糖尿病っぽいといわれ不安です。でも、血糖値とかHbA1cといわれてもよく分からなくて、、、
と、いう方へ
糖尿病というの言葉はよく耳にしますが、血糖値とかHbA1cって、確かによく分からないですよね。詳しく解説します。
今回は、HbA1の話です。
■もくじ
- 健康診断で出てくるHbA1cとは何か?
- 「有酸素運動」と「レジスタンス運動」を組み合わせると血糖やHbA1cの数値が下がる
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
健康診断で出てくるHbA1cとは何か?
HbA1cとは、糖尿病である可能性を判断する数値
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)とは、健康診断を受けた人が糖尿病の予備軍なのかすでに糖尿病であるのかを判断する数値のこと
ヘモグロビンは、、、
- 主に鉄でできているヘム
- タンパク質でできているグロビン
この2つが結合した成分です。
- 血液が[赤い]のは、ヘムが赤色素だから
- ヘモグロビンは、赤血球内のタンパク質の一つで、酸素と結合して身体中の細胞に酸素を送る働きをしています
また、、、
血液中のブドウ糖(グルコース)と結びついたものを特にHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)
になります。(※いくつか呼び名はあるようです)
HbA1cと血糖値との違いは
糖尿病などでよく耳にする[HbA1c]と[血糖値]の違いどこなのでしょうか。
血糖値の変動の変化は | |
血糖値 | 血糖値は、短期的に上昇したり下がったりする |
HbA1c | 何ヶ月も数値が変動することがない |
血糖値の変動 | |
血糖値 | 血糖値は、食後にすぐ高くなる |
HbA1c | 運動や食事などですぐに上がったり下がったりせず、1ヶ月以上も同じ数値が続く |
血糖値の測定は | |
血糖値 | 主に朝、空腹の状態で測る |
HbA1c | 1~2ヵ月の間のHbA1cの平均値を測るのでいつでも測ることができる |
HbA1cの数値は、2012年に国際基準のNGSP値に切り替えた
1~2ヵ月の平均値を示すHbA1c。2012年以前は、日本独自のJDS値と呼ばれる表記だったのですが、世界との足並みを揃えるために2012年からは、国際基準のNGSP値になりました。
HbA1cの数値は、国際基準のNGSP値で表記する
正常なHbA1cの値とは
日本糖尿病学会では、、、
正常なHbA1cの値とは | |
血糖が正常である | NGSP値【6.0%未満】 |
糖尿病の可能性が否定できない | NGSP値【6.0%から6.4%】 |
糖尿病が強く疑われる | NGSP値【6.5%以上】 |
アメリカの製薬会社のイーライリリーが発行している糖尿病患者さん向けのパンフレット[危険なな食後の血糖値]では、以下のように説明しています。
日本糖尿病学会の治療指針では、血糖管理の目標として現在、HbA1cが重視されています。合併症予防の観点からは、HbA1cの目標値を7%未満とし、対応する食後2時間血糖値として180㎎/dLが目安とされています。
血糖コントロール目標
治療目標は年齢、罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定。
ですから、、、
食事に気を使い、軽い運動をしていくことで、、、
- HbA1cの目標値を6.0%未満にしていくことが大切です。
糖尿病と診断されるまで
下のフローチャートは、糖尿病と診断されるまでの[HbA1c]と[血糖値]計測チャートです。
糖尿病に関しては、以下の記事あります。
糖尿病の疑いがある人は、6人に1人といわれ約1870万人にのぼっています。血糖(血中のブドウ糖)を下げるインスリンというホルモンの効きが悪くなり、血糖値が上がってしまう病気のことを糖尿病といいます。
糖尿病は、神経障害を引き起こすといいましたが、糖尿病になった本人には自覚症状がないために、重篤な潰瘍や壊疽になっていることが分からないケースがあります。ですから、発見が遅れることもあり、最悪の場合、足趾や下肢を切断することがあります。
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンが十分な働きをしないために、血液中のブドウ糖が増えてします病気です。インスリンは、血糖を一定の範囲に収める働きをしています。
妊娠すると血糖値が上昇しやすくなります(糖代謝異常)。膵臓で作られているインスリンというホルモンの量の働きが十分でなくなり、血糖値のコントロールできなくなった状態が妊娠糖尿病。
「有酸素運動」と「レジスタンス運動」を組み合わせると血糖やHbA1cの数値が下がる
「有酸素運動」と「レジスタンス運動」を組み合わせることで効果は最大になる
実に6人に1人の割合で糖尿病の予備軍の人々がいるといわれています。40歳以上では、4人に1人とも。
また、世界的に急増していることも心配の種です。
が、不安なことばかりではありません。欧州糖尿病学会(EASD)が発行する医学誌「ダイアベトロジア」に発表された研究結果では、
「有酸素運動」と「レジスタンス運動」を組み合わせると血糖やHbA1cの数値が下がる
というデータがあります。
有酸素運動 | ウォーキングやサイクリング、水泳など、酸素が必要な負荷が軽い運動 |
レジスタンス運動 | スクワットやダンベル体操など、筋肉に抵抗をかける動作を繰り返す運動 |
この2つの種類の運動を組み合わせて行うと、HbA1cは0.17%低下し、空腹時血糖値は10.6mg/dL低下
しました。
これは、、、
- 筋力トレーニングのみを行った場合に比べると、HbA1cは0.62%低下し、空腹時血糖値は35.8mg/dL低下
したようです。
「有酸素運動」と「レジスタンス運動」を持続することでエネルギーを消費しやすい体質に
インスリンの効きやすい身体に変えていくためには、レジスタンス運動を続けることが大切です。
すると、、、
- 筋肉量が増え、筋力も増加し、インスリン抵抗性が改善されます
さらに、有酸素運動を持続させると、、、
- 身体中の筋肉を使うので、血糖値が短期間で下がるようになり、コレステロールや中性脂肪、体脂肪を減らすことができるようになります
糖尿病の予備軍と診断された人は、専門医の指導にそって「有酸素運動」と「レジスタンス運動」をすれば、より効果は増します。
食事の量をコントロールすることも大切
「有酸素運動」と「レジスタンス運動」をいくら頑張っても、食事の量をコントロールしなければ、元も子もありません。
食事の量をコントロールしながら、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」を続ける努力をしましょう
そして、糖尿病の予備軍から解放されましょう。
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > 糖化ヘモグロビン
- ソニー損保:健康診断で数値が高かったら糖尿病に注意。HbA1cとはいったい何?
- 日本糖尿病学会:糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告
- イーライリリー:危険なな食後の血糖値
- 糖尿病ネットワーク:「有酸素運動」と「レジスタンス運動」を組合せると効果は最大に
また、次回。