体調不良が続いて、ホント、ツラい毎日。良く考えたら栄養バランス最悪だった。栄養素のこと何も知らない私がいけないの。
と、いう方へ。
普通の食事を作って食べていれば、ほとんどは大丈夫ですが、過度なダイエットをしたり、忙しさにかまけてジャンクフードですましてばかりいると、身体はどんどんダメージが強くなって、最後には取り返しのつかないことになりますよ。
今回は、3大栄養素の話です。
■もくじ
- 3大栄養素:糖質/炭水化物
- 3大栄養素:脂質/脂肪
- 3大栄養素:タンパク質
この記事を書いている僕(コータロー)は、健康食品を販売して15年ほど。
3大栄養素:糖質/炭水化物
3大栄養素の働き
私たちの身体は、心臓が動いて、血液が全身を流れ、骨があって、筋肉がついていて皮膚が身体を覆っていています。これらのすべては、私たちが食べる食物から栄養を吸収してできています。
それは、、、
生まれてから死ぬまで生命活動を何十年にわたって維持しつづけています。元気なカラダがあるのは、栄養を摂取して[消化][吸収][代謝]をくり返して生存しています。
栄養素の種類
3大栄養素は、特に有名です。
- 糖質(炭水化物)
- 脂質
- タンパク質
糖質と脂質は、おもに私たちが活動するためのエネルギーになり、タンパク質は、筋肉や血液、臓器などを作る材料になります。
5大栄養素になると、、、
この3大栄養素に加え、ビタミン、ミネラルが加えられて5大栄養素といわれます。このビタミンとミネラルの2つは、3大栄養素がちゃんと働けるようにしたり、身体の調子をととのえる「栄養素」になります。
最近では、食物繊維のことを「第6の栄養素」などといったりします。
食物繊維のことに関しては、この記事でも詳しく解説しています。
3大栄養素:糖質(炭水化物)の話
糖質は、おもにエネルギー源になります。
いわゆる炭水化物のことで、コメ、めん類、イモ、果物、菓子類、砂糖などに多く含まれています。
「ローカーボ(低炭水化物)ダイエット」など流行りましたが、運動がともなわないダイエットは身体にダメージが多く、エネルギーもなくなるので、このダイエット方法はとても危険です。
糖質(炭水化物)の種類
炭水化物は、以下の4つに分けられます。
糖質(炭水化物)の種類 | ||
単糖類 | 単糖の数が1個のもの | ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど |
2糖類 | 単糖の数が2個のもの | ショ糖、乳糖、麦芽糖など |
少糖類 | 単糖の数が2~10数個のもの | オリゴ糖 |
多糖類 | 単糖の数がそれ以上のもの | でんぷんや、グリコーゲンなど |
2糖類のショ糖は、砂糖のことでブドウ糖と果糖が結合したもの。
また、、、
乳糖は、ブドウ糖とガラクトースが結合したものです。
少糖類では、オリゴ糖が有名で腸内の善玉菌を増やすなどの働きがあることで、マスコミが盛んに取り上げました。
多糖類は、エネルギー源となります。これは、ブドウ糖がたくさん結合したものになっています。
糖質(炭水化物)の働き
炭水化物を摂らないとボーとしたりしますが、それは、糖質が足りなくなると、脳に必要な栄養が行き届かなくなったりします。また、炭水化物を摂らないと、足らない糖質をカバーするために筋肉や脂肪が使われますが、おもに筋肉が分解されます。
ですから、、、
炭水化物ダイエットで体重が減るのは、だいたい筋肉が減っているです。
逆に、、、
炭水化物を多く摂ると、エネルギーとして使い切れない分が、中性脂肪に変換されて脂肪になってしまいます。
血液中に多く含まれている糖質(炭水化物)
炭水化物は、血液中にブドウ糖という形で存在しています。
これは、、、
血液中のブドウ糖の濃度のことを血糖値といいます。
そして、、、
食事を摂ると、血糖値は高くなりますが、膵臓から分泌されるインスリンによって血糖値は低くされます。そして、逆にお腹が空くと血糖値が低くなります。すると、ホルモン(グルカゴンなど)によって血糖値を高くしてくれます。
このことは、、、
血糖値は、80~140㎎/㎗にちゃんと保たれるようになっています。
生活習慣病で有名な「糖尿病」は、このバランスの調整が上手く機能していない病気です。インスリンの分泌量が少なくなっていたり、その感受性が悪くなっていて血糖値が高くなりすぎてしまうのが糖尿病です。
炭水化物の1日摂取の基準量は
炭水化物は、1gが約4kcalです。
これは、、、
年齢などによって、1日の摂取カロリーは変わりますが、たとえば、2,000kcalの場合だと、
1,000kcal~1,300kcal÷4kcal=250g~325g。 つまり1日に250gから325gの炭水化物を摂取することが望ましいということになります。男女とも1日に食事から摂取するエネルギー(kcal)の50~65%に相当する量になるので、、、
[2,000kcal×0.5~0.65=1,000kcal~1,300kcal]となり、[1,000kcal~1,300kcal÷4kcal=250g~325g]
250g~325g
と、なります。
3大栄養素の糖質が不足すると
炭水化物ダイエットは、息が臭くなり便秘になりやすい
炭水化物ダイエットには、少し触れましたが、このダイエット法はアメリカの循環器専門医アトキンス博士によって考案されたものでした。
それは、、、
糖質(炭水化物)を摂ると、血糖値が上昇してインスリンが分泌されます。インスリンは、脂肪の蓄積を促して、脂肪の分解を抑制する働きがあります。なので、炭水化物ダイエットによって炭水化物を摂取しないとインスリンの分泌が抑えられるので、脂肪を蓄えることができないダイエット法です。
上記で、1日の摂取カロリーとして、炭水化物の1日の目安を[250g~325g]としましたが、それ以下にすることを炭水化物ダイエット(ローカーボダイエット)といいます。
多くのダイエットをする人々は、早く答えを出したいがために極端なローカーボ(低炭水化物)にはしります。
しかし、、、
極端なローカーボ(低炭水化物)の1日20グラム以下になるととても危険な状態になります。
炭水化物ダイエットで口が臭くなる仕組み
炭水化物ダイエットで体内に糖類や炭水化物がなくなると、エネルギー源がなくなるので、その代替として「ケトン体」が生成されます。
この、、、
「ケトン体」というのがくせもので、「ケトン臭」という独特の臭いがあります。これは、ケトン体が血液中に供給されたときに肺から「ケトン臭」が排出されるのです。そのニオイは、『フルーツが腐ったような酸っぱい臭い』で『加齢臭』のようなニオイだといいます。人によっては「ワキガのような酷いニオイ」という人も。
このように、オーラルケアをちゃんと行っている人でも「肺からワキガのような加齢臭のようなニオイ」が出てくのはまわりの人にとっては、辛いものです。
炭水化物ダイエットで便秘になる仕組み
炭水化物を多く含んでいるご飯やパンなどの全粒穀物には、多くの食物繊維が含まれています。極端なローカーボ(低炭水化物)ダイエットに走ると、この食物繊維が圧倒的に足らなくなります。
すると、、、
食物繊維が足らないと、小腸では上手に食べたものを運べなくなります。また、大腸でも同様のことが起きて、便秘になってしまいます。
その他の極端なローカーボ(低炭水化物)ダイエットでの症状
炭水化物ダイエットで疲労感がマックスに
ローカーボ(低炭水化物)ダイエットを行うということは、エネルギー源がないことになります。身体を動かすエネルギーがないと、午後には力が尽きてしまい、身体を動かせず疲労感の固まりになります。
炭水化物ダイエットでめまいと吐き気が
極端なダイエット炭水化物ダイエットを行うと、身体は筋肉や脂肪から補給しますが、その多くは水分が失われていきます。主に筋肉が使われますが、この水分の中には電解質のカルシウムやマグネシウムなどの貴重なミネラル分も排出されます。
すると、、、
必須ミネラルが失われることによって、めまいが起きて、吐き気をもよおすようになります。
糖質(炭水化物)は、身体を動かしてくれる大切な栄養素です。上手に摂るようにしましょう。そのためには、和食が最適だといえます。
なぜなら、、、
お米は、パンや麺類よりも糖質が少ないので、もし「ローカーボ(低炭水化物)ダイエット」を行うのであれば、和食を取り入れてダイエットに励むのが良いです。
さらに、、、
和食のよいところとして、イモ類や根菜類など、糖質の多い食材を抜いてもうまく献立を組み立てられることです。
3大栄養素:脂質/脂肪
栄養学で、脂肪は「脂質」のこと
3大栄養素のタンパク質、脂質、炭水化物のなかでタンパク質と炭水化物は、1gあたり4kcalのエネルギーですが、脂質だけは1gあたり[9kcal]と倍以上のエネルギーを放出します。なので、脂質は、エネルギー源としてはとても重要な働きをしています。
この脂質は、、、
脂肪は、栄養学では『脂質』と呼ばれており、動物性のものや植物性のものがあります。
脂肪酸とは
『脂肪酸』とは、脂質の主要な構成要素のこと。
それは、、、
『脂肪酸』が、他のさまざまな形態の物質と結びつくことで脂質を形成しています。
脂肪酸の種類は
脂質は、化学構造の違いによって3種類に分類されます。
- 単純脂質(中性脂肪、ロウ)
- 複合脂質(リン脂質、糖脂質、リポタンパク質)
- 誘導脂質(ステロール類)
この3種類の脂質[単純脂質、複合脂質、誘導脂質]を構成しているのが『脂肪酸』です。
脂肪酸の構造
脂肪酸は、炭素と水素が結合して1本の鎖状になったもの[炭化水素鎖]の末端にカルボキシル基(-COOH)が結合しています。
炭化水素鎖の長さや二重結合の有る無しの違いによって、多くの種類の脂肪酸があります。また、どんな脂肪酸が含まれているかによって、その脂質の性質も変わります。
たとえば、、、
- 二重結合がないものを『飽和脂肪酸』
- 二重結合があるものを『不飽和脂肪酸』
炭素の二重結合が増えると「固まる温度」が下がります。
たとえば、、、
ラードやバターなどの動物油は、常温では固体です。が、サラダ油やオリーブ油などの植物油は、常温でも液体です。これは、植物油には、不飽和脂肪酸が多く含まれているからです。
マーガリンは、植物油なのに固形なのは、不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸に変化させているから。なので、有害なトランス脂肪酸が含まれています。
- 二重結合が1つのものを一価不飽和脂肪酸
- 二重結合が2つ以上のものを多価不飽和脂肪酸
さらに、、、
多価不飽和脂肪酸は、二重結合の部分が炭化水素鎖のメチル基(-CH3)末端から何番目にあるかによって分類されます。
- 3番目にあるものをn-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)
- 6番目にあるものをn-6系脂肪酸(オメガ6脂肪酸)
そして、、、
n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸は人間では合成ができないため「必須脂肪酸」といわれており、とくに、n-3系脂肪酸は摂取不足しがちです。n-3系には、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)やαリノレン酸などがあります。
飽和脂肪酸
- エネルギーとして使われやすく、体内で合成できる脂肪酸
- 一般に過剰摂取になりやすく、過剰摂取は健康面でデメリットあり
- 物質として安定(炭素鎖2重結合を持たない構造)
- 肉、乳製品(牛乳、バター)卵黄、チョコレート、ココナッツ、パーム油などに多く含まれる
- ステアリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸など
一価不飽和脂肪酸
- オメガ9系脂肪酸とも呼ばれる
- 比較的エネルギーとして使われにくく、常温で液体の脂肪酸
- 物質として不安定(炭素鎖2重結合を一つ持つ構造)
- オリーブオイル、菜種油、アボカド、タラ肝油、イワシ油などに多く含まれる
- オレイン酸、ミリストレイン酸、エイコセン酸など
多価不飽和脂肪酸
- オメガ3系、オメガ6系脂肪酸に分類される
- 体内で合成できない必須脂肪酸を含む
- 物質として不安定(炭素鎖2重結合を一つ以上持つ構造)
- 魚油(青魚)、植物油(トウモロコシ油・大豆油・サラダ油等)、クルミ、えごまなどに多く含まれる
- リノール酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコペンタエン酸(EPA)など
トランス脂肪酸
- 植物油を高温にする過程などで生成される脂肪酸
- 健康に対するマイナス面が報告されている
- マーガリン、ショートニング、加工油脂などに含まれる可能性がある
中性脂肪に関しては、この記事でも詳しく解説しています。
3大栄養素の脂質の働きとは
あるもの扱いされやすい脂質は、じつはなくてはならないもの
脂質は、脂っこい食べものと捉えられがちなので、敬遠している人も多いかもしれませんが、人間の健康のために重要な働きをしています。
- 人間活動のためのエネルギー源
- 人体の細胞膜やホルモン、核膜などを構成している
- 皮下脂肪としてのバリア機能や臓器などを外部からの刺激から守っている
- 脂溶性ビタミンのビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの吸収促進
植物油や魚油に多く含まれている「不飽和脂肪酸」には、血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあります。
逆に、、、
動物性脂肪に多い、飽和脂肪酸は、血液中の中性脂肪やコレステロールを増加させる働きがあります。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、人間の身体の中で合成できる脂肪酸です。
バターやラード、肉の脂身などの動物性脂肪に多く含まれています。脂肪の多い肉を食べると、数時間後には脂肪分が固まるので、血液の粘度が高くなります。
なので、、、
飽和脂肪酸を摂り過ぎると、血液中にコレステロールや中性脂肪が増えてしまい血液の流れが悪くなります。
さらに、、、
血液を通じて、細胞などに運ばれていく栄養素や酸素が満足に行き渡らなくなります。すると、動脈硬化や心疾患などの重篤な病気のリスクが高まります。ですから、動物性の脂肪[飽和脂肪酸]は過剰に摂らないことが肝要です。
単価不飽和脂肪酸の働き
単価不飽和脂肪酸は、一般的にオレイン酸と呼ばれる成分からできています。牛脂(ヘット)や豚脂(ラード)などの動物性の脂肪にも含まれていますが、オリーブ油などの植物性油脂の方が含有量は多いです。
この、、、
オレイン酸は、酸化されにくいので発がんの元となる『過酸化脂質』を体内で作りにくいという特徴があります。
また、、、
悪玉コレステロールは、血管内に増えすぎると動脈硬化の原因ともされていますが、オレイン酸は、この悪玉コレステロールを減らすというはたきがあります。とてもありがたいオレイン酸ですが、高カロリーなので、摂りすぎには注意しましょう。
n-6系脂肪酸の働き
n-6系脂肪酸のおもな成分は、リノール酸です。これは、体内では合成することができません。ですから、必須脂肪酸です。
この、、、
n-6系脂肪酸は、サラダ油などの植物性油脂に多く含まれています。そして、n-6系脂肪酸は、血液中のコレステロール値を低下させる働きがあります。
しかし、、、
n-6系脂肪酸を摂りすぎると、善玉コレステロールを減らしてしまいます。善玉コレステロールは、血管壁などに蓄積したコレステロールを回収する働きがあります。
さらに、、、
n-6系脂肪酸のおもな成分は、リノール酸ですが、リノール酸から合成されるアラキドン酸には、アレルギー症状を強める作用があり、このn-6系脂肪酸を過剰に摂りすぎるのは危険です。
n-3系脂肪酸の働き
n-3系脂肪酸は、α−リノレン酸を主な成分とする必須脂肪酸。
この、、、
n-3系脂肪酸は、しそ油やえごま油などの植物性油脂に加え、動物性の脂肪である魚の油にも多く含まれています。
n-3系脂肪酸が、体内に入ると、、、
- 血液をサラサラにする
- 虚血性心疾患や高血圧、動脈硬化などの予防
- 脳や神経組織の発育に関与
- アレルギー症状の改善
などの機能を持ったEPAやDHAに代謝されます。
なので、、、
現在では、同じ多価不飽和脂肪酸であっても、n-6系より、n-3系脂肪酸の方をできるだけ多く摂取することが求めれています。
最後にすべてにいえることですが、摂りすぎは良くありません。
3大栄養素:タンパク質
『タンパク質』とは
普段から『タンパク質』という栄養素を知っているように思えます。
が、、、
3大栄養素である『タンパク質』は、とても重要な働きをしていることを見落としがちです。
まず、、、
『タンパク質』は、私たちの筋肉や骨、皮膚や臓器、髪の毛、血液、酵素やホルモン、さらには「免疫物質」などを作る原料になっています。
それは、、、
約20種類のアミノ酸が結合してできているのです。
厚生労働省のページでは、以下のような説明があります。
たんぱく質
たんぱく質は、炭水化物、脂質と共にエネルギー産生栄養素のひとつです。全ての動物および植物の細胞を構成する主要な成分であり、生体乾燥重量の約50%を占めます。筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、ホルモン・酵素・抗体などの体調節機能成分、豆・卵・肉・魚などの食品成分として重要であり、生命の維持に欠くことができないものです。
エネルギー産生栄養素の構成成分の中心は炭素および水素ですが、たんぱく質のみ約16%の窒素を含むことが特徴です。たんぱく質の種類は多く、各たんぱく質の構造・性状・働きは大きく異なっていますが、いずれも20種類のアミノ酸が約50~1,000結合した化合物です。
→ たんぱく質
体内で合成できない『必須アミノ酸』
このアミノ酸の中には、私たちの身体で合成することができないものがあります。
それが、、、
『必須アミノ酸』と呼ばれ、身体で合成することができません。大人の場合は、イソロイシン、ロイシン、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、スレオニン、バリンの9種類、子供の場合はこれらにアルギニンを加えた10種類があります。
筋肉のエネルギー源:分岐鎖アミノ酸(BCAA)
この必須アミノ酸のなかの「バリン」「ロイシン」「イソロシン」の3つの総称が、分岐鎖アミノ酸(BCAA)といわれています。
分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、筋肉のエネルギー源となるアミノ酸で、筋肉内の必須アミノ酸の内30~40%がBCAAで構成されています。
分岐鎖アミノ酸(BCAA):バリン
筋肉の強化や疲労回復の効果、そして、成長の促進や血液の中にある窒素のバランスを調整する効果もあります。
スポーツサプリメントなどに運動時のエネルギー補給として配合されています。
分岐鎖アミノ酸(BCAA):ロイシン
ロイシンは、肝臓の機能を高めます。傷ついた筋肉を修復するなどの働きを持ちます。
分岐鎖アミノ酸(BCAA):イソロシン
イソロシンは、体の成長を促進し、運動時のエネルギー源。
血管を拡張させ、肝臓機能の強化や筋肉強化など幅広く活躍するアミノ酸です。筋肉を強化するなどの栄養食品として活用されています。
アルギニン
アルギニンは、血管などの機能を正常に保ちます。一酸化窒素は、アルギニンからつくられますが、この一酸化窒素は、血管を広げて血液を通りやすくしています。
さらに、アルギニンは、体の余分なアンモニアを除去し、免疫機能を高めています。
そして、、、
このアルギニンは、運動したときの血流が足りないとか、疲労感の原因となるアンモニアが増えたときとかの、体の抵抗力が失われがちなときにとりたいアミノ酸です。
体内で合成できるアミノ酸
体内で合成できるアミノ酸は、グリシン、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、チロシン、システイン、アルギニン、プロリンの11種類です。
『タンパク質』は、アミノ酸に分解される
私たちが食べたタンパク質は、体内でアミノ酸に分解されて、吸収されます。その後、身体に必要なタンパク質に再合成されるのです。
これが、、、
私たちの細胞の[基本成分]となり、【遺伝子情報のDNA】もこのアミノ酸から作られています。
さらに、、、
アミノ酸の働きは、タンパク質を構成するだけではなくて、[神経伝達物質][ビタミンなどの生理活性物質の前駆体]としても重要な働きをしています。
体力低下や免疫力低下につながるタンパク質欠乏症
過剰なダイエットやハードな日常で栄養不足に[タンパク質欠乏症]
普通の暮らしと普通の食事を摂っていれば、たいていの場合「タンパク質不足」が生じることはありません。
が、、、
過度なシンデレラダイエットや忙しすぎてろくに食事を取れない日々を送っていると[タンパク質欠乏症]に陥ります。
タンパク質不足が引き起こす弊害とは
まず、、、
タンパク質が欠乏すると以下のような現象が身体に起きています。「筋肉量の減少」「肌や髪のトラブル」「集中力の低下」「思考力の低下」
筋肉量の減少[タンパク質欠乏症]
シンデレラ体重を目指して、過度な食事制限や低カロリーの食事ばかりだと、身体に必要なエネルギーを得ることができません。すると、私たちの身体は、この「危険な状態」を察知して、「筋肉を分解」することでエネルギー不足を補おうとします。ですから、過度なダイエットは、脂肪分を減らすのではなくて、「筋肉量を減らして」いるので、見た目がひ弱な身体にみえるようになります。
さらに、最悪なのは、、、
[タンパク質欠乏症]に陥ると、基礎代謝量が落ちてしまうので、【太りやすく痩せにくい体質】になってしまい、せっかく摂取した脂肪分が消費されずに内臓のまわりに溜まってしまいます。いわゆる「メタボリックシンドローム」になり、当初のダイエット目的とは別物の不自然な太った身体になってしまいます。
肌や髪[タンパク質欠乏症]
肌の弾力や肌つやは、美しい人の条件のようなもの。体内にタンパク質が不足すると皮膚の「コラーゲン」が失われてしまい肌の弾力や肌つや損なわれてしまいます。
これは、、、
肌の弾力に欠かせないのが、エラスチンですが、タンパク質が不足することでエラスチンの働きも活発に行われにくくなり、シワやたるみの原因につながると考えられています。
また、、、
毛髪は、ケラチンと呼ばれるタンパク質でほぼ構成されていますが、タンパク質不足は枝毛や切れ毛の原因にもつながります。
[タンパク質欠乏症]は、豊かな髪を作るどころか、薄毛を招いてしまうのです。
※ケラチンは20種類あるアミノ酸の種類のうち一部が結合して作られる成分です。
集中力や思考力[タンパク質欠乏症]
幸せホルモンのセロトニンややる気を出すドーパミンなどの神経伝達物質は、アミノ酸からできています。
なので、、、
[タンパク質欠乏症]になると、神経伝達物質は脳内では十分に作られなくなり、その働きもずいぶんと鈍くなります。
たとえば、こんな症状はないですか?
- 最近ものごとがうまくはこばない
- ぼーっとしていることがよくある
- 仕事などで指摘されたりする
このような場合は、タンパク質不足かもしれません。神経伝達物質が普段より不足している影響で、集中力や思考力が低下しているのです。これは、心身の不調を起こしますので、要注意です。
[タンパク質欠乏症]にならないためには
2015年厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015」では、、、
一日あたりに必要とされるタンパク質量は、成人男性で50g、成人女性で40gとあります。
たとえば、、、
効果的なタンパク質補給のメニューを考えるときに参考にしたいのが「アミノ酸スコア」です。アミノ酸スコアとはアミノ酸のバランスを数値化したもので、タンパク質の栄養価を示します。最高値は100で、バランスのいいものほど数値が上がります。
以下の数値をチェックして、上手に日々のメニューに取り入れましょう。
豚肉(ロース) | 100 | 玄米 | 64 |
牛肉(ロース) | 100 | 精白米 | 61 |
鶏肉(ムネ) | 100 | じゃがいも | 73 |
あじ(生) | 100 | くるみ(煎り) | 42 |
さんま(生) | 100 | キャベツ | 53 |
いわし(生) | 100 | ごぼう | 37 |
鮭(生) | 100 | たまねぎ | 51 |
鶏卵 | 100 | トマト | 51 |
牛乳 | 100 | いちご | 64 |
大豆 | 100 | パインアップル(生) | 63 |
糸引き納豆 | 100 | りんご | 56 |
豆乳 | 100 | 生しいたけ | 78 |
アミノ酸を上手に摂るには、肉類、魚類、卵、牛乳、大豆がおすすめです。ですから、普通の食事を摂るときには、偏った食生活にならないようにしましょう。そのためには、主食、主菜、副菜などを取り入れて、バランスの良い食事を摂ることが大切です。
以上。
- 参考文献
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > エネルギー産生栄養素
- 健康長寿ネット:三大栄養素の炭水化物の働きと1日の摂取量
- タニタ:食事を構成する栄養素
- ニプロ:三大栄養素の基礎知識
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > 脂肪 / 脂質
- 健康長寿ネット:三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量
- 食環境衛生研究所:脂肪酸とは?(良い脂質、悪い脂質について)
- 太田市立病院:「脂肪酸」ってなに?
- 厚生労働省:e-ヘルスネット > たんぱく質
- 健康長寿ネット:三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量
- ニプロ:三大栄養素の基礎知識
- グリコ:タンパク質の不足で起こる諸症状、その症状と対策とは
- 味の素:タンパク質
また、次回。
- Thank you very much for providing photos and illustrations.
- pakutaso
- irasutoya
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