、急性期脳卒中の患者の80の症例を検討したところ、、、
- うつ病が、23%
- アパシーが、 11%
- うつ病とアパシーの併発が、11%
と、いう報告があり、脳卒中を患うと高い確率でうつ病やアパシー(無気力・無関心)になることが分かりました。
※厚生労働省「脳卒中後のうつ病とアパシー」
脳卒中後うつ病(PSD)に関してはこの記事で詳しく解説しています。
2014年のデータでは、脳卒中で通院している患者数は、118万人といわれているので、2020年ではその患者数をはるかに超えていると思われます。また、脳卒中で通院している患者数の14%が、20~64歳までの就労世代。そして、就労世代の脳卒中患者のうち、7割がほぼ介助を必要としない状態まで回復しています。
脳卒中後うつ病(PSD)には、パワーリハビリテーションが効果的。パワーリハビリテーションとは、身体を動かしにくいもしくは、身体を動かすことに自信がない人のために、負荷の少ない専用の機械を使って、運動をすることをいいます。
無気力症候群(アパシーシンドローム)になりやすい特徴の人は
アパシー(無気力・無関心)になる人は、今までみてきたように猛勉強して大学合格した人、家事や育児に人生を捧げてきた人、脳梗塞など脳卒中後になった人など、アパシーの発症にはさまざまな原因があるようです。
が、次のこのような人はアパシーになりやすいといわれています。
- 真面目で一生懸命な人
- 完璧主義の人
- 勝ち負けを気にする人
真面目な人は、まわりの期待に応えようと頑張ります。頑張ることは素敵なことですが、その目標が自分で決めたものではないと、「何のために頑張っているのだろう」という虚無感に襲われて、アパシー(無気力・無関心)なりやすい
また、、、
完璧主義の人は、100%が達成されないと気になり、100%というものに支配されて懸命に頑張ります。これも一生懸命頑張るという点においては素晴らしいですが、100%を目指すエネルギーが切れたら、アパシー(無気力・無関心)なりやすい
そして、、、
勝ち負けを気にする人は、そもそも競争心の強い人。勝ち負けを気にして、とても努力するというよい点がありますが、ほかの人と比較して「自分が劣っている」などと感じると、そのこと自体受け入れられず、気力を失い、アパシー(無気力・無関心)なりやすい
アパシーシンドローム(無気力症候群)治療法
アパシーシンドローム(無気力症候群)の治療法として精神療法
アパシー(無気力・無関心)の人は、特定のことだけ無気力になる人なので、その本人自体が、治療が必要だということの自覚が持ちにくいことがあります。
特定のことだけ無気力なので、その他の行動や役割はスムーズです。
うつ病であれば、強く自分を責めたり、憂うつな気分が支配したりして治療に向かいますが、アパシー(無気力・無関心)の人は、ツラいという感情はなく、あくまで無気力だけなので治療に向かいにくいのです
こんなアパシー(無気力・無関心)の状態を放っておくと、、、
学校へ行かなくなったり、職場に行かなくなったりして家に閉じこもり、引きこもりになり、そのままうつ病を発症します
カウンセリングなどの精神療法
アパシー(無気力・無関心)を改善させるには、精神科の受診をおすすめします。うつ病のように薬が効くというものがないので、投薬ではなくカウンセリングによって改善させます。
また、簡単な方法で快方に向かうこともあります、、、
- ライフスタイルを変えると良くなるケース
- 新しい趣味を見つけるとよくなるケース
など、生活習慣を見直すことで、改善されることもあるようです。
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > 無気力症候群
- 厚生労働省:脳卒中後のうつ病とアパシー
- うららか相談室:無気力症候群(アパシーシンドローム)の症状や治療法とは?
- 先進医療ネット:脳卒中インタビュー
また、次回。
- Thank you very much for providing photos and illustrations.
- pakutaso
- irasutoya
- Photo by Dovile Ramoskaite on Unsplash